- マンションの間取り図にあるPS・MBとは?
- PSのメリット・デメリットを解説
- パイプスペースは音に注意
マンションの購入や賃貸を考える際、間取り図は非常に重要な情報源となります。
しかし、その中に含まれる「PS(パイプスペース)」や「MB(メーターボックス)」の存在を理解している人は少ないかもしれません。これらのスペースは、住まいの機能性や快適さに影響を及ぼす要素です。
正しい理解があれば、将来のメンテナンスやリノベーションにおいても大きな安心につながります。
この記事では、マンションにおけるPSとMBの基本的な役割、違い、間取り図での見方について詳しく解説します。
山口編集者
小島解説員
PS(パイプスペース)とは?基本的な役割を解説
マンションやアパートの間取り図にしばしば見られる「PS」(パイプスペース)。
この空間は、給排水やガス管、電気配線などのインフラ設備が通る重要な場所です。
小島解説員
- PSの役割・設置の理由
- PSとパイプシャフトは別物
- 間取り図での確認方法
PS(パイプスペース)の役割と設置理由
PSの主な役割は、住居内の給排水やガスの供給、電気の配線を行うためのスペースを提供することです。
具体的には、複数の水回り(浴室、キッチン、トイレなど)の配管を集約し、効率的な給排水を実現します。
この配置により、住居内の水の流れがスムーズになるのです。
また、PSは各種配管の点検や修理を行うためのアクセスを確保しているため、メンテナンスが容易になり、住戸全体の設備が正常に機能することが期待できます。
さらに、配管を壁内に隠すことで、居住空間を広く使えるように設計されています。
PS(パイプスペース)とパイプシャフトの違い
ここで、PSと「パイプシャフト」という建築用語の違いについても触れておきましょう。
PSは主に住居内の特定の場所に設置され、給排水や電気配線のためのスペースです。
通常は、浴室やキッチン、トイレなどの近くに存在し、住戸内でのインフラを支える役割を担っています。
一方で、パイプシャフトは建物全体にわたる縦の配管スペースを指します。
パイプシャフトもPSと表記されるため、パイプスペースと同じと勘違いされることもありますが、実際には上下階での配管を効率的に通すための構造となっており、住居内のPSとは異なる役割があります。
このように、PSとパイプシャフトはそれぞれ異なる機能と役割を持っています。
PS(パイプスペース)とMBの違い
マンションの間取り図でよく見かける「PS(パイプスペース)」と「MB(メーターボックス)」は、どちらも共用設備に関わるスペースですが、役割は大きく異なります。
間取り図にあるMBとは電気・ガス・水道などのメーターを設置する専用のボックスで、各メーターによってエネルギーや水の使用量を正確に把握できます。そのため、管理会社が料金を確認をしやすいよう、居住空間の外に設置されるのが一般的です。
一方、PSは室内に固定されていて移動できないため、家具配置や間取りに影響を与える場合があります。対してMBは居住空間の外に設置されるため、居住空間を圧迫しないという違いがあります。
小島解説員

間取り図ではPSは水回りの近くに配置されており、配管や設備のメンテナンスのためのアクセスを提供します。
一方、MBは通常、廊下や共用部に設置され、居住空間から独立していることが多いです。
間取り図でPSは「PS」や「P/S」と表示されるのに対し、MBは「MB」と表記されます。
山口編集者
間取り図にあるPSの確認方法
一般的には、PSは特定のエリアに四角形や長方形で囲まれ、室内の水回り(浴室、キッチン、トイレなど)の近くに配置されています。
PSは部屋の隅や壁面に示されることが一般的です。
さらに、間取り図には通常、各部屋の名称や用途が記載されているため、これを参考にすることで、PSの位置が住居内のどの設備に関連しているかを理解することができます。
山口編集者

小島解説員
山口編集者
尚、間取り図にあるSTOはストレージの略で、納戸や収納スペースのことを言います。

上の間取り図には、色々な建築用語がありますね。
下の表で確認してみてください。
| 間取り図の略語 | 意味 |
| PS | パイプスペース/パイプシャフト |
| MB | メーターボックス |
| WIC | ウォークインクローゼット |
| STO | ストレージ(納戸) |
| SIC | シューズインクローゼット |
| W | 洗濯機を置くスペース |
| R | 冷蔵庫を置くスペース |
| CL | クローゼット |
| DEN | 書斎などの小部屋 |
| TR | トランクルーム |
| SB | シューズボックス |
間取り図を確認する際には、PSの位置が水回りとどのように関連しているのか、またそのスペースがどれくらいの広さを持つのかも注目してみると良いでしょう。
PS(パイプスペース)のデメリット

マンションやアパートにおけるPS(パイプスペース)は、配管が通る重要な空間ですが、住まいにさまざまな影響を与える要素でもあります。
これから、PSがどのように住環境に影響を与えるのかを探っていきましょう。
配管から聞こえる音がうるさい
PSに設置された配管は居住空間と接しているため、生活音がうるさいと感じることがあります。
特に、水の流れや排水の音、または隣接する部屋の配管が振動を伝えることで、騒音が気になることがあるのです。
このような騒音問題は、特に静かな環境を求める方にとって大きなストレスになることがあります。
また、騒音が発生する配管の位置や設置状況は、住戸によって異なりますので、物件を選ぶ際には事前に周囲の音環境を確認することが大切です。
内見時に周囲の音をチェックすることで、実際の住環境を把握する手助けになるでしょう。
リノベーションやリフォーム時に移動できない
PSは配管が通るため、リノベーションやリフォームを行う際にはその位置や構造が制約となる場合があります。
たとえば、キッチンやバスルームのレイアウトを変更したいと思っても、PSの位置によっては思うように設計できないことがあるのです。
また、PS内部の配管を変更することができないため、改修工事が難しいケースもあります。
さらに、PSの存在がリフォームの範囲を制限することもあるため、施工業者との相談が必要になる場合があります。
このように、PSは住まいにおける重要な要素でありながら、騒音問題やリフォーム時の制約を伴うことがあります。
山口編集者
PSは自由な場所に設置できない
PS(パイプスペース)は建物の構造に組み込まれているため、居住者の判断で移動させることはできません。
移動できないことがデメリットとなり、特に水回りの位置はPSに合わせて固定されるため、間取りの自由度が制限されてしまいます。
その結果、家具や収納の配置に制約が生じ、限られた空間を有効活用しづらいケースもあります。
狭い間取りでは、使えるスペースがさらに限られてしまう点に注意が必要です。
PSとMBの確認ポイント

中古マンションを購入する際には、PS(パイプスペース)とMB(メーターボックス)の状態をしっかりと確認することが重要です。
これらのスペースが日常生活にどのように影響するかを理解することで、より快適な住環境を手に入れることができます。
ここでは、具体的な確認ポイントを解説します。
配管の状態やメンテナンスの確認方法
まず、PSに関しては、配管の状態を確認することが不可欠です。
内見時には、配管の劣化や漏れがないかをチェックしましょう。
具体的には、配管の接続部分や点検口を目視で確認し、サビや水漏れの兆候がないか探ります。
特に、古いマンションの場合、配管が劣化している可能性があるため、注意が必要です。
また、PS内部には点検口が設けられていることが多いですが、これが適切に機能しているかも確認しましょう。
加えて、管理会社に過去のメンテナンス履歴を確認することもおすすめです。
PSやMBの位置と日常生活への影響を見極めるポイント
次に、PSとMBの位置が日常生活に与える影響を見極めることが重要です。
特に、PSは水回りの近くに設置されていることが多いため、周囲の生活空間との関係を考慮する必要があります。
例えば、配管の位置がキッチンやバスルームに近い場合、リフォームや配置変更を考える際に影響が出ることがあります。
実際の生活動線をイメージしながら、配管の配置を確認してみましょう。
MBの位置も重要です。
居住空間から独立した場所に設置されているMBは、騒音や視界を気にせずに管理ができるため、快適な生活を送る上での利点があります。
このように、中古マンションを購入する際には、PSとMBの状態や位置をしっかりと確認することで、快適な住まいを手に入れることができます。
ぜひ、これらのポイントを参考に、理想の住環境を見つけてください。
中古マンション購入時に確認すべきPSとMBの重要事項
中古マンションを購入する際には、PSとMBの状態や位置に注意を払うことが必要です。
PSに関しては、配管の劣化や漏れの有無、点検口の位置などを確認することが重要です。
これらは将来的なメンテナンスやリフォームに影響を与える可能性があります。
一方、MBについては、メーターの設置状態や配線の状況を確認し、使用状況に問題がないかをチェックすることが大切です。
特に、電気やガスの供給がスムーズであるか、メーターの管理が適切に行われているかを確認することで、安心して生活を始めることができるでしょう。
このように、PSとMBの違いやそれぞれの機能を理解することで、より良い住まい選びが可能になります。
小島解説員
PSとMBを有効活用した住まいの改善方法
PS(パイプスペース)とMB(メーターボックス)は、住まいの重要な部分ですが、上手に活用することで、居住空間をより快適に改善することができます。
ここでは、リノベーションや改善のポイントを解説します。
- PSの位置を利用した空間づくりのコツ
- PSの有効活用法
- 業者への相談する
リノベーション時にPSを考慮した空間づくりのコツ
リノベーションを計画する際には、PSの位置や機能を考慮することが大切です。
PSは配管が通るため、移動させることはできませんが、その周辺の空間を有効に活用することは可能です。
例えば、PSの近くに収納スペースを設けることで、使い勝手を向上させることができます。
また、PSを隠すための収納や装飾を施すことで、見た目を美しく整えることも効果的です。
さらに、PSの周囲に家具を配置する際には、配管のメンテナンスがしやすいようにスペースを確保することが重要です。
例えば、引き出し式の収納やオープンシェルフなど、手が届きやすいデザインを選ぶと、普段の生活が快適になります。
山口編集者
中古マンションをリノベーションする際のPSの有効活用法
中古マンションをリノベーションする場合、PSを有効に活用することで、居住空間をより快適にすることができます。
例えば、PSを収納スペースとして利用する方法があります。
棚やボックスをPS内に設置し、使用頻度の低いアイテムを収納することで、限られた居住空間を有効に使えます。
また、PSの近くにキッチンやバスルームを配置することで、配管の設置やメンテナンスが容易になります。
さらに、デザイン面でもPSを取り入れた空間設計を考えることが可能です。
例えば、パイプスペースをアクセントウォールとして活用することで、ユニークな空間を演出することができます。
業者に相談する際に知っておきたいPSの改善事例
リノベーションを考える際、業者に相談することは非常に重要です。
その際にPSに関する改善事例を知っておくと、具体的な提案を受けやすくなります。
例えば、ある家庭では、PSを収納スペースに変えた結果、限られた空間を有効に活用しつつ、見た目もスッキリとした印象を持たせることに成功しました。
また、別の事例では、PSの周囲にカスタムメイドの収納を設置することで、日常的なメンテナンスのしやすさと、機能性を兼ね備えたデザインを実現したケースもあります。
山口編集者
このように、PSとMBを有効活用した住まいの改善方法は多岐にわたります。
小島解説員
間取り図の「PS」「MB」の理解が家探しを成功させるカギ

間取り図は、物件の内部構造や機能を視覚的に示す重要なツールです。
その中でも「PS」(パイプスペース)や「MB」(メーターボックス)の理解は、快適な住まいを選ぶためのカギとなります。
これらのスペースがどのように生活に影響するのかを知ることで、理想的な家探しが可能になります。
間取り図のPSとMBを正しく理解して快適な住まいを選ぼう
間取り図に表示されるPSやMBは、配管や電気メーターが設置されるスペースで、住まいの機能性に直結しています。
PSは主に水回りに関連した配管が集まる場所であり、その設置場所や大きさは日常生活に影響を与えます。
例えば、PSがキッチンやバスルームの近くに位置していると、リフォーム時に配管工事がスムーズに行えるため、後々のメンテナンスが楽になります。
一方、MBは電気やガスのメーターが設置されている場所で、生活に欠かせない設備です。
これらのスペースを正しく理解し、確認することで、より快適な住まいを見つけることができます。
家族構成やライフスタイルに合ったPS・MBの確認ポイント
家族構成やライフスタイルに応じたPSやMBの確認は、物件選びの重要なステップです。
例えば、子どもがいる家庭では、PSの位置が水回りに近い方が便利です。
また、将来的にリフォームを考えている場合、PSがどのように配置されているかを確認することは、リノベーションの計画において大きな影響を及ぼします。
さらに、MBの位置も家族の生活スタイルに合わせて考慮する必要があります。
電気代やガス代が気になる人は頻繁に使う部屋の近くにMBがあると、メーターのチェックや管理がしやすくなります。
このように、自分たちのライフスタイルに合ったPSやMBを見極めることで、より快適な住環境を手に入れることができるでしょう。
まとめ
間取り図におけるPSとMBは、住まいの機能性や快適さに大きな影響を与える要素です。
これらを正しく理解し、家族構成やライフスタイルに合った確認ポイントを押さえることで、理想の住まいを見つける手助けになります。
家探しを成功させるためには、これらのポイントをしっかりと意識して選ぶことが重要です。理想の住まいを手に入れるために、しっかりとした知識を持って家探しに臨んでください。

