- 仲介手数料の値下げ交渉は遅くても審査後まで!
- 仲介手数料の交渉の言い方やメール例文を紹介
- 賃貸の仲介手数料の相場を早見表付きで解説
「不動産の仲介手数料って、審査が終わった後でも交渉できるの?いつ払うの?」
「仲介手数料をどうやってうまく値切るか、そのコツや注意点を知りたい…」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
不動産の仲介手数料は、賃貸の場合、通常家賃の0.5~1ヶ月分が相場と言われています。この額は出費が重なる引っ越しの時期には特に多くの人が負担に感じているのではないでしょうか。
小島解説員
渡邊編集者
仲介手数料は値引き交渉できる?審査後も可能?
仲介手数料は、通常は賃料の1カ月分が相場ですが、実は審査が通った後でも金額の交渉が可能です。
渡邊編集者
小島解説員
- 審査後の交渉は可能
- 交渉しやすい物件(AD物件)がある
- 始めから値引きしている不動産会社もある
審査後の交渉は可能
審査後でも仲介手数料の交渉は可能です。特に過度な値引きでなければ、不動産会社に相談する余地があります。仲介手数料は大家ではなく、不動産会社に支払うため、不動産会社の裁量で調整できる部分です。
交渉しやすい物件(AD物件)がある
交渉がしやすい物件には、AD(広告料)がついているものがあります。
入居者側からは物件に広告料がついているかどうかを直接確認することは難しいため、複数の不動産会社から見積もりを取り比較してみましょう。
広告料が高い物件の場合、仲介手数料を半額や無料にしてくれる不動産会社もあるため、相見積もりをすることで、その物件が広告料付きかどうかを判断しやすくなります。
始めから値引きしている不動産会社もある
近年、空室対策として大家が不動産会社に広告料を支払うケースが増えてきました。これにより、入居者からの仲介手数料に依存せず、広告料を主な収入源とする不動産会社が増加しています。
そのような不動産会社は「仲介手数料無料」とアピールすることが多いため、初期費用を抑えたい方は、最初からそのような不動産会社に仲介を依頼するのがおすすめです。
仲介手数料の値切り交渉のベストなタイミングは?
希望条件を伝えるとき
希望条件を伝える際には、初期費用の予算も合わせて伝えておくことが重要です。
小島解説員
一般的な初期費用の相場は、家賃の4.5〜5ヶ月分です。このため、自分の予算をはっきり伝えることで、予算内に収まるように調整してもらえます。
入居申込する前
一番理想的なのは物件を決定して、入居申込書を書くときです。
申し込み後は、費用に納得していると見なされるため、交渉が難しくなります。「仲介手数料を安くするなら申し込みたい」「概算見積もりから〇円ほど交渉したい」といった具体的な希望を伝えましょう。
これにより、契約の意志は示しつつも、金額がネックであることを理解してもらえます。
遅くても審査後まで
仲介手数料の交渉は、遅くとも審査後までに行う必要があります。
仲介手数料の交渉をメールで行うコツ(例文あり)
渡邊編集者
小島解説員
- 交渉内容は文面で残しておいた方がいい
- 仲介手数料の交渉例(テンプレート)
メールでの交渉は、伝えやすいだけでなく、記録が残る点でも便利です。ここからは具体的なポイントを解説します。
交渉内容は文面で残しておいた方がいい
後で「言った・言わなかった」というトラブルを避けるためにも、交渉内容は文面で残しておくのが賢明です。
最近では、不動産会社とのやり取りがチャットアプリやメールで行われることも多いので、その際に、仲介手数料の交渉もできるだけ早い段階で進めておくことをおすすめします。
仲介手数料の交渉時のメール例文(テンプレート)
仲介手数料をメールで交渉する際には、以下の例文を参考にしてみてください。
株式会社〇〇不動産
(ご担当者)様
先日はお世話になりました、〇〇(氏名)です。
迅速にお見積書をご準備いただき、ありがとうございます。
恐れ入りますが、初期費用が予算よりもオーバーしており、他社からの相見積もりでは、仲介手数料が家賃の半額で対応していただけるとのことでした。
そこで、御社でも仲介手数料をもう少しお安くしていただけないか、ご相談させていただきました。
可能であればこのまま契約を進めたいと考えております。
お手数ですが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。
(氏名)
初期費用をできるだけ抑えたい場合は、担当者にこのようなメールを早い段階で送ることをお勧めします。
【早見表付き】賃貸の仲介手数料とは
そもそもお部屋探しで支払わないといけない仲介手数料とは何か、まずはその仕組みを解説します。
- 不動産会社に支払う仲介手数料とは
- 仲介手数料を支払うタイミング(賃貸借契約の流れ)
- 仲介手数料の相場
仲介手数料とは?
仲介手数料とは、契約が成立した際に、お部屋を紹介してもらった不動産会社に支払う報酬のことです。
これは成功報酬の形をとっており、契約が成立しなかった場合には、不動産会社を利用していたとしても支払う必要はありません。
仲介手数料を支払うタイミング(賃貸借契約の流れ)
仲介手数料を支払うタイミングは、通常、初期費用を支払うときと同じです。契約日や入居日が決まると、不動産会社から「初期費用をいつまでに支払ってください」と案内があるため、その期日までに振込みなどで支払います。
賃貸借契約の流れを整理すると、次のようになります。
入居申込み
初期費用の支払いは、STEP 4の前後で設定されることが多いです。
【早見表つき】賃貸の仲介手数料の相場
仲介手数料の相場は「賃料の1カ月分+消費税」です。例えば、賃料が7万円の場合、仲介手数料は7万円+7,000円(消費税10%の場合)で、合計7.7万円となります。
宅地建物取引業法第46条に基づく国土交通省の通達では、仲介手数料は貸主と借主の双方から合わせて1.1カ月分を超えてはならないとされています。
以下に賃料ごとに、0.5ヵ月分または1ヵ月分の仲介手数料(税込み)を一覧にしましたので、参考にしてください。
家賃 | 仲介手数料(1ヶ月) ※消費税込み |
仲介手数料(0.5ヶ月)
※消費税込み |
30,000円 | 33,000円 | 16,500円 |
35,000円 | 38,500円 | 19,250円 |
40,000円 | 44,000円 | 22,000円 |
45,000円 | 49,500円 | 24,750円 |
50,000円 | 55,000円 | 27,500円 |
55,000円 | 60,500円 | 30,250円 |
60,000円 | 66,000円 | 33,000円 |
65,000円 | 71,500円 | 35,750円 |
70,000円 | 77,000円 | 38,500円 |
75,000円 | 82,500円 | 41,250円 |
80,000円 | 88,000円 | 44,000円 |
85,000円 | 93,500円 | 46,750円 |
90,000円 | 99,000円 | 49,500円 |
95,000円 | 104,500円 | 52,250円 |
100,000円 | 110,000円 | 55,000円 |
110,000円 | 121,000円 | 60,500円 |
120,000円 | 132,000円 | 66,600円 |
130,000円 | 143,000円 | 71,500円 |
140,000円 | 154,000円 | 77,000円 |
150,000円 | 165,000円 | 82,500円 |
160,000円 | 176,000円 | 88,000円 |
170,000円 | 187,000円 | 93,500円 |
180,000円 | 198,000円 | 99,000円 |
190,000円 | 209,000円 | 104,500円 |
200,000円 | 220,000円 | 110,000円 |
210,000円 | 231,000円 | 115,500円 |
220,000円 | 242,000円 | 121,000円 |
230,000円 | 253,000円 | 126,500円 |
240,000円 | 264,000円 | 132,000円 |
250,000円 | 275,000円 | 137,500円 |
審査後に仲介手数料を交渉する7つのコツ
審査後に仲介手数料を交渉するための7つのコツを紹介します。
小島解説員
- 始めから仲介手数料がない不動産会社に依頼する
- 自社管理物件を紹介してもらう
- 閑散期に部屋を探す(7~8月・11~12月)
- 相見積もりをとる
- 申込み前に交渉する
- 下げたい額を具体的に伝える
- 誠実な対応を心がける
① 初めから仲介手数料が無料の不動産会社を利用する
仲介手数料を抑えたい場合は、最初から仲介手数料を無料にしている不動産会社を選ぶのが最も簡単で実践的です。
不動産会社は広告料として大家から報酬を受け取ることが多く、広告料がある物件では仲介手数料を無料にすることがあります。こうした不動産会社を見つけて依頼すれば、交渉の手間を省いて費用を抑えられるでしょう。
② 自社管理物件を選ぶ
不動産会社が自社で管理している物件を選ぶのも、仲介手数料を抑えるための有効な方法です。
渡邊編集者
このような物件では、交渉がしやすくなる場合があるので担当者に「御社で管理している物件で条件に合いそうな物件はありませんか?」と聞いてみてください。
③ 閑散期を狙って物件探しをする(7~8月・11~12月)
仲介手数料の交渉を有利に進めたいなら、閑散期に物件を探すのがおすすめです。
この時期は問い合わせが少ないため、営業マンとしても少しでも多くの契約を取りたいと思っている不動産会社が多く、仲介手数料の交渉に応じてくれることが多いです。
④ 複数の不動産会社で相見積もりを取る
物件が決まった段階で、複数の不動産会社から初期費用の見積もりを取ることをおすすめします。中には仲介手数料を半額や無料にしている会社もあり、相見積もりを取ることで無駄な支出を避けることができます。
また、相見積もりを用いて交渉の材料にすることで、さらに費用を抑えやすくなります。
⑤ 申込み前に交渉を行う
仲介手数料の交渉は早めに行うのがベターです。
小島解説員
⑥ 具体的な値下げ額を提示する
見積もりをもらった段階で、どの程度まで費用を抑えたいかを具体的に伝えることが重要です。
不動産会社の担当者は、会社からの承認が必要なため、具体的な金額を示すことで可能ラインかおおまかな判断がしやすく、交渉がスムーズに進みます。
⑦ 誠実な対応を心がける
仲介手数料を値引きしたいと考えるなら、不動産会社には誠実な態度で接することが大切です。
信頼できる取引相手と見なされるよう、丁寧な対応を心がけましょう。面談や内見時も、横柄な態度を取らずに誠実な姿勢を保つことが重要です。
仲介手数料を交渉するときの注意点3つ
渡邊編集者
小島解説員
- 【言い方】強引に値切ろうとするのは逆効果
- 【タイミング】重要事項説明書の読み合わせ時ではもう遅い
- 【不動産会社】仲介手数料0円の不動産会社は紹介できる物件が限定的
① 【言い方】強引に値切ろうとするのは逆効果
仲介手数料を無理に値切ろうとするのは、逆に交渉を難しくすることがあります。
不動産会社の担当者も人間ですので、この人のために動きたいと感じてもらうことが重要です。
小島解説員
無理な値引き要求や横柄な態度は要注意人物として逆効果になります。誠実で丁寧な態度を心がけ、トラブルなく契約を進めるようにしましょう。
② 【タイミング】重要事項説明書の読み合わせ時ではもう遅い
契約書の捺印前に行われる重要事項説明の際に交渉しようとするのは遅すぎる場合が多いです。
仲介手数料を安くしたい場合は物件の申込み前や初期費用の見積もりをもらった段階で交渉を始めるのが効果的です。
③【不動産会社】 仲介手数料0円の不動産会社は物件が限定的
仲介手数料が無料の不動産会社もありますが、その場合、大家からの広告料のみで運営しているため、紹介できる物件は広告料が支払われる物件に限られます。
これにより、紹介される物件が制限されることがあります。
小島解説員
多くの物件情報を得たい場合は、仲介手数料無料の会社に加えて、他の不動産会社にも相談することをおすすめします。
交渉を断られた!仲介手数料以外で交渉できる費用
仲介手数料の交渉が難しい場合でも、他の費用を抑えることで初期費用を削減する方法があります。仲介手数料以外で安くできる費用についてご紹介します。
- 敷金・礼金なしの物件を選ぶ
- フリーレント期間を付けてもらう
- 火災保険は自分で選んで加入する
- 室内消毒・害虫駆除費用・消火器代などの不要な費用を省く
- キャッシュバックキャンペーン中の不動産会社を探す
敷金・礼金なしの物件を選ぶ
初期費用を抑えるためには、まずは敷金・礼金が不要な物件を探すことが効果的です。
敷金や礼金は賃料の数ヶ月分に相当することが多く、かなりの額になります。
渡邊編集者
フリーレント期間を付けてもらう
フリーレント期間とは、賃料が発生しない期間のことです。例えば、月の途中から入居を始める場合に日割り家賃を免除してもらうことで、初期費用を減らすことができます。
火災保険は自分で選んで加入する
入居にあたっては火災保険が必要ですが、不動産会社から提案される火災保険は高額な場合があります。
小島解説員
室内消毒・害虫駆除費用・消火器代などの不要な費用を省く
初期費用の見積もりに含まれる室内消毒や害虫駆除、消火器代などの費用も省くことが可能な場合が多いです。
これらの費用は契約者の希望によって省くことができる場合が多いです。本当に必要であれば費用に含めても大丈夫ですが、通常はカットして差し支えない費用です。不動産会社に交渉して除外してもらうようにしましょう。
特に、不動産仲介会社が上乗せしている場合は、相見積もりで不要な費用が含まれているか確認するのが効果的です。
キャッシュバックキャンペーン中の不動産会社を探す
キャッシュバックキャンペーンは、不動産会社やポータルサイトで行っていることがあります。
家賃1ヶ月分や数万円のキャッシュバックを提供している場合では、契約締結後に指定の期間内に申請することで、指定口座にキャッシュバックが振り込まれる仕組みです。
渡邊編集者
まとめ
仲介手数料は、うまく交渉することで値下げできる可能性があります。
ポイントを押さえると、交渉のタイミングが早いほど良いです。具体的には、初期費用の見積もりを受け取った段階で、いくら下げてほしいかを明確に伝えることが重要です。そのためには、相見積もりを取得して交渉材料を整えるといった準備も必要です。
小島解説員
渡邊編集者