- 中古マンションの値引き体験談を公開
- 300~500万円以上値引きできる中古マンションの特徴とは
- 中古住宅の値引き交渉術とタイミング
中古マンションを購入する際に、どれほどの値引きが可能か気になる方は多いのではないでしょうか。
渡邊編集者
小島解説員
さらに、値下げしやすい中古物件の特徴や値引き額の平均を理解しておくことも重要です。この記事では、中古マンションの値引き限界や失敗しないための交渉術についても詳しく解説します。
実際に200万円〜500万円ほどの値引きに成功した体験談やブログもご紹介するので、中古マンションの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
中古マンションで500万円の値引きは可能?
中古物件と同じ10%が限界であり、平均は2%
中古マンションには、首都圏の高級物件から地方の安価な物件まで様々ありますが、一般的には戸建てと同様に、販売価格の10%が値引きの限界とされています。
東京都中央区の値引き率を独自に調査した方のツイートによると、人気のマンションでは平均的に2%前後の値引きが実施されていることが分かります。
売主が法人のケースは値引きが厳しいかも
中古マンションには、法人が売り出しているケースも少なくありませんが、これには特有の特徴があります。
- 法人: 諸費用や仕入れにかかる代金まで考慮して販売価格を設定するため、大幅な値引きは難しいことが多いです。
- 個人:売り急いでいる場合は、大幅な値引きができることもあります。ただし、転売目的であらかじめ高値に設定している投資家も一定数存在します。
個人が売り出している中古マンションの場合、相続などの事情で早く売りたい場合や、高めに設定していることが多いです。こうした状況では、交渉の余地があることもあります。
小島解説員
時期によって価格変動が激しい
中古マンションは、中古戸建てよりも不動産価格の変動が激しく、社会情勢によって相場が大きく変わることが多いです。
例えば、円安や金融緩和政策の影響、リモートワークの普及による需要の増加など、さまざまな要因が価格変動に影響を与えます。
また、新学期シーズンや再開発が行われるエリアでは、販売価格が上昇する傾向があります。
中古マンションの値引き成功例と体験談
実際に中古マンションの値引きを行った体験談を検索してみると、SNS上で多くの事例が見つかりました。
この章では、リアルな値引き体験談を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 50万円の値引き
- 200万円の値引き
- 中古マンションは値引きができる
50万円の値引き
こちらは、値引き交渉をしなくても仲介業者が50万円の値引きを提案してくれたという体験談です。
オーナーが急いで売りたい場合や、売り出してから長い間売れ残っている場合、このように先方から値引きを提示してくれることもあります。
200万円の値引き
賃貸の気持ちだったけど、今日見てきたマンション、初期費用など200万ほど値引きしてもらい迷ってる😭
— Moku (@copp66s2) August 9, 2020
立地はいいんよなぁ。
スーパー徒歩3分だし。でも金額が大きいだけに決めきれない😭
交渉の段階で200万円の値引きを提示されている状況のようですが、投稿者は決めきれないようです。
200万の値引きは相当な高額値引きになり売主側の売りたいという強い希望が伺えますね。しかし、買主側がそれに反して迷いがあるようで、交渉前に購入の意思を固めておかないと売主も困惑するのではないでしょうか。
中古マンションは値引きができる
不動産業界関係者も値下げありきの価格設定について疑問を投げかけるなど、中古マンションは値引きが可能というツイートです。
渡邊編集者
次に、実際に中古マンションの値下げ交渉に成功した方の体験談をまとめたブログを2つご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
- 中古マンション400万円の値引き成功例
- 中古マンション約100万円の値引き成功例
中古マンション400万円の値引き成功例
値引きができれば契約するという購入の意思をまず先方に伝え、内覧から30時間で契約するというスピード勝負で中古マンションを400万円値引きできた体験談です。
参照記事:マンション購入体験記
販売価格
|
4,780万円
|
購入価格
|
4,380万円
|
値引き額
|
400万円
|
値下げ率
|
約8.4%
|
仲介会社の担当者が23時を回ってもすぐにメールの返信をくれるなど、値下げ交渉に熱心だった結果でもあり、こうした担当営業との相性も大切な要素です。
値下げ交渉中に満額での購入希望者が現れると交渉権が移ってしまうこともあるため、スピード感をもって交渉することが大切です。
約100万円の中古マンション値引き成功例
1580万円台の中古マンションで値引きに成功した体験談です。
販売価格 | 1,580万円 |
購入価格 | 1,500万円 |
値引き額 | 80万円 |
値下げ率 | 約5.1% |
参照記事:中古マンションリノベで快適生活
売主が新しい家を購入するために迅速な売却を希望していたようで、端数の80万円の値引きに成功しています。
一度の交渉でスムーズに値引きが成立したため、端数切りの値引きであれば、中古マンションでも比較的容易に交渉が進むと言えます
中古住宅の値引き成功例と体験談
ここからは、マンションに限らず実際に中古物件を購入した方々が、どのような交渉を経てどれほどの値引きを実現したのか、その体験談をご紹介します。
小島解説員
- 100万円の値引き成功例
- 200万円の値引き成功例
- 約300万円の値引き成功例
- 500万円以上の値引き成功例
100万円の値引き成功例
価格設定が低いお手頃な中古物件でも、100万円の値引きに応じてもらえたという体験談があります。
参照記事:oryublo
販売価格 | 2,000万円 |
購入価格 | 1,900万円 |
値引き額 | 100万円 |
値下げ率 | 5% |
端数切りから100万円程度の値引きをあらかじめ想定している売主が多いため、このような値引き交渉はその場で了承してもらえることが多いようです。「トラブルなく交渉したい」「面倒なやりとりを避けたい」という方には、端数切り程度の値引き提案がおすすめです。
小島解説員
200万円の値引き成功例
築25年ですがガレージ付きの中古物件を約200万円引きで購入できた体験談があります。
参照記事:住まいる王鈴
販売価格 | 1,480万円 |
購入価格 | 1,300万円 |
値引き額 | 180万円 |
値下げ率 | 約12.2% |
築25年という古さを考慮しても、元値が安い物件で200万円もの値引きに成功した理由は「リフォーム費用」を明確にしたことです。
購入後にどこをリフォームするかなど事前に準備しておいた見積もりを示すことで、売主へ値引きの必要性を訴えています。
渡邊編集者
約300万円の値引き成功例
半年以上売れていない物件に注目し、280万円の値引きに成功した体験談があります。
参照記事:口コミ屋
販売価格 | 1,380万円 |
購入価格 | 1,100万円 |
値引き額 | 280万円 |
値下げ率 | 約20.3% |
売主がすでに新しい家を購入済みで、半年以上売れずに焦っていた状況から、かなり大幅な値引き交渉が成功しました。入念な情報収集に加え、交渉成立したら買付証明書と申込金も渡すつもりであることを伝えた点も成功の秘訣です。
500万円以上の値引き成功例
別の方との取引が流れてしまったタイミングで値引き交渉し、500万円の高額値引きに成功した体験談です。
販売価格 | 5,000万円 |
購入価格 | 4,500万円 |
値引き額 | 500万円 |
値下げ率 | 約10% |
参照記事:マンションレビュー
もともと買い手のついた物件でしたが、買主の急な転勤でキャンセルとなり売主も売却に向けて動いていた矢先のことだったため、タイミングよく値引き交渉をして成功したようです。
中古住宅の値引きの平均と限界【300~500万円も可能】
結論から申し上げると、中古物件で500万円以上の値引きが成功するケースも存在します。
しかし、値引き交渉を行う際には、中古物件の相場や値引きの限界を正しく理解しておくことが重要です。そのため、まずは価格設定に関する基本情報から解説します。
- 中古住宅価格の1割ほどが目安
- 端数切りの値引きが多い
- 欠陥がある場合は交渉しやすい
- 販売価格が上乗せされていることも
中古住宅価格の1割ほどが目安
一般的に、中古物件を購入する際の値引き金額は、物件価格の約1割が限界とされています。
もちろん、物件の人気度や売主の考え方によっては、値引き幅が大きく異なることがありますが、平均的には3〜5%前後の値引きが見込まれます。
また、中古住宅の価格を決定するのは売主ですが、複数の不動産会社を通じて申し込んでも最終的な値引き額は同じになるため、異なる不動産会社から複数申し込みをするのはおすすめできません。
実際の値引き交渉は、仲介に入る営業担当者が行うことが多く、売主と直接対面して交渉することは稀です。
端数切りの値引きが多い
車や家電などの大きな買い物でよく見られる「端数切り」の値引きですが、中古物件の販売でも行われることがあります。
例えば、販売希望価格が2,570万円の中古物件であれば、70万円引きの2,500万円にするという値下げが一般的です。
欠陥がある場合は交渉しやすい
購入したい中古物件に欠陥がある場合、その修繕費用を交渉材料として使用することで、大幅な値引きに成功することがあります。
小島解説員
- 外壁や基礎のひび割れ
- 屋根材の雨漏り
- 水回り設備の故障
- 電気や換気関連の接続不良
これらの瑕疵項目については、購入前に自分でチェックしておくことをおすすめします。
また、中古マンションで大規模なメンテナンスが直近に迫っている場合には、大規模修繕費の徴収があったり長期間足場が組まれて工事が続くというデメリットを抱えることになるため、売主が値下げしてでも早く売却したいと考えることも多いです。
販売価格が上乗せされていることも
販売価格は売主が自由に決定できるため、同じような物件でも2,000万円を希望する場合もあれば、1,000万円で手放すケースもあります。
このため、値引き交渉を前提にして「売りたい価格」に対して1割程度高めの価格が設定されていることも珍しくありません。
例えば、2,000万円の中古物件であれば、200万円ほど上乗せされている可能性があります。そのため、不動産の適正価格を見極めてから購入することが重要です。
値引き交渉しやすい中古マンションの条件と特徴
値引きが成功しやすい中古マンションの条件は、下記の5点です。
- 販売から半年以上経過している
- 他に検討者がいない
- リフォームが必要な古い物件
- 売主が早急に売りたいケース
- 売主が相続をした物件
中古マンションでは、場合によっては200〜500万円ほどの値引きが可能ですが、まずは交渉しやすい物件かどうかを見極めることが重要です。
販売から半年以上経過している
中古住宅市場では、物件が成約するまでの平均的な期間は3〜6ヶ月です。そのため、半年以上売れていない物件は、競争倍率が低いと考えられます。
半年を目安に販売価格を値下げする売主も多いため、交渉にも比較的応じてもらいやすいです。また、情報掲載や内見の手配にはコストがかかるため、できるだけ早く売却したいと考える売主も少なくありません。
他に検討者がいない
他に検討している人がいない物件であれば、強気な値下げ額を提示できるだけでなく、時間をかけた交渉も可能です。
特に以下の条件に該当する物件は、検討者が少なく、値下げしやすい傾向があります。
- 築年数が古い
- 間取りが独特
- 入居可能時期が遅い
- 相場よりも価格が高い
特に「入居可能時期が遅い」場合は、売主がギリギリまで住んでからすぐに売りたいと考えていることが多いです。
例えば、子供が学校を卒業する3月まで住む予定で、1〜2年くらい前から売り出しを始めているといった状況がよく見られます。
リフォームが必要な古い物件
築年数が経過した中古マンションは、競争率が低いだけでなく、設備の一部が老朽化していることもあります。
例えば、エコキュートが壊れていたり、外壁に傷があったりする場合は、その修繕にかかるリフォーム費用を理由に値下げ交渉を行うことができます。
売主が早急に売りたいケース
やはり売主が早く売りたいと考えている場合、大幅な値下げ交渉にも応じてくれる可能性が高いです。
以下の条件に該当する売主は、特定の期間までに売却を済ませたいと考えていることが多く見受けられます。
- 引っ越しまでに売却を済ませたい
- 次の家のローンがある
- 転勤などでその土地を離れる
- 離婚によって早く財産分与したい
特に、入学や転勤が多い4月から新しい生活を始めたい場合、販売活動をできるだけ早く終わらせたいと考えるのが自然です。
小島解説員
売主が相続をした物件
中古物件を相続した方が売りに出している場合、家への愛着や価格へのこだわりが少ないことが多いため、多少値引きをしてでも早く売却したいと考える方が多く、交渉の成功率が高いです。
また、物件の買い手が見つかりにくい田舎の物件では、新たに買い手を見つけるのが困難になるため、大幅に安く購入できることがあります。
渡邊編集者
値引き交渉が難しい中古マンションの条件と特徴
値引きが難しい中古マンションの条件と特徴は、下記の3点です。
- 築浅の人気物件
- 売り出したばかりや値引き直後
- 任意売却のケース
中古マンションの売り出し状況によっては、値引き交渉が逆効果となり、購入できなくなる可能性もあるため、慎重に検討することが重要です。
築浅の人気物件
築浅の中古マンションは人気が高いため、購入者は先着順ではなく「交渉順位」によって決まります。特に、駅近や好立地、鉄骨造といった条件が揃った物件では、そもそも購入が難しいことが多いです。
定価で購入するのは当たり前として、さらに条件が良い買主が優先されるため、値下げ交渉をせずに素早く申し込むことが重要です。住宅ローンなどの決済準備を早めに整えておくと、交渉順位が上がりやすくなります。
売り出したばかりや値引き直後
中古マンションを売り出したばかりの時期は、売主や不動産会社が様子見をしているため、すぐに交渉を持ちかけるのはおすすめできません。
この期間を利用して、「他に検討者がいないか」や「売主が早く売りたがっているか」といった情報を細かく収集しておくと、有利に交渉を進めることができます。
任意売却のケース
任意売却で販売されている中古マンションは、金銭的な事情から売り出されているため、値下げが難しいケースが多いです。
任意売却物件は相場よりも安く販売されることが多いですが、建物自体に不備があるわけではありません。
小島解説員
値引き交渉のベストなタイミングはいつ?
値引きしやすい中古マンションの特徴や限界についてご紹介しましたが、実際に交渉を始める際にはタイミングが非常に重要です。
渡邊編集者
買付証明書を提出する時がおすすめ
中古マンションの値引き交渉を行う際は、買付証明書を提出するタイミングが効果的です。
一般的には、住所、氏名、勤務先、年収などの個人情報に加え、支払い方法や契約希望日などの物件に関する情報が必要です。
ほとんどの中古物件では「購入希望価格」を記入する欄があり、そこに希望する価格(値引き後の価格)を記載します。
この希望価格はあくまで参考であり、最終的な購入金額は売主との相談によって決まります。
住宅ローンの事前審査を通過した後
値引き交渉を行う際には、事前に住宅ローン審査を通過しておくことが重要です。
- 売主に購入意欲が伝わる
- 住宅購入後の計画が立てやすい
ローン審査を通過しておくと、「すぐにお金を用意できる状態」であることが示せるため、売主に対して購入の意欲を伝えやすくなります。これにより、値下げ交渉がスムーズに進む可能性が高くなります。
また、ローン審査を事前に済ませておくことで、月々の返済額や借入額が明確になり、実際に購入後の生活が可能かどうかの判断材料にもなります。
売買が少ない閑散期を狙う
不動産業界の閑散期には、購入希望者が減少するため、大幅な値下げに応じてもらえる可能性が高まります。
小島解説員
また、近年の夏の暑さも影響し、暑い季節に不動産探しをする人が減少しています。そのため、6〜8月の閑散期は、より一層値引き交渉に適した時期となっています。
加えて、1月から不動産探しを始める方が多い一方で、「年内に売却を済ませたい」と考える売主が多い12月も、値引き交渉に有利なタイミングです。
値引き交渉の前に準備すべき5つ
中古マンションを値引き交渉する前に準備しておくべきことは、下記の5点です。
- 周辺の中古物マンション相場を把握
- 値下げ履歴と人気度をチェック
- いくらまで出すのかを事前に決める
- 信頼できる担当者を見つける
- 売主の状況を確認
売主や物件の状況に応じて、値下げの限界は異なるため、交渉を成功させるためには入念な情報収集が不可欠です。
周辺の中古マンション相場を把握
適正な値下げ価格を提示するためには、まず狙っているエリアの相場(土地価格や建物価格)を確認することが重要です。
土地価格の相場を調べるには、国土交通省の「土地総合情報システム」が便利で、地価公示や不動産取引価格などの情報が公開されています。
周辺の中古マンションの相場については、物件情報サイトを定期的にチェックすることで最新情報を得やすくなります。
値下げ履歴と人気度をチェック
値下げ交渉の成功率に大きく影響するのが、「他に検討している人がいるかどうか」です。
実際の情報は営業担当者や売主から直接聞き出すのが確実ですが、立地や価格、販売開始からの経過時間などから人気度を見極めることも重要です。
小島解説員
渡邊編集者
いくらまで出すのかを事前に決める
値引き交渉をスムーズに進めるためには、購入可能な価格の上限を事前に設定しておくことが重要です。
- 絶対に購入する価格:この価格であれば確実に購入するという上限。
- 再検討する価格:交渉の結果次第で再検討する価格。
- 諦める価格:これ以上は支払えないという限界価格。
物件購入価格だけでなく、住宅購入にかかる手数料や引越し費用も含めてボーダーラインを決めることが大切です。
「この価格であれば確実に購入する」と明確に示すことで、営業担当者も値引き交渉を進めやすくなります。
売主の状況を確認
最終的な値引き金額を決定するのは売主なので、売主の状況や背景を把握しておくことが交渉を有利に進めるポイントです。
- 売却理由:なぜ売却するのか。
- 新しい家の有無:新居の手配が済んでいるか。
- 住み替えの時期:いつまでに売却したいか。
- 家族構成:家族の状況や事情。
- 売り急いでいるかどうか:急いで売りたいのかどうか。
これらの情報を知ることで、売主が値下げに応じる可能性が高くなります。
信頼できる担当者を見つける
実際の値引き交渉は不動産会社の担当者が行うため、誠実で信頼できる担当者を見つけることが重要です。駆け引きやトリックに頼らず、真摯に対応してくれる担当者を選ぶと良いでしょう。
小島解説員
渡邊編集者
値引き交渉が成功するコツ
実際に中古物件を値引きする時のコツは、下記の5点です。
- 購入する意志を強く見せる
- 売主との関係性も大切
- 値引きしてほしい理由を明確に伝える
- 買いたい値段よりも少し低い金額を提示
- 価格以外で優位な条件を作る
大事なポイントを押さえておくだけで失敗するリスクを減らせるので、交渉前にチェックしてみてください。
購入する意志を強く見せる
値引き交渉で最も重要なのは、購入する意志をしっかりと伝えることです。値引きが実現すれば実際に購入する予定であることを示すことで、交渉がスムーズに進む可能性が高まります。
そのため、3件以上の物件を同時に交渉するのは避けた方が良いでしょう。複数の物件を一度に交渉すると、売主に対して真剣さが伝わりにくくなります。
小島解説員
売主との関係性も大切
物件の価格決定を行う売主は、人間であるため、値下げ交渉の結果も含めてその人柄や対応に影響されることがあります。
相場を踏まえた適正な値引き額を提示するのはもちろんですが、まずは不動産担当者や売主との良好な関係を築くことが大切です。
渡邊編集者
値引きしてほしい理由を明確に伝える
値引き交渉をする際に、ただ「できるだけ値引きしてください」と伝えるのは、売主を不快にさせるだけでなく、営業担当者も困らせることがあります。
交渉を成功させるためには、希望する値引き額を具体的に伝えることが重要です。
小島解説員
- 他の物件と価格面で比較している: 競合物件と比較し、価格面での競争力を示す。
- 最低限のリフォーム費用が◯◯円かかる: 必要な修繕費用を考慮して、価格調整を求める。
- 予算オーバーしているが入学までに購入したい: 特定のタイミングや予算の制約を理由に、交渉の余地を作る。
- 住宅ローンが◯◯円しか通らなかった: 融資の制限を説明し、現実的な価格設定を求める。
個人的な理由や将来の貯蓄計画などは売主には関係がないため、「値下げしてくれたら購入する」という具体的な提案が最も効果的です。
価格以外で優位な条件を作る
値下げ交渉で同じ価格を提示している購入希望者が複数いる場合、価格以外の条件が決め手になることがあります。
- ローン審査に通過している
- 自己資金が豊富である
- 引き渡し日や契約時期の調整が可能
- 一括でキャッシュ決済できる
特に、ローン審査が通っていることや金銭的な余裕があることは、売主にとって大きな安心材料になり、値下げされた金額でもスムーズに取引を進められると判断されやすいです。
また、引き渡し日や契約時期に柔軟に対応できることもアピールポイントになります。売主が希望する条件に合わせることで、交渉が有利に進む可能性が高くなります。
小島解説員
買いたい値段よりも少し低い金額を提示
値引き交渉で効果的なテクニックの一つは、希望する金額よりも少し低い金額を初めに提示し、その後理想の価格に近づける方法です。
例えば、2,850万円の物件を2,700万円で購入したい場合、最初に2,650万円という希望価格で交渉を始めます。交渉が進むにつれて、最終的には2,700万円前後での合意に至る可能性が高くなります。
こうした方法を使うことで、希望の価格に近づけることができます。
中古住宅の値引きに関する口コミ
中古物件の値引きに関する口コミ・成功例は、下記の通りです。
- 未入居物件でも値引きできた
- 頻繁に値下げされる物件もある
- 不動産会社の仲介手数料を値引きできた
- 想定より値引き額が少なかった
渡邊編集者
未入居物件でも値引きできた
中古物件と言えば、一般的には誰かが住んだ後のイメージがありますが、稀に未入居の物件が販売されていることもあります。
特に長期間売れ残っている未入居物件は、値引きに応じやすい傾向があり、実際に値引き成功の事例も見受けられます。
頻繁に値下げされる物件もある
中古住宅の価格は、こまめにチェックしていると、交渉なしでも本体価格が下がっていることがあります。
小島解説員
不動産会社の仲介手数料を値引きできた
中古物件の購入において見落としがちな「仲介手数料」は、交渉次第で数%の値引きが可能です。
想定より値引き額が少なかった
仲介会社の担当者から値引きの可能性を聞いていたにも関わらず、実際の値引き額が想定より少なかったという口コミもあります。
中古物件は大きな買い物であるため、値引き額を事前に明確にし、その上で予算をしっかりと検討することが重要です。
値引き交渉する際の注意点
値引き交渉するときの注意点は、下記の4点です。
- 契約まではスピード勝負
- 高すぎる値引きは成立しにくい
- 物件のマイナス点を指摘しすぎるのはNG
- 交渉成立後に再度の値下げ要求はNG
契約まではスピード重視で進める
値引き交渉に失敗した事例として、一度交渉に応じてもらえたものの、別の買主が現れて契約が成立しなかったというケースがあります。
より条件の良い買主が現れると、交渉権がそちらに移ってしまうことがあります。
高すぎる値引きは成立しにくい
相場から大きく逸脱した値引き額を提示すると、交渉の成功率が低くなるだけでなく、売主からの信用を失うリスクもあります。
小島解説員
交渉に有利な条件が揃っていない限り、平均を超えた大幅な値下げ交渉は避けた方が良いでしょう。
物件のマイナス点を指摘しすぎるのはNG
リフォームや修繕費用を理由に値引き交渉をすることはよくありますが、住宅の欠陥を過度に指摘しないよう注意が必要です。
売主にとっては、その家に対する愛着が強い場合が多く、買主がその家を大切に扱ってくれることを望んでいます。したがって、気分を害するような伝え方は避けるべきです。
渡邊編集者
交渉成立後に再度の値下げ要求はNG
少しでも安く値引きしてもらおうと、一度値引きしてもらった後に再度交渉を試みる方もいますが、これは売主にとって好意的に受け取られないことが多く、マナー違反と考えられることもあります。
そのため、値引き交渉を行う際には、最初から理想の値引き額かそれ以下の額を提示し、交渉を一度で終わらせることが重要です。
中古マンションでも住宅ローン控除が適用される!
渡邊編集者
小島解説員
住宅ローン控除とは?
住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して家を購入したりリフォームを行ったりした際に、支払った税金が還付される税制優遇制度です。
中古マンションの購入でも、基本的には控除が受けられる期間は10年間ですが、新築住宅や買取再販(不動産会社がリフォーム後に販売する中古住宅)では控除期間が13年間に延長されることがあります。
中古物件の適用条件
住宅ローン控除は、全ての人が利用できるわけではなく、特定の条件を満たす必要があります。中古物件に関する主な適用条件は以下の通りです。
- 自ら居住すること
- 新耐震基準(1982年以降の建築基準)を満たすこと
- 床面積が50㎡以上であること
- 合計所得金額が2,000万円以下であること
- 住宅ローンの返済期間が10年以上であること
これらの条件を満たしていない場合、控除が適用されないことがあります。
住宅ローン控除を受ける予定の方は、中古マンションの購入前にこれらの条件を満たしているかどうかを確認しておくと安心です
リフォームする時は補助金がもらえることも
住宅ローン控除制度は国の提供する税制優遇ですが、都道府県や地方自治体による独自の補助金制度も利用できる場合があります。
特に、バリアフリー工事や省エネ設備の導入に対して補助金が支給される市区町村も多く、新築住宅でなくても申請できるケースがよくあります。
小島解説員
まとめ
中古マンションを購入する際の値引き交渉では、状況によっては500万円以上の大幅な値引きが実現することもあります。
いくつかの成功体験談もありますが、一般的には3〜5%程度の値引きが平均的で、限界としては10%程度を見込んでおくと間違いないでしょう。
しっかりと情報収集を行い、売主や不動産業者との良好な関係を築くことが、値引き交渉成功につなげる秘訣です。