- 賃貸・売買の仲介手数料無料のトラブル事例5選
- 仲介手数料無料のデメリットまとめ
- 仲介手数料無料の罠はある?落とし穴にはまらないために!
不動産取引において、仲介手数料は大家さんと借主の間に入って不動産屋が仲介することで発生する費用ですが、近年では「仲介手数料無料」や「仲介手数料半額」を謳う不動産業者も増えてきました。
東京の賃貸不動産会社も例に漏れず、仲介手数料無料の店舗をよく見かけます。
「仲介手数料無料」というのは、買い手や売り手にとって大きなメリットがあります。しかし、仲介手数料無料の取引には、賃貸や売買のいずれにおいても様々なトラブルが潜んでいるのです。
渡邊編集者
仲介手数料無料で実際に起きたトラブルと対処法
まず最初に、賃貸・売買契約における仲介手数料無料の裏では実際どんなトラブルが起きているのでしょうか。
実体験をもとにした口コミや評判をご紹介します。
担当者の対応が雑に感じた
待ち合わせに遅刻したにもかかわらず謝罪もなく対応されたことで、不安を感じているという口コミが見受けられました。しかし、これは仲介手数料無料の会社だからというより、担当者の人柄や能力に関わる問題です。
渡邊編集者
後から仲介手数料を請求された
公式サイトには仲介手数料無料と明記されていたにもかかわらず、実際には仲介手数料が請求されたという事例があります。仲介手数料を無料にする代わりに、他の費用が上乗せされると言われたそうです。
小島解説員
他の費用が相場より高めで危険?
仲介手数料が無料になっている代わりに、他の費用が高めに設定されていることがあるため、注意が必要です。
仲介手数料無料という点だけに注目するのではなく、総合的な費用を考慮して判断することが大切です。
別の費用がかかった
賃貸に関する仲介手数料無料のトラブルとして、仲介手数料が無料と謳っていても、実際には事務手数料や別の名目で費用が発生することがあります。
小島解説員
囲い込み物件だったため、交渉がうまくいかなかった
不要なオプションを削る交渉をしたかったが、囲い込み物件だったために強く出られなかったという口コミがありました。さらに、この物件は人気物件だったため、交渉自体が難しかったとのことです。
渡邊編集者
仲介手数料無料のデメリットや落とし穴はある?
仲介手数料無料のためにさまざまなトラブルが起きていることがわかりました。
では不動産の賃貸や売買において、仲介手数料無料の落とし穴やデメリットはどんなものがあるのでしょうか。
後々トラブルにならないためにも、賃貸・売買における仲介手数料無料のデメリットをしっかり押さえておきましょう。
- 仲介手数料無料の物件はそう多くない
- 仲介手数料無料の落とし穴!別で費用を請求される?
- 仲介手数料無料の罠!サービスが手薄になる可能性も
デメリット①仲介手数料無料の物件はそう多くない
仲介手数料無料のデメリットの一つは、賃貸・売買ともに仲介手数料無料が適用される物件の数が限られている場合があります。
そのため、希望する条件が多い場合、賃貸・売買の両方で条件に合った仲介手数料無料の物件を見つけることが難しいかもしれません。
デメリット②仲介手数料無料の落とし穴!別で費用を請求される?
デメリットの2つ目は、賃貸・売買のどちらにおいても別の費用が発生する可能性があることです。
一部の不動産会社は、仲介手数料を無料にする代わりに、事務手数料や室内消毒費などの別の名目で追加料金を請求することがあります。
デメリット③仲介手数料無料の罠!サービスが手薄になる可能性も
デメリットの3つ目は、サポートやアフターサービスが手薄になる場合があることです。
不動産会社が仲介手数料を無料にするために、経費を削減している場合、寸法を測りたいからもう一度内見したいといったリクエストもこれまでは車での送迎があったのに現地集合になったり、こまめな連絡をくれていたのにめっきり進捗報告がなくなったりと、手間やサービスが手薄になる可能性があります。
そのため、取引後のサポートやトラブル時の対応も同じく手厚いとは言えない可能性がありますので注意が必要です。
仲介手数料無料のからくりを知ってトラブルを回避しよう
最初の章では仲介手数料無料のトラブル事例をご紹介しましたが、そもそも仲介手数料がなぜ無料なのか、そのからくりについて解説します。
そもそも仲介手数料とは?その仕組み(賃貸・売買)
仲介手数料とは、不動産業者が売り手と買い手の間で契約を成立させるために行う仲介業務に対して、買い手または売り手から支払われるお礼のお金のことです。
不動産会社が請求できる仲介手数料は、賃貸・売買の価格によって下表のように決まっています。
売買取引金額 | 仲介手数料の上限 |
200万円以下 | 売買金額×5%+消費税 |
200万円以上400万円以下 | 売買金額×4%+消費税 |
400万円以上 | 売買物件×3%+消費税 |
賃貸や売買の仲介手数料無料のからくり
渡邊編集者
小島解説員
- 片方から仲介手数料を貰っている
- 不動産会社の所有の物件である
- 貸主が払う広告料が高い
からくり①片方から仲介手数料を貰っている
不動産会社は、買主と売主の両方から仲介手数料を無料にすることはありません。
例えば、売主から仲介手数料を受け取っている場合、買主には仲介手数料を無料にすることで契約が成立しやすくなります。賃貸の場合も同様です。
小島解説員
渡邊編集者
からくり②不動産会社の所有の物件である
不動産会社は、自社が所有する物件を販売する際には、仲介手数料を受け取らずに直接利益を得ることができます。そのため、売買契約において仲介手数料を免除することが可能です。
からくり③貸主が払う広告料が高い
貸主(物件の所有者)は、物件を迅速に入居者に埋めたいと考える場合、広告や宣伝に多額の費用をかけることがあります。
そのため、不動産会社は貸主から広告料を受け取り、その代わりに入居者からの仲介手数料を免除することができます。これにより、貸主の広告費用が削減され、不動産会社も利益を上げることができるのです。
仲介手数料無料のメリットは?
渡邊編集者
小島解説員
- 初期費用を抑えることができる
- ローン審査に通りやすくなる(賃貸・売買)
初期費用を抑えることができる(賃貸・売買)
通常、不動産の売買や賃貸契約では、物件の価格に応じて仲介手数料が発生します。
この手数料は一定の割合で物件価格によって設定されるため、高額な物件ほど手数料も大きくなります。
一方、仲介手数料無料の場合は、初期費用を大幅に削減することができ、その分の費用を他の用途に回すことができるのが最大のメリットです。
ローン審査に通りやすくなる(売買)
不動産の購入に際してローンを組む場合、銀行や金融機関でのローン審査が必要です。この審査では、購入者の返済能力や信用度が評価され、借入を適切に返済できるかどうかが判断されます。
仲介手数料が無料の場合、物件価格が下がることで購入者の借入金額も低減します。
小島解説員
まとめ:仲介手数料無料のデメリットを把握してトラブルを回避しよう
この記事では、賃貸・売買における仲介手数料無料に関するトラブル事例やデメリット、そしてメリットについて解説しました。
仲介手数料無料にはメリットだけでなく、無料にできるからくりや、注意すべきデメリットもあることがお分かりいただけたと思います。
ただし、注意点を理解し対処すれば、仲介手数料無料の利点も大きいことは確かです。
小島解説員