中古住宅のリアルな値引き体験談!500万円の値引き成功事例とは。平均は1~2割?

中古住宅のリアルな値引き体験談!500万円の値引き成功事例とは。平均は1~2割?


この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

この記事のまとめ
  • 中古住宅を500万円値引きで購入した体験談など多数紹介
  • 値引き交渉成功の秘訣は物件の見極めとタイミング
  • 値引き交渉の注意点と失敗パターン

中古住宅の購入を考えている人にとって、現実的な話としてどれくらい値引きしてもらえるのかは誰しもが気になる点かと思います。

「新築と違って中古住宅だから売り出し価格より1割から2割程度の値引きなら当たり前に期待できるでしょ」考えている人も多いのではないでしょうか

浮いたお金で海外旅行や新車を買えちゃうかも?なんて想像が膨らむものです。

しかし住宅は人生で一度あるかないかの高額な買い物です。たかが1割の値引きでも非常に大きな金額になります。

例えば、2000万円の物件が1割引であれば、約200万円の値引きになるのです。売り主からしたら予算計画にも影響するかもしれません。

この記事では、中古住宅の値引きの現実や限界について解説し、値引き交渉を成功させるポイントや手順、さらに実際に中古住宅を値引きで購入した人の平均額や体験談も紹介します。

渡邊編集者渡邊編集者

中古住宅の値引き交渉は、家電や車の値引きとは別物なのですね?

交渉がうまくいかない場合には予期しないリスクを伴うこともあるため、この記事の内容を参考にしっかり事前準備をしてください。

小島解説員小島解説員

中古住宅の値引きに成功した体験談を紹介!500万円の成功事例も

最初に、実際に値引き交渉をして中古住宅を購入した人の体験談をまとめてご紹介します。

小島解説員小島解説員

渡邊編集者渡邊編集者

500万円という高額値引きに成功した人もいれば、値引きされても不満が残った人など様々ですね。

200万も値引いてくれたし不動産相場上昇直前に買えた

①購入時期・種別 → 2012 1月に土地を購入

②エリア → 横浜市旭区

③今回の購入は失敗?成功? → 成功

④成約価格は満足?不満? → 満足

⑤価格交渉の有無 → あった

⑥不動産会社のサービスに満足した?不満だった? → 満足

   値引きの理由は何と言いましたか?または、 言われましたか?

中古で建物の価値がないのに土地だけの値段としては少し高い。なので、端数の数字は切って売ってもらうように交渉しました。

   提示価格いくらに対する、いくらの交渉がありましたか?

3290万円を3090万円に

端数をきってもらうように交渉し、200万の減額に成功した例です。中古物件と土地を購入した際に建物にほぼ価値がない点を上手く交渉材料にしています。

100万の値引き…もう少し粘ればよかったが概ね満足

①購入時期・種別 → 2012年12月に建売住宅を購入

②エリア → 群馬県前橋市

③今回の購入は失敗?成功? → 成功

④成約価格は満足?不満? → 不満

⑤価格交渉の有無 → あった

⑥不動産会社のサービスに満足した?不満だった? → 満足

   値引きの理由は何と言いましたか?または、 言われましたか?

こちらからは「他の物件と比べて日当たりが悪いですよね。もう少し値段が相談できたら、この物件に決めたいんですけど。」とお願いしました。会社のほうからは「もうかなり下げている状態なのですが、がんばります」と言っていただきました。

   提示価格いくらに対する、いくらの交渉がありましたか?

提示価格1890万に対して100万の交渉

100万の値下げに成功したものの、希望する建売住宅が売り切れる前に契約を急いだことでもう少し粘りたかったという方の体験談です。

すでに下げているからと言われても値下げしてほしいという姿勢を崩さなかったのが成功につながったようです。

発売当初価格より合計500万近く値引き!

①購入時期・種別 → 2012年7月下旬に購入

②エリア → 神奈川県横浜市港南区

③今回の購入は失敗?成功? → 成功

④成約価格は満足?不満? → 満足

⑤価格交渉の有無 → あった

⑥不動産会社のサービスに満足した?不満だった? → 満足

   値引きの理由は何と言いましたか?または、 言われましたか?

減額をする代わりに手付金を用意する必要がありました。

これは契約完了時に返金されたので実質ゼロでした。

   提示価格いくらに対する、いくらの交渉がありましたか?

3580万→3280万へ減額。

諸税関係と不動産会社への仲介手数料は売主負担としてもらいました。

こちらの負担はありません。

物件価格だけでなく、諸税や仲介手数料を売主負担にすることで総額から500万円の値引きに成功しています。

物件価格は交渉が難航しても、諸経費の部分で応じてくれることもあるケースですね。

小島解説員小島解説員

500万の値下げ交渉に成功!タイミングよく自宅を購入

①購入時期 → 2001年7月頃に戸建を購入

②エリア → 東京都板橋区

③今回の購入は失敗?成功? → 成功

④成約価格は満足?不満? → 満足

⑤価格交渉の有無 → あった

⑥不動産会社のサービスに満足した?不満だった? → 満足

   値引きの理由は何と言いましたか?または、 言われましたか?

元々買い手の付いた物件であったが、急な転勤のためキャンセルとなった。壁紙が全て貼り終わった状態で、選べなかった。

   提示価格いくらに対する、いくらの交渉がありましたか?

5000万円から約500万円マイナス。(1割)

5000万円の物件に対して500万円の値引きに成功したケースです。物件価格の1割と言えど、元値が高いので高額値引きです。もともと買い手がついていて売れる直前でのキャンセルになった珍しいパターンなので、売主も交渉に応じてくれたのかもしれませんね。

希望値下げ額から徐々にすり合わせて納得の値下げ額で成約!

①購入時期・種別 → 2015年3月頃に住宅を購入

②エリア → 東京都世田谷区

③今回の購入は失敗?成功? → 成功

④成約価格は満足?不満? → 満足

⑤価格交渉の有無 → あった

⑥不動産会社のサービスに満足した?不満だった? → 満足

   値引きの理由は何と言いましたか?または、 言われましたか?

販売開始からの経過年数を考慮し、さらにこちらの頭金に対する限界値を提示し、値下げをしてほしいという交渉をしました。

   提示価格いくらに対する、いくらの交渉がありましたか?

当方の提示額は販売額マイナス300万円でしたが、最終的にマイナス180万円で購入しました。

希望額は叶いませんでしたが、180万円の値引きに成功した事例です。交渉の最初に大きな値引き額を希望し、徐々にすり合わせて双方納得できる額で交渉になったようですね。

値引きの根拠を示して240万円の値下げに成功!

①購入時期・種別 → 2009年4月に中古マンションを購入

②エリア → 北海道札幌市南区

③今回の購入は失敗?成功? → 成功

④成約価格は満足?不満? → 満足

⑤価格交渉の有無 → あった

⑥不動産会社のサービスに満足した?不満だった? → 満足

   値引きの理由は何と言いましたか?または、 言われましたか?

日当たりが悪いため、日中の部屋が暗いことが問題だと話しました。部屋の壁や床や水回りに細かいキズがあったことを指摘しました。

   提示価格いくらに対する、いくらの交渉がありましたか?

販売希望価格1440万円を1200万円で購入したいと交渉しました。

物件のネガティブな点を交渉材料にして240万円の値引きに成功しています。物件価格からみてもかなりの高額値引きと言えます。

渡邊編集者渡邊編集者

Yahoo!知恵袋や各種掲示板には、実際に中古住宅の値引き交渉に成功した方々の体験談が多数掲載されています。成功事例だけでなく、失敗事例も載っていますのでぜひ参考にしてみてください。

中古住宅の値引きの平均は1割~2割

この章では、以下の内容について説明します。

中古住宅の値引きの平均は1割~2割
  • 値引き交渉の成功と失敗の原因
  • 中古住宅の平均値引き率と限界額について

まずは、2022年度の首都圏における中古住宅(戸建て・マンション)の登録価格と成約価格について紹介します。

値引き交渉の成功と失敗の原因

渡邊編集者渡邊編集者

そもそも中古住宅の価格を設定しているのは売主でしょうか?それとも不動産会社でしょうか?

先ほどの章で解説した通り、中古住宅の価格を設定しているのは「売主」です。買主とのやり取りは不動産会社が行いますが、不動産会社は売主から提示された販売価格に基づいて交渉を進めます。

小島解説員小島解説員

そのため、唐突に「値引き交渉をしてみてよ」とか「2割引いてくれたら買いたい」といった大幅な値引き交渉は、ほとんどの場合成功しません。

次の章「値引きを成功させるには?」では、具体的な値引き交渉の方法や成功させるためのポイントについて詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

戸建て(中古住宅)

築年数 新規登録価格 成約価格 差額 割引率
築0~5年 5,564万円 4,821万円 ▼743万円 13.3%
築6~10年 5,358万円 4,653万円 ▼703万円 13.1%
築11~15年 5,327万円 4,436万円 ▼891万円 18.4%
築16~20年 4,987万円 4,024万円 ▼963万円 19.3%
築21~25年 4,638万円 3,955万円 ▼646万円 14.7%
築25~30年 4,195万円 3,333万円 ▼862万円 20.5%
築31~ 3,005万円 2,345万円 ▼660万円 21.9%

マンション(中古住宅)

築年数 新規登録価格 成約価格 差額 割引率
築0~5年 6,777万円 6,638万円 ▼139万円 2.05%
築6~10年 6,053万円 6,193万円 △140万円 2.3%アップ
築11~15年 5,616万円 5,543万円 ▼73万円 1.2%
築16~20年 5,578万円 5,250万円 ▼328万円 5.8%
築21~25年 4,894万円 4,290万円 ▼604万円 12.3%
築25~30年 3,246万円 2,832万円 ▼414万円 12.7%
築31~ 2,601万円 2,193万円 ▼408万円 15.6%

参考 公益財団法人 東日本不動産流通機構

中古住宅の平均値引き率と限界額について

上記の表からわかるように、中古の戸建てでは10%台の値引きが見込まれますが、中古のマンションについては10%以上の値引きは難しい状況です。

また、表を見てわかる通り、中古戸建でも値引きの最大値は20%ほどです。中古住宅は条件によって値引き幅は異なりますが、限界値は物件価格の1割~2割となります。

これは大幅値引きができる物件もあれば、1円も値引きできない物件も含まれるためこのような数字となります。

まずおさえておくべき点は、中古物件の価格を決めるのは「売主」、つまり住宅の所有者であるということです。不動産会社は仲介役に過ぎず、最終的な値引きの可否や住宅の売却決定は「売主」によって行われます。

渡邊編集者渡邊編集者

特にマンションの場合、以下のようなメリットがあるため、大きな値引きは期待しにくいことを覚えておきましょう。
マンションのメリット
  • 良好な立地場所
  • 多くのマンションは駅前や駅近くに位置し、買い物にも便利な立地の良さが特徴です。さらに、高層階からの見晴らしや日当たりの良さも人気の理由の一つです。
  • 管理やメンテナンスが行き届いている
  • マンションは戸建てと比べて、定期的に管理やメンテナンスが行われている点が特徴です。
  • 高い安全性
  • マンションには管理人が常駐していたり、防犯カメラやオートロックが設置されているなど、防犯面でも戸建てより有利と言えます。

ただし、中古の戸建てと中古のマンションの値引き金額には、物件や条件によって大きな幅があります。

具体的な値引きの幅は一概には言えず、各ケースによると理解してください。

小島解説員小島解説員

中古住宅の売主は個人であり、不動産会社は仲介役に過ぎません。そのため、売主が「値引きはできない」と判断した場合、その決定を受け入れるしかありません。

MEMO

「売出価格」は売主が設定する希望販売価格を指し、不動産会社は売主と交渉して実際の販売価格を設定します。この販売価格を「成約価格」と言います。売主の希望価格をもとに不動産会社が調整を行い、販売価格が決定される仕組みです。

このように、不動産会社の調整がある程度入るものの、あくまでも売主の希望を重視した価格設定になっています。

中古住宅の値引き交渉を成功させる秘訣

値引きについての基本的な知識がわかったところで、次は値引きを成功させるための秘訣を説明します。値引きを成功させるためには、以下の点に注意してください。

値引きを成功させるために注意すべきこと
  • 値引きのタイミング
  • 値引きの交渉

それぞれについて解説していきます。

値引き交渉の最適なタイミング

値引き交渉のタイミングは一歩間違えると値引きしてもらえないどころか、取引が流れる恐れもあります。

中古住宅の値引き交渉のタイミング
  • 他に検討している人がいないとき
  • 住宅ローンの仮審査が終了したタイミング
  • 購入する決意が決まった後

他に検討している人がいないとき

値引き交渉をするのに最適なタイミングは、他に内見をしたり検討している人がいない状況です。

特に人気のある物件では、他に検討者がいる場合、値引きなしで契約が成立することも多々あります。

注意

中古住宅は早い者勝ちではなく、売主はより良い条件を提示してくれた人に売りたいと考えます。そのため、他の候補者が高く購入する意志を示した場合、競り負けてしまい値引き交渉は失敗に終わる可能性が高いです。

中古住宅の値引きを考えている場合、自分以外に購入を検討している人がいないか確認してから値引き交渉を進めましょう。

住宅ローンの仮審査が終了したタイミング

住宅ローンの仮審査が終了しているなら、売主も不動産会社も「この人は購入する意思がある」と判断しやすくなります。これにより、値引き交渉が有利になる可能性が高まります。

MEMO

住宅ローンの仮審査を行うことで、売主や不動産会社に対して購入の意思を示せるだけでなく、自身もいくらまでの住宅を購入できるかが分かります。仮審査を行っておくメリットは多くあります。

購入する決意が固まった後

住宅を購入する意思が固まっていないまま値引き交渉を行うのは避けましょう。

購入する気持ちが固まっていないまま値引き交渉をすると、売主や不動産会社に対して余計な手間と時間をかけさせてしまうことになります。

注意

購入の意思がないことは、不動産会社の担当者にも伝わります。その結果、対応が雑になったり、本気で値引き交渉を行ってもらえなくなることもあります。

効果的な値引き交渉術

この章の最後では、効果的な値引き交渉術について解説します。これまでの記事を参考にして、値引き可能な物件の特徴や交渉のタイミングについての理解が深まっていることと思います。

さらに、値引き交渉をより有利に進めるための具体的な交渉術も押さえておきましょう。

小島解説員小島解説員

効果的な値引き交渉術
  • 購入しようとしている中古住宅の欠陥を指摘する
  • 値下げ交渉の得意な不動産会社を探す
  • 値引き交渉の際は、具体的な数字を伝える

購入しようとしている中古住宅の欠陥を指摘する
中古住宅には、多少なりとも修繕が必要な箇所があるかもしれません。

例えば、給湯設備が古くてあと数年で寿命が来そう、外壁塗装がはがれている、壁紙にシミがあるなどの気になる点があれば、修繕費用分を値引きしてもらうというのも一つの手です。

修繕したいけれど予算が足りない場合は、修繕費用の一部を値引きしてもらえないか、不動産会社の担当者に相談してみると良いでしょう。

小島解説員小島解説員

値下げ交渉の得意な不動産会社(担当者)を探す
値下げ交渉は不動産会社から売主に対して行われます。そのため、交渉のカギとなるのが「不動産会社の担当者」です。

値引き交渉が得意な担当者もいれば、売主に押されて値引き交渉がまとまらない担当者もいます。担当者に頼りなさを感じたり、知識が少ない若手にあたった場合は、早めに担当者を変更してもらうか、別の不動産会社を訪れてみるのが良いでしょう。

値引き交渉の際は具体的な数字を伝える
値引き交渉の際には「もう少し安くしてくれたら購入します」といった曖昧な言い方ではなく、「あと30万円値引きしてくれたら購入します」と具体的な数字を伝えるようにしましょう。

MEMO

購入する意思を明確に示すことで、不動産会社の担当者も本気で値引き交渉を行ってくれる可能性が高まります。

以上のポイントを押さえて、値引き交渉を有利に進めていきましょう。

値引きできそうな中古住宅の見極め方と相場感

中古住宅の値引きを成功させるには、まず物件の相場感を把握しておくことが重要です。

冒頭でも触れたように、首都圏の中古戸建てでは10%台の値引きが期待され、中古マンションについては数%の値引きが一般的な範囲となっています。

ただし、これはあくまで平均的な数字です。先ほど紹介した「中古住宅を値引きして購入した人の体験談」には、さらに値引きに成功した例もあります。

まずは、購入希望エリアの物件の相場感を確認し、どのような物件であれば値引きできそうか把握することが大切です。

小島解説員小島解説員

渡邊編集者渡邊編集者

そのためには、値引き交渉を行うための事前準備を怠ってはいけません。

購入エリアの周辺物件の相場感

冒頭で物件の値引き額について数字で紹介しました。

この章では、購入を希望しているエリアの相場を知ることの重要性について詳しく解説します。

前半で触れた数字は首都圏の販売価格に基づいていますが、実際の住宅の値引き価格はエリアによって大きく変動します。

相場を事前に把握し頭に入れておくことが値引きの基準を決める上で重要な要素となります。中古住宅の相場を必ず確認するようにしてください。

相場の確認方法
  • 不動産のポータルサイトで確認する
  • 不動産会社を直接訪れて確認する

以下の項目についてもしっかりと確認するようにしましょう。

確認項目
  • 地域
  • 築年数
  • 広さ
  • 維持管理の状態
  • リフォームの有無

渡邊編集者渡邊編集者

調査を行った結果、「相場より高い」中古住宅があることに気づくかもしれません。なぜ相場より高いのでしょうか?
相場より高い中古住宅の特徴
  • 売主の思い入れが強い
  • 住宅ローンの残高が多く残っている
  • リフォームが完了している
  • 値引きを見越して高めに設定されている

このような物件の場合、値引き交渉の余地があります。

購入したいエリアにおける中古物件の相場や、希望している住宅に近い間取り・築年数の中古住宅をいくつかピックアップしておくと良いでしょう。

同じ間取りや築年数でも、売主の強気な価格設定で高めになっていたり、急な売却の必要に迫られて割安で売りに出されていることもあります。

販売価格だけでは理解できない部分もあるため、相場を把握し、不動産会社を通じて売主側の事情を理解することは、値引き交渉において重要です。

小島解説員小島解説員

周囲の物件と比較して価格が高く設定されている場合、「売主の思い入れが強い」などの理由が考えられます。近隣の相場を把握し、値引き交渉の根拠として提示することで値引きの成功確率が高まります。

渡邊編集者渡邊編集者

逆に言うと、近隣エリアの相場を把握していないと、値引き交渉は難しくなるということですね!

値引き可能な物件の特徴

つづいて値引き可能な物件の見極め方について詳しく掘り下げていきます。

値引き可能な物件の特徴
  • 近隣エリアの相場より高い
  • 立地条件が悪い
  • 長期間売れ残っている
  • 売主が早く売りたがっている
  • 引き渡し日がかなり先

近隣エリアの住宅と比較して高い

近隣エリアの住宅と比較して高めに設定されている場合、売主がその物件に強い思い入れを持っている可能性があります。

そのため、近隣エリアの住宅価格を値引き交渉の根拠として提示することがポイントです。売主の感情を尊重し、過度に物件のネガティブ面ばかり言及するのは避けてください。

強い思い入れがある場合、「この価格では売れない!」となることもありますので、大きな値引き額は提示せず、不動産会社と相談しながら交渉を進めましょう。

小島解説員小島解説員

立地条件が良くない

駅から遠かったり、近くにスーパーがなかったりする立地条件の悪い住宅も値引き交渉しやすいと言えます。

ただし、小さなお子さんがいる場合は小学校までの距離が遠い、高齢の家族と同居している場合は病院までの距離が遠いなど、家族の生活に影響が出る要素でも値引きの交渉材料とすることができます。

MEMO

立地条件が悪いけれど安ければ購入しよう、とはせずにじっくり家族で話し合ってから決めることをおすすめします。

長い間売れ残っている

長く売れ残っている物件も値引き交渉しやすいです。

注意

ただし、売れ残っている物件には何らかの問題がある可能性があるため、詳細については不動産会社に確認しましょう。

多くの中古住宅は過剰供給だったり、日当たりの悪さ、近所からの騒音など、さまざまな問題を抱えています。

家族が住宅のマイナスポイントを受け入れられるかどうか確認した上で、値引き交渉を進めましょう。

売主が早く売りたい

売主が売却を急いでいる場合も値引きが期待できます。例えば、住宅ローンの返済が困難な状況に陥った場合や、離婚により早急に家を売却しなければならないなど、売主が家を早く売りたい理由はさまざまです。

売主の「売却理由」を不動産会社に確認しておくことで、値引き交渉がスムーズに進みます。

以上のように、中古住宅を購入する際には、売主の売却理由についても不動産会社に確認しておくようにしましょう。売主の状況を理解することで、値引き交渉の成功率が高まります。

以上のように、中古住宅を購入する際には、売主の売却理由についても不動産会社に確認しておくようにしましょう。売主の状況を理解することで、値引き交渉の成功率が高まります。

小島解説員小島解説員

値引き交渉における注意点と失敗パターン

この章では、値引き交渉における注意点と失敗パターンについて解説します。せっかく良い物件に巡り会えたとしても、値引き交渉に失敗すると、値引きどころか最終的に購入できなくなってしまう可能性もあるので、十分に注意が必要です。

中古住宅の値引きが失敗に終わるケース

記事で解説した通り、中古住宅の値引き交渉が失敗に終わるケースを以下にまとめました。

中古住宅の値引きが失敗に終わるケース
  1. エリアの相場を確認しない
  2. 値引き交渉のタイミングを誤る
  3. 大幅な値引き交渉を行ってしまう

値引きを成功させるためには、これらの失敗パターンに陥らないようにすることが大切です。 改めて本記事の解説を参考にして、値引き交渉をより効果的に進めていきましょう。

値引き交渉の注意点とリスク管理

基本的なことですが、値引き交渉を行う際に最も注意すべき点は、「売主」の感情に配慮することです。

長年生活して愛着のある家を売る際に、「大幅な値引き要求」や「多くの不具合指摘」を行うと、売主が不快に感じるのは当然のことです。

売主の気持ちを無視して強引に値引き交渉を進めると、売主が「売りたくない」と思ってしまうこともありますので、不動産会社の担当者と十分に相談し、慎重に進めましょう。

小島解説員小島解説員

まとめ

中古住宅の値引きについて解説しました。

冒頭でも触れたように、実際には期待通りに値引きが進まないことが多いのが現実です。ただし、売主が家を手放す背景や住宅の状態、立地、近隣エリアの相場など、様々な情報を収集することで、値引き交渉を有利に進める可能性が高まります。

最も注意すべきは「売主」との関係です。売主との関係を悪化させないように心がけ、不動産会社の担当者と良好な信頼関係を築きながら、希望する金額での値引き成功を目指しましょう。