- 建物の購入で消費税がかかるかは個人と法人の違い
- 土地の購入に消費税はかからない
- 不動産の購入で消費税がかかる箇所とかからない箇所の解説
不動産を購入する際に、消費税がどのように影響するかを理解することは、賢い選択をするために欠かせません。特に、建物には消費税が課税される一方で、土地は非課税という大きな違いがあります。このため、建物の購入を考える際には、その税負担についてしっかり把握しておくことが重要です。
また、不動産取引において消費税が適用されるかどうかは、売主が個人なのか法人か、あるいは課税事業者なのかによっても変わってきます。この記事では、建物に課税される消費税の仕組み、土地が非課税である理由について詳しく解説します。
山口編集者
そもそも消費税とは?

消費税の仕組みと変換率
消費税は、商品やサービスを購入する際に課される税金であり、最終的に消費者が支払う形になります。
この税金は、国家財政の健全性を保つことを目的としており、主に公共サービスの充実や社会保障の資金として活用されます。
消費税は間接税であるため、個々の財産や所得を直接調査することなく、効率的に税収を確保できるシステムが整っています。
日本における消費税の導入は1989年で、当初の税率は3%でした。
その後、税率は数回の引き上げを経て、2019年には現在の一般税率10%に設定されています。
この消費税は、国の歳入の約40%を占めており、特に社会保障や公共事業において重要な役割を果たしています。
変わる不動産購入額
消費税率が引き上げられると、商品やサービスの価格に直接的な影響を与えるため、消費者の購買行動に変化が現れます。
不動産購入においても、消費税の増税は無視できない要素です。
たとえば、新築住宅や中古住宅の購入時にかかる消費税は、物件価格の10%に相当します。
このため、増税が実施されると、購入額が大きく変動する可能性があります。
特に2019年の消費税増税では、従来の8%から10%へと引き上げられましたが、この変化は単に税率の上昇にとどまらず、購入時の全体的なコストに影響を与えます。
ただし、消費税の増税は購入を急ぐ動機となるほどの大きな影響はないとされていますが、贈与税の非課税枠が増額されたり、住宅ローン控除の限度額が引き上げられたりするなど、他の税制改正が同時に行われることで、実際の負担感が軽減される可能性もあります。
現在、住宅ローン控除は2022年度の改正により、2025年12月末まで延長されました。この延長により、住宅購入者はより長期間にわたって税制優遇を受けることができ、実質的な負担を軽減する手助けとなります。
消費税増税は、購入計画において慎重な検討を促す要因となりますが、今後の税制変更や優遇措置を考慮しながら、賢い選択を行うことが重要です。
建物は消費税が課税される

まず、家を購入するときに注目すべきポイントの一つが、建物部分に消費税が課されることです。
消費税が課される理由は、建物が物的資産であり、製造や提供が可能な「財」であるためです。このため、新築住宅や中古住宅を購入する場合でも、建物には消費税が課されます。
ただし、個人間での売買では消費税がかからないケースもあります。
つまり、売主が個人の場合には、消費税が発生しないことがありますが、不動産業者などの「課税事業者」から購入する場合には、10%の消費税が適用されます。これにより、建物の価格が数百万円単位で変わることがあるため、慎重に判断する必要があります。
新築と中古住宅の消費税の違い
建物の取引において、新築住宅と中古住宅では消費税の扱いが異なることが多いです。
それは新築の売主が一般的には企業や法人ですが、中古の売主は企業ではなく個人である場合があるためです。
そのため新築住宅を購入する際、建物部分には消費税が課されますが、土地にはかかりません。
一方、中古住宅では、売主が課税事業者である場合にのみ消費税が課されます。
個人売主が中古住宅を販売する場合、消費税が免除されることが一般的です。
これは、個人が経済活動の一環として建物を販売するわけではなく、自己使用の物件を売却するため、消費税の課税対象外とみなされるためです。
小島解説員
個人売主からの購入は非課税
中古住宅を購入する場合、売主が個人であれば、建物の消費税がかからないというメリットがあります。
これは多くの購入者にとって大きな節約ポイントです。
特に、中古住宅市場では個人売主からの購入が主流の地域もあり、この場合、購入者は建物に対して消費税を支払う必要がありません。
この非課税の理由は、個人が通常のビジネス活動として家を売るわけではなく、自分の家を手放すためだからです。
そのため、個人売主から中古住宅を購入する場合、建物に消費税が課されないことをしっかり把握し、購入を検討する際の一つの要素とすることが大切です。
リフォームにも消費税がかかる
家を購入した後、リフォームや改修工事を行うケースも多いでしょう。
中古住宅の売主が個人だった場合、消費税はかかりませんが、リフォームは異なるため、消費税がかかることに注意が必要です。
なぜならリフォームは「役務の提供」として見なされ、工事費用に10%の消費税が課せられるからです。
たとえば、1,000万円のリフォーム費用であれば、100万円の消費税が追加されます。
特に、大規模なリフォームや改修工事を検討している場合は、消費税分も含めた予算計画をしっかり立てることが重要です。
小島解説員
土地は非課税

一方、土地の購入に際しては、消費税が課されることはありません。
山口編集者
土地は「財」ではなく、「場所」や「空間」として扱われるため、物的資産ではないという理由で非課税とされています。
土地に対しては、いかなる場合でも消費税はかかりません。
土地が非課税である理由
土地が非課税である理由は、その特性にあります。
土地は供給が限られており、物として再生産することができません。
そのため、経済活動として取引される対象にはならず、消費税の課税対象外となっています。
これは、新築や中古住宅の取引においても一貫しており、購入する土地の面積や立地にかかわらず、消費税はかかりません。
この非課税措置は、土地購入時のコストを大幅に抑える要因となり、家を購入する際の大きなメリットの一つです。
不動産売買で消費税がかかる項目
不動産取引では、建物以外にもさまざまな費用に消費税が発生します。これらのコストは見落とされがちですが、購入時の総予算に大きな影響を与えるため、事前に把握しておくことが大切です。
不動産仲介手数料
家の売買に際して、不動産業者に支払う仲介手数料には10%の消費税がかかります。
仲介手数料は「物件価格の3%+6万円」に消費税を加えた金額で計算されます。
たとえば、3,000万円と4,000万円の物件を購入する場合の計算は以下の通りです。
- (3,000万円×3%+6万円)×1.10=1,056,000円
- (4,000万円×3%+6万円)1.10=1,260,000円
3,000万円の物件の場合、仲介手数料は1,056,000円となり、4,000万円の物件の際は仲介手数料は1,260,000円となります。この内訳は消費税を含めた金額です。
仲介業者に支払う手数料も、購入前にしっかりと確認しておくことが大切です。
司法書士への手数料
不動産取引における登記手続きや契約書作成を司法書士に依頼する際の手数料にも消費税がかかります。
司法書士が提供するサービスは課税対象であり、たとえば5万円の依頼料が発生した場合、さらに5,000円の消費税が加わります。
小島解説員
住宅ローン手数料
住宅ローンの契約に伴う手数料も消費税の対象です。
たとえば、ローン手数料が3万円の場合、消費税として3,000円が追加されます。
ローン契約時にはこの手数料も考慮した上で、予算を立てる必要があります。
その他のコスト
消費税がかかるのは主に建物部分ですが、不動産取得税や登録免許税など、その他の税金も発生します。
これらの税金は土地と建物の両方にかかるため、家を購入する際には総合的な予算管理が必要です。
家の購入には、建物だけでなく多くの付随費用が発生します。
これらを考慮し、しっかりとした資金計画を立てることで、後々の負担を軽減できます。
不動産取引で消費税がかからない非課税項目

不動産の取引では、仲介手数料や建物価格など一部に消費税がかかりますが、すべての費用が課税対象というわけではありません。
中には、法律上「非課税」とされる項目も存在します。
個人間での売買
不動産の取引で消費税が課税されるのは、「事業として」不動産を販売する事業者(法人や個人事業主)が売主となる場合です。
一方、売主が一般の個人であり、事業としてではなく自宅や別荘などを売却する場合には、その取引は消費税の対象外となります。
たとえば、個人が自分のマイホームや相続した住宅を売却するケースでは、建物にも土地にも消費税はかかりません。
ただし、個人であっても、不動産投資を目的として継続的に物件を売買している場合などは、税務上「事業者」とみなされ、課税対象となることもあるため注意が必要です。
なお、売却時に利益が出た場合は、消費税ではなく譲渡所得税の対象になりますので、税金全体のバランスにも気を配りましょう。
住宅ローンの保証料
住宅ローンを利用する際に金融機関へ支払う保証料も、実は消費税がかからない非課税項目のひとつです。
保証料は、万が一返済が滞った際に保証会社が代わりに返済する仕組みのための保険的な性質を持つため、金銭債権の取引に該当し、非課税扱いとされています。
このほか、ローンの利息や繰上げ返済手数料なども非課税となるため、住宅ローン関連の諸費用すべてに消費税がかかるわけではありません。
小島解説員
印紙税などの租税公課
不動産売買契約書に貼付する印紙税や、登記時に支払う登録免許税や不動産取得税などは、いずれも国税や地方税といった租税公課に分類されます。
これらの税金は、消費税法上の「取引に伴う対価」ではないため、消費税の課税対象外(非課税)です。
たとえば、売買契約書に貼る収入印紙代には消費税は課されませんし、登記や不動産取得時の税金にも同様に消費税はかかりません。
このように、公的な税金や手数料の多くは非課税扱いとなっているため、購入時の総費用を把握する際は、課税対象と非課税項目をしっかり区別しておくことが大切です。
建物価格にかかる消費税の計算方法と按分

不動産の売買価格は、多くの場合「土地と建物を合わせた総額」として提示されます。広告や販売資料でも、土地と建物が別々に表示されているケースは少なく、ひとまとめで金額が示されるのが一般的です。
しかし、消費税がかかるのは建物部分のみで、土地には課税されません。そのため、正確に消費税を算出するには、総額の中から土地と建物の価格を分ける按分(あんぶん)が必要になります。
按分とは、土地と建物の価格をそれぞれ明確にする作業のことです。
そのため、不動産を売却・購入する際には、建物部分の価格を算出し、その金額に対して消費税を計算します。
具体的な不動産 建物 消費税 計算方法は次の通りです。
小島解説員
建物価格 = 消費税額 ÷ 消費税率(10%)
たとえば、売買価格が5,000万円で、そのうち消費税額が200万円の場合、建物価格は次の通りです。
建物価格 = 200万円 ÷ 10% = 2,000万円
このとき、土地の価格は次のように求められます。
土地価格 = 売買価格 - 建物価格 - 消費税額
土地価格 = 5,000万円 - 2,000万円 - 200万円 = 2,800万円
このように、建物 消費税 按分を行うことで、課税対象となる建物の金額を正確に把握できます。特に分譲住宅や建売、中古住宅など「総額表示」されている物件では、この内訳を明確にしておくことが重要です。
契約書に記載されている建物価格と消費税額を確認し、必要に応じて不動産会社へ按分の根拠を確認することで、後々のトラブル防止にもつながります。
まとめ
不動産購入において、建物にかかる消費税と土地の非課税性は重要なポイントです。
建物は新築・中古を問わず課税されますが、売主が誰であるかで非課税になる点は、購入の検討で留意するポイントです。
実際に自分たちがどのような物件を購入し、またリフォームをしたいかなど、具体的な方向性を固めておくと良いでしょう。
一方、土地は消費税が非課税であるため、土地の購入に伴う負担は軽減されます。土地が非課税である理由としては、国家財政や公共サービスの安定を図るための政策が背景にあります。
さらに、建物以外のコストにおいても消費税が発生することに留意しましょう。仲介手数料や司法書士への手数料、住宅ローン手数料など、さまざまな費用に消費税がかかりますので、総合的な予算計画が必要です。
消費税は、国の財政や公共サービスに深く関わっているため、その仕組みや歴史を理解することも重要です。不動産購入を考える際には、消費税の影響をしっかりと把握し、適切な対策を講じることで、賢い購入を進めましょう。

