- みんなで大家さんとは
- みんなで大家さんが自転車操業なのではという噂を検証
- みんなで大家さんは投資商品なのでリスクを十分に把握する必要がある
「みんなで大家さん」と検索すると、「自転車操業」「リスク」「危ない」などのネガティブなキーワードがあがっています。
みんなで大家さんでは、次々に新商品を提供しており募集総口数もどんどん増えているため、配当金の支払いに充てるために出資金を集めているのではないかという意見が少なくないようです。
この記事では、みんなで大家さんが自転車操業ではないか、という噂について評判や実態を解説します。
渡邊編集者
小島解説員
まず初めにみんなで大家さんの運営会社について解説します。
運営会社の都市綜研インベストファンド㈱は非上場企業のため、決算書を公開していませんが、公式HPから決算公告を見ることはできます。気になる方は確認してみてください。
みんなで大家さんは自転車操業なのか
みんなで大家さんは「想定利回り7%」という条件の良さから、様々なネガティブな評判がありますが、結論から言うと現時点では不明瞭な部分が多く「自転車操業」とは言い切れないというのが実情です。
小島解説員
そもそも自転車操業とは?
事業活動をする際は、商品を仕入れてから販売するなど、資金を先に支出するケースがよくみられます。不動産投資で言えば、先に物件を購入しなければ家賃が発生しないということです。運転資金を回し続けないと事業がストップしてしまう状況が、自転車を走らせている状態に似ていることから呼ばれています。
自転車操業自体は違法ではない
資金繰りが厳しい会社は事業に必要な運転資金を調達しなければならないため、銀行から借入したり、顧客から入金されたお金を直近の支払いに充てたりします。しかし、自転車操業自体は違法ではありません。資金が潤沢な会社ばかりではないため、資金繰りが忙しい中小企業は自転車操業で運転資金を回しているケースは多々あります。
タコ配の可能性はあるか
みんなで大家さんがタコ配を行っているという事実もありません。
広い意味で「自転車操業」と「タコ配」は似たような意味合いと捉えることもできますが、「タコ配」は違法行為で、違反した場合は5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金を受けることになります。
企業が、営業活動を通して得た利益以上に、過分な配当金を出すことを指します。
「タコ配」「蛸配当」と呼ばれることもあり、蛸が自分の足を食べる(=身を削る)姿に似ていることからそのように呼ばれています。
日本の法人の65.4%が赤字経営
新型コロナによる影響もあり、日本の景気状況はなかなか改善されません。
国税庁が2021年に公表した2019年度における「国税庁統計法人税表」においては、赤字法人率は65.4%でした。実に6割の企業が赤字であり、そのほとんどが中小企業です。
したがって、日本全体でみても黒字の会社のほうが少ないといえます。
渡邊編集者
小島解説員
みんなで大家さんの口コミ・評判
ここでは、みんなで大家さんの自転車操業に関する口コミや評判についてご紹介していきましょう!
- 関連会社間でお金を動かしてる、実態は自転車操業
- 中身は自転車操業やポンジスキームみたいという噂
- 社会問題になっても自己責任
- 自転車操業的なビジネスモデルではないかと思う
- 工事中で運用されていないのに配当があるっておかしい気がする
関連会社間でのお金の動きから、自転車操業の可能性もあるのでは?
「色んな事で出資を募り、関連会社間でお金を動かしてる」「実態は自転車操業だ」と言う口コミが見られました。みんなで大家さんは2024年以降に200億円を超える満期償還が始まるため、更に資金を集めないと破綻する懸念があるとも伝えています。
中身は自転車操業やポンジスキームみたいという噂
みんなで大家さんのビジネススキームの中身は「自転車操業やポンジスキームみたい」という声も上がりました。CMをバンバン流しているため、地方に住む高齢者などは信用してしまうそうです。
出資を募り、運用益を配当金として支払うと言って資金を集めるものの実際には運用していない手法です。新しい出資者からさらに出資金を集め、別の出資者に配当金を支払います。投資詐欺でよく見られるため、警戒する声が寄せられています。
破綻して社会問題になっても自己責任
「破綻して社会問題になっても自己責任では」という厳しい意見もありました。
投資は預金と違い元本が100%保証されているわけではありません。
みんなで大家さんの公式サイトでも、元本割れが生じるなどのリスクがあることを明示しています。事前に説明しているため、万が一、破綻したとしても自己責任なので同情できないとコメントしています。
自転車操業的なビジネスモデルではないかと思う
そもそもビジネススキームが自転車操業なのでは?と心配する口コミも見られました。
CMをひんぱんに流して集客に力を入れているため、新しい出資金をどんどん集めているイメージが強いようです。大家になるならば「みんなで」ではなく、「一人で」なったほうが良いともつぶやいています。
工事中で運用されていないのに配当があるっておかしい気がする
渡邊編集者
小島解説員
みんなで大家さんが自転車操業である明確な証拠はない
Twitterなどで経営状態に不安な声も見られますが、2024年3月時点では「みんなで大家さん」が自転車操業であるという明確な証拠は打ち出されていません。
ここでは、必ずしも自転車操業とはいえない理由について解説します。
みんなで大家さんは上場企業ではないので情報公開されていない
みんなで大家さんを運営している「都市綜研インベストファンド株式会社」は非上場企業です。決算書が公開されていないため、運営会社が公表する資料以外には経営状態を把握できないといえます。そのため、経営状態が黒字もしくは赤字であるなどの証拠はありません。
REITなど他の投資商品でも利回り7%はザラにある
みんなで大家さんの利回りが7%と高いため、いずれ破綻するのではという声もちらほら聞こえてきます。しかし、REITなど他の投資商品でも利回り7%はザラにあるため、みんなの大家さんの商品が飛び抜けて利回りが高いわけではありません。
例えば、中部電力がサポートしている「エスコンジャパンリート投資法人」というJ-REIT銘柄では、分配金利回りが7.10% です。したがって、みんなで大家さんの商品は高利回りですが、現実的な利率といえます。
ネットでの噂でマスコミから報道されているわけではない
「自転車操業ではないか?」などの口コミが散見しますが、これらの評判は全てネットでの書き込みで、新聞やテレビが報じているわけではありません。確かなエビデンスのもとで書いているとはいえないので、正確性という点には欠けています。
証拠のない書き込みは営業妨害に当たる可能性も
自転車操業というだけでなく、みんなで大家さんの口コミは「詐欺ではないか?」「ポンジスキームではないか?」など穏やかではない表現が見られます。
明らかな証拠がないにもかかわらずネガティブなイメージを与えるような書き込みが増えると、みんなで大家さんのブランドイメージが低下してしまいます。
みんなで大家さんのデメリット3選
渡邊編集者
ここでは、みんなで大家さんのデメリットを3つご紹介します。
【デメリット1】元本の保証はない
みんなで大家さんの商品は、他の不動産投資商品と同じく元本は保証されていません。
みんなで大家さんは不動産特定共同事業法に基づき、国土交通大臣や都道府県知事等による許可を得て不動産小口化商品を販売し、投資家より出資金を集めます。
集められた出資金を基に事業者が不動産投資を行い、運用中はその利益を分配金として投資家へ支払います。
そして運用期間が終了すると、その資産を売却して投資家への元本償還を行いますが、運用期間中にその資産価値が減少するなどし、不動産価格が大幅に下がってしまった場合は元本が戻ってこないという、いわゆる元本割れのリスクも持ち合わせています。
【デメリット2】節税対策に不向き
みんなで大家さんの商品である「不動産特定共同事業商品」によって発生する利益は、雑所得です。
一般的な不動産投資では、不動産購入時の仲介手数料や保険料、その他経費として計上できる項目があり節税対策としては有効です。しかしながら、みんなで大家さんの配当(分配金)は雑所得に分類され、20.42%の所得税が源泉徴収として差し引かれて支払われます。
サラリーマンや年金所得者の方で、みんなで大家さんの利益を含めて年間20万円以上の雑所得がある方は、確定申告が必須になります。
なお、みんなで大家さんで万が一損失がでた場合、他の雑所得がある場合は、内部通算で取り戻すことができます。
雑所得は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得および一時所得のいずれにもあてはまらない所得を指します。
雑所得に該当するものの代表例としては、公的年金や副業に関する所得などがあります。
投資に関して言えば、みんなで大家さんのような「不動産特定共同事業商品」の他にも、「ソーシャルレンディング」や「仮想通貨」による利益も雑所得に分類されます。
【デメリット3】地方への投資ファンドが多い
多くの不動産投資クラウドファンディングでは、東京などの収益減少リスクの低い都市部に集中的に投資しています。
一方、みんなで大家さんでは、千葉県の成田空港周辺開発プロジェクトや鹿児島県奄美市の国産バナナファームなど、地方への投資ファンドが目立ちます。
みんなで大家さんは償還されない?解約はできる?
償還とは、投資でいうと投資家から預かった出資金が満期を迎えた際、返金することを言います。
みんなで大家さんをインターネットで検索していると出てくるのが「償還されない」というキーワードですが、みんなで大家さんで償還されなかった事実はあるのでしょうか。
引用:Google検索「みんなで大家さん 後悔」
手続きをすれば「中途解約」でき返金される
2013年の債務超過・返金遅延騒動から「償還されない」「返金されない」という噂がネットを介して広まりました。
みんなで大家さんでは「地位の譲渡」という手続きを行うことで、中途解約ができるため返金を受けられます。
運営会社に商品を売却できるので、もし取引をしていて不審に思った際は地位の譲渡を行うのがおすすめです。
中途解約の場合は手数料がかかり、満額返金は難しい
みんなで大家さんで中途解約をしてしまうと、手数料が発生します。そのため満額返金は難しく、元本の減少につながってしまうでしょう。
みんなで大家さんとは?
みんなで大家さんの概要
「みんなで大家さん」は、都市綜研インベストファンド株式会社が運営する不動産投資サービスです。
みんなで大家さんは、1口100万円から出資できる手軽さや、想定利回りが年6~7%と高利回りであるという特徴から人気となっています。
小島解説員
みんなで大家さんの運営会社
営業者 |
都市綜研インベストファンド株式会社
|
本社 | 大阪府大阪市北区堂島1-1-5 関電不動産梅田新道ビル12階 |
代表取締役社長 | 栁瀨 健一 |
創立 | 平成11年8月 |
資本金 | 29億2330万9139円 |
公式サイト | 都市綜研インベストファンド公式 |
みんなで大家さんを検討する前に、まずは運営会社について調べておくことが大切です。
みんなで大家さんは、共生バンクグループに属する会社が母体とし、都市綜研インベストファンド株式会社が運営しています。この会社の詳細は公式サイトをご確認ください。
みんなで大家さんの商品は、販売代理人である「みんなで大家さん販売株式会社」を窓口として契約する仕組みとなっています。
みんなで大家さんの販売会社
会社名 |
みんなで大家さん販売株式会社
|
本社所在地 |
東京都千代田区麹町5-3 第7秋山ビルディング5階
|
代表取締役社長 | 栁瀨 鳳憲 |
創設 | 1998年8月 |
資本金 | 1億円 |
社員数 | 59名(2023年4月現在) |
公式サイト | みんなで大家さん販売公式 |
どちらの会社も「不動産特定共同事業許可」という法律に基づいた許認可を取得しています。
みんなで大家さんは次々に新商品を発売
みんなで大家さんは「シリーズ成田」以外にも「シリーズ48号」「ファーム6号」などさまざまな商品をどんどん発売しています。
最新商品は「シリーズ成田18号」
みんなで大家さんシリーズの最新商品は「シリーズ成田18号」です。
想定利回り7.0%、運用期間5年、出資金1口100万円、募集総口数は15,368口という商品で、募集総口数に達するまで先着順で受付しています。
シリーズ成田だけでも4つの商品を販売している【2023年度】
シリーズ成田とは、成田空港周辺開発プロジェクト用地の一角を不動産として組み入れた商品です。2023年度にはシリーズ成田だけでも4つの商品を販売しています。
商品名 | 募集総口数 |
シリーズ成田11号 | 8,936口 |
シリーズ成田12号 | 15,212口 |
シリーズ成田13号 | 24,336口 |
シリーズ成田14号 | 25,372口 |
シリーズ成田15号 | 27,900口 |
シリーズ成田16号 | 27,900口 |
シリーズ成田17号 | 14,808口 |
このように、新商品が発売されるたびに募集総口数が増えており、シリーズ成田18号では15,368口が募集されています。
小島解説員
渡邊編集者
新商品を次々に発売し、募集総口数が増加しているのは心配という声も噂されているもの事実です。
現在のところ事業は問題なく継続中【2024年4月時点】
様々な噂のあるみんなで大家さんですが、現時点(2024年3月)では問題なく事業が継続中です。
ここでは、みんなで大家さんのビジネススキームが維持されている点について解説します。
16年間サービスが継続している
みんなで大家さんのサービスが開始されてから16周年を迎えました。これまでの組入総資産は2,000億円以上、出資者は25,000人を超えています。
累計出資金額は約1,600億円、累計配当金額は約180億円の実績があり、50歳以上の男性が主な顧客層です。
優先劣後システムで出資者には安全な投資
優先劣後システムを採用しており、対象不動産の評価額が下落した場合でも、20%以内であれば出資した元本の評価に影響がないのがメリットです。営業者からの出資を劣後出資として20%、顧客の出資を優先出資として80%にするので、万が一、損失が出た場合でも顧客の出資金の返還や分配金を優先して支払います。
ギフトカードキャンペーンを実施している
みんなで大家さんの商品「シリーズ成田18号」に出資すると、1口につき13,000円分のギフトカードをもらえます。例えば10口出資すると13万円もらえます。
投資を検討する際はリスクについて十分に理解したうえで検討しましょう。
まとめ|みんなで大家さんは自転車操業とは断言できないが投資商品なのでリスクはある
みんなで大家さんは自転車操業なのかという噂については、明確な証拠があるわけではなく、現時点においては元本割れや分配金の遅れもなく、正常な事業状況であるといえます。
ただ、あくまでも投資商品のため、万が一、経営に行き詰まった場合には出資金が戻らないなどのリスクがあります。
みんなで大家さんに限らず、投資商品に出資するときには、リスクや出資先の会社についてじっくり調べてから実行しましょう。