買ってはいけない中古マンションの特徴15選!後悔をしないために避けるべき3社とは


この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

新規マンションの供給が年々減少している一方で、中古マンションの需要が高まっています。

また中古マンションの物件数も多く、中古マンションを選ぶポイントや、買ってはいけない中古マンションの特徴も多岐にわたっています。

今回は、買ってはいけない中古マンションの特徴や注意点を中心に解説をおこなうと同時に、実際に中古マンションを購入して後悔した体験談なども交え詳しく解説していきます。

小島解説員小島解説員

渡邊編集者渡邊編集者

中古マンション購入における住宅ローンの控除や不動産取得税の軽減なども触れていますのでぜひ参考にしてください。
目次
  1. 買ってはいけない中古マンションの特徴と後悔・失敗ポイント
  2. 買ってはいけないマンション3社とは?
  3. 買ってはいけない?中古マンションのメリット
  4. 買ってはいけない ?中古マンションのデメリット
  5. まとめ

買ってはいけない中古マンションの特徴と後悔・失敗ポイント

買ってはいけない中古マンションの特徴と後悔・失敗ポイントを15個解説します。

買ってはいけない中古マンションの特徴と後悔・失敗ポイント
  1. マンションの管理が行き届いていない
  2. 高齢者が多く、管理組合が機能していない
  3. 駅から10分以上だと資産価値が下がりやすい
  4. 住民のマナーが悪いと近隣トラブルに巻き込まれやすい
  5. 1981年5月以前の古い耐震基準で建てられている
  6. 戸数と比較しエレベーターが少ない
  7. 床面積が40㎡未満になっている
  8. 定期借地権がついている
  9. ハザードマップ上で災害リスクの高いエリアにある
  10. 価格設定が割高すぎる
  11. 長期の修繕計画が立てられていない
  12. リフォーム・リノベーションで制限が多すぎる
  13. 住環境が悪い
  14. 築年数により資産価値低下のリスクがある
  15. 人気のない面積や間取りになっている

該当項目がある中古マンションは「買ってはいけない」「買って後悔する」可能性が高まります。

それぞれ詳細を解説しますので参考にしてください。

①マンションの管理が行き届いていない

マンションの管理が行き届いていないと住みにくい環境になるだけではなく、マンションの資産価値も低下するため、中古マンションの購入の際は注意してください。

マンションの管理組合は、マンションの所有者(区分所有者)の中で選任されたメンバーによって構成されています。

しかしマンションの管理組合の業務を本業として対応している人がほとんどいない状況では、多くの業務を遂行できない状況になってしまうのが現実です。

渡邊編集者渡邊編集者

たしかにマンションの管理組合に選ばれても、何をやったらいいか、どう進めればいいのかなど分からないという人も多いですね。

また管理組合があるので「組合がきちんとマンションの管理をしてくれている」と、人任せになってしまっているのも事実です。

小島解説員小島解説員

マンションの管理業務の一部を紹介します。

マンションの管理業務
  • マンションの共用部の清掃や安全管理
  • 長期修繕計画の立案、変更
  • 修繕履歴の管理
  • 広報活動
  • 連絡業務

マンションの管理業務は多岐に渡っているため、専門家ではないと難しいものもあります。

管理業務が行き届いていないマンションでは、マンションのメンテナンスが定期的におこなわれなかったり、ゴミ問題に悩まされたり、騒音などの住人同士のトラブルに発展してしまうケースもあります。

長期修繕計画が立案されていたとしても、10年以上も見直しがされていないと、資材費などのコストがあがっているため、追加で費用を回収されるなんてこともあるでしょう。

渡邊編集者渡邊編集者

マンション購入前に調べる方法はあるのでしょうか?

マンションの管理状態を確認するには、以下の項目をチェックしてみてください

小島解説員小島解説員

マンションの管理状況を確認する方法
  • マンション周辺の清掃状態を確認する
  • 近くにあるマンションと管理の状態を比較する
  • 管理組合が保管している資料を確認する(仲介会社にお願いして確認してもらいましょう)

②高齢者が多く、管理組合が機能していない

また管理組合に高齢者が多い場合も、買ってはいけない中古マンションの特徴の一つになります。年齢があがるにつれて記憶力が低下し、認知能力も低下し、記憶力や判断力も衰えてしまうのはやむを得ないでしょう。

高齢者が多いマンションだと、管理組合が機能しにくくなりマンションの老朽化も進んでしまいます。

マンションの耐用年数は、120年とも言われており、さらにメンテナンスを定期的におこなっていけば、それ以上の耐用年数があるとも言われています。

渡邊編集者渡邊編集者

つまり管理組合が、定期的に長期修繕の計画を実行することで、マンションには長く住めるということですね!

そのためには、若い世代と経験のある高齢の世代が一緒になってマンションを管理していく必要があるのです。

小島解説員小島解説員

2025年に日本は超高齢化社会となり5人に1人が75歳以上、3人に1人が65歳以上になります。

いわゆる2025年問題です。こうしたことからも、高齢者だけに任せることなく、管理組合が活発なマンションを選びましょう。

③駅から10分以上だと資産価値が下がりやすい

駅近だと、賃貸の物件は高くなりますよね。

中古マンションも同様で、駅から近いほうが物件は高く、遠いほど安くなります。どの程度の差があるのか確認しましょう。

2019年 東京23区中古マンションの相場

  1㎡あたりの平均単価 駅徒歩1分を0とした場合の下落率 平均成約価格 駅徒歩1分を0とした場合の下落率
駅徒歩1分 92万円 0% 6,280万円 0%
駅徒歩5分 82万円 -11% 5,777万円 -8%
駅徒歩10分 70万円 -24% 4,998万円 -20%

参考:オークラヤ

もちろん中古マンションの資産価値は、駅からの距離だけではありません。資産価値の高いマンションの一例を紹介します。

資産価値の高いマンションの一例
  • 人気のエリアにある
  • マンションの規模(大きいほど、セキュリティ面や共用施設が充実している)
  • 管理組合がしっかり機能している
  • 周辺の環境が充実している(公園や病院、保育所があり治安も良い)
  • 今後発展していく予定がある(大規模な商業施設のオープン予定、交通網の整備される予定)

駅から遠くても上記のような場所にあったり、マンションの設備が充実していたりする場合は、一概に資産価値が低いとは言えません。

④住民のマナーが悪いと近隣トラブルに巻き込まれやすい

国土交通省が調査した平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状によると「居住者間のマナーをめぐるトラブルが55.9%」と最も多い結果になりました。

トラブルの発生状況

  平成15年度 平成20年度 平成25年度 平成30年度
居住者間のマナー 79.4% 63.4% 55.9% 55.9%
建物の不具合 52.2% 36.8% 31.0% 31.1%
管理会社等 9.7% 3.8% 1.9% 2.0%
近隣関係 28.4% 18.4% 12.8% 8.8%
管理組合の運営 14.7% 12.2% 13.1% 12.6%
費用負担 39.4% 32.0% 28.0% 25.5%
管理規約 13.7% 9.6% 8.0% 5.0%
その他 31.0% 12.9% 9.7% 14.5%
特にトラブルなし 7.1% 22.3% 26.9% 23.2%

参考:国土交通省 平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状 より作成

中でも、違法駐車・違法駐輪と生活音およびペット飼育がトラブルの原因として上位を占めています。

居住者間のマナーをめぐるトラブルの具体的内容

  平成15年度 平成20年度 平成25年度 平成30年度
違法駐車・違法駐輪 52.8% 52.7% 40.1% 28.1%
ペット飼育 46.6% 34.8% 22.7% 18.1%
生活音 49.6% 37.1% 34.3% 38.0%
バルコニーの使用方法 20.5% 15.2% 13.1% 12.9%
専有部分のリフォーム 10.9% 5.4% 5.9% 4.3%
共用部分への私物の放置 26.8% 18.7% 18.4% 15.1%

参考:国土交通省 平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状

より具体的にどのような事例があったのかも紹介します。

入居当初から、特に隣人のマナーの悪さに悩んできました。(夫婦と子どもが2人)あらゆる種類の問題を含んでいます。主に以下です。
・共有廊下を私物化している。(ベビーカー、子ども自転車、生協、子どものおもちゃ箱、傘家族分等)

・ピアノ騒音(大人と子ども)

・子どもの騒音(静かなときもあるので、現時点では許容範囲です)

・奥さんがモンスター系
輪番制でしたがうちが初回の管理組合役員になったこともあり、特に廊下を私物化していることに関しては積極的に改善しようと努力したのですが、現在1ミリも改善されていません。
エレベーター内への注意事項のはり紙、管理組合名義での手紙投函を数回実行。奥さんは管理人さんや管理会社からの改善要求に逆切れし、管理人さんは怯えてしまいました。管理組合としては、理事長が自ら立候補した人にも関わらず、あまり面倒事には関わりたくないという姿勢です。
今では隣人の影響を悪いほうへ受けたそのまた隣人も、廊下へベビーカーを出してしまうようになりました。隣人とは直接会うことはあまりありませんが、廊下やベランダで子どもを叱り飛ばす声がすごい迫力で聞こえます。ちなみに入居当時の挨拶は普通でした。
今の時点でもうこれ以上、どうしたらいいのか分かりません。それで…、もうあきらめてしまったほうが楽なのでは、と思いました。

発言小町

このケースでは共用部分への私物の放置、生活音(ピアノ、子ども)の2点についての悩みでした。

管理組合も機能していないといった状況ですね。

渡邊編集者渡邊編集者

住民のマナーが悪いと精神的にも大きなストレスを抱えることになります。

先ほど紹介したデータでは「特にトラブルなし」と回答した人も2割強いるので、住民のマナーが良いマンションや、管理組合が機能しているマンションを探すようにしましょう。

MEMO

実際にマンションまで足を運び、駐輪場やゴミ捨ての状況の確認、注意喚起の張り紙の確認などこまめにチェックし、近隣トラブルに巻き込まれないような物件を選ぶことが大切です。

⑤耐震基準が1981年5月以前

1981年5月以前の古い耐震基準で建てられているマンションの場合、住宅ローン控除が適用されません。

渡邊編集者渡邊編集者

いわゆる住宅ローン減税ですね。

2024年現在からみると1981年は43年前になります。築40年以上の中古マンションの購入を検討しているかたは、古い耐震基準で建てられているマンションなのかどうか不動産会社に確認してください。

小島解説員小島解説員

渡邊編集者渡邊編集者

古い耐震基準で建てられているマンションはすべて住宅ローン減税が受けられないのでしょうか?

古い耐震基準では住宅ローン控除が適用されません。しかし耐震基準適合証明書などの証明書があることで住宅ローン控除は適用されます。

小島解説員小島解説員

古い耐震基準では住宅ローン控除が適用されません。しかし耐震基準適合証明書などの証明書があることで住宅ローン控除は適用されます。

※令和4年の税制改正に伴い「昭和57(1982年)年以降に建築された新耐震基準適合住宅」であれば、耐震基準適合証明書などの証明書は不要になりました。

⑥戸数と比較しエレベーターが少ない

エレベーターの数が少ないマンションの購入は、後悔する結果になってしまいます。

購入を希望しているマンションの全戸数を50で割った数を三捨四入(四捨五入ではない)して求められた数字より、エレベーターの戸数が少なければ、将来的に大きな不満を抱えることになります。

例えば購入検討しているマンションの全戸数が120戸の場合、必要なエレベーターの数は3基になります。

マンションの戸数 必要なエレベーターの数
200戸 200÷50=4基
150戸 150÷50=3基
130戸 130÷50=2.6基  →三捨四入すると3基
120戸 120÷50=2.4基  →三捨四入すると3基

「これからの高齢社会に備えて、少なくとも総戸数を50で割って、小数点以下の数字を『四捨五入』すべきでしょう。できれば『三捨四入』が望ましい。これなら120戸のマンションでもエレベーターは3基ということになります」(碓井氏)

ダイヤモンド不動産研究所

現在エレベーターのない家に住んでいたとしても、商業施設や会社のビルでエレベーター待ちは多くの人が経験していることだと思います。

シチズンホールディングスの調査結果によると、エレベーターの到着に1分以上待たされると、6割の人がイライラしてしまうそうです。

渡邊編集者渡邊編集者

会社や学校に遅刻しそうになると、階段を使うなんてことも起こり得ますね。

とくに朝は、エレベーターが満員で通過してしまうなんてこともあり得ます。

小島解説員小島解説員

マンションを購入する際には、エレベーターの台数を確認するようにしましょう。

⑦床面積が40㎡未満

床面積が40㎡未満の部屋だと、住宅ローンの控除は適用されません。

住宅ローンの控除が適用されるには、40㎡以上の床面積が必要です。ただし40㎡以上50㎡未満の床面積のマンションは「年間所得1,000万円以下」といった制限があります。

また投資目的で購入した場合も、住宅ローンの控除は適用されません。購入したマンションに購入した本人が住んでいない場合は、住宅ローンの控除は適用外になってしまいます。

小さなマンションを独身者向けに賃貸する目的で購入する場合は、このことを覚えておきましょう。

⑧定期借地権がついている

定期借地権とは、期限付きの借地権がついている土地を指します。

定期借地権は50年以上の借地期間はあるものの、将来的には更新もできず、かならず土地を返却する必要があります。

定期借地権がついているマンションを購入した場合、将来的にマンションを手放す必要があり、マンションの資産価値も0になってしまうので、購入を検討しているマンションに「定期借地権」がついているかどうか確認した上で購入検討を行いましょう。

  定期借地権がついているマンション 定期借地権がついていないマンション
マンションの価格 マンション代のみ
定期借地権がついていないマンションより20%程度安く購入できる。
マンション代+土地代
地代 必要 不要
税金 マンションに対して固定資産税が発生 マンションと土地に対して固定資産税が発生
管理費 必要 必要
修繕積立金 必要 必要
資産価値 年々低下し、土地を返却するタイミングで0になる。 年々低下
その他 土地を返還すると、マンションにはすめなくなる  

定期借地権がついているマンションは、安く購入できますが、次のようなデメリットがあります。

定期借地権のデメリット
  • 土地を借りているため、土地代を毎月支払う必要がある
  • 土地の借地期間が終了すると、土地を返却しなければならない
  • 土地の返却に伴いマンションに住むことはできない
  • マンションの資産価値は最終的に0になってしまう

定期借地権がついてるマンションは、安く購入できるメリットはありますが、安さだけで購入するのではなく、将来を見据えたうえで購入するようにしてください。

定期借地権ができた背景

定期借地権が法律で定められる前は、土地の借主側が土地の借地更新を希望すれば、貸主側は拒めませんでした。

そのため、いつまでたっても土地が返還されず、土地を貸したくないという人が増えてきたのです。結果として、土地はあるのに有効活用されない状態になってしまいました。

そこで、一定の期間が経過したら土地を返却しなければならない「定期借地権」が1992年に制定されました。

⑨ハザードマップ上で災害リスクの高いエリア

マンションの売却も考えている場合、ハザードマップ上で、災害リスクの高いエリアにあると売れにくくなります。

ただハザードマップ上で災害リスクの高いエリアにあるからといって、次のように影響のない項目もあります。

影響のない項目
  • 土地の地価は下落しない
  • 基準地価に影響はない
  • 実勢価格に影響はない

・土地の地価は下落しない

ハザードマップの災害リスクは、買い手側にとっての懸念事項であり「土地の価値」については影響ありません。

基準地価に影響はない

都道府県が公開している土地の標準価格である基準地価の算出において、ハザードマップ上の災害リスクに含まれるかどうかは考慮しません

・実勢価格に影響はない

実勢価格とは実際に、マンションが売却された価格です。売却する価格は売主が決定するため、ハザードマップ上の災害リスクについては影響ありません。

2020年8月より、国土交通省は不動産を取り扱う会社に対して「重要事項説明の対象項目として追加し、不動産取引時にハザードマップにおける取引対象物件の所在地について説明すること」を義務化しました。

昨今の自然災害を目の当たりにすると、災害リスクの高いエリアの物件は中々買い手がつきにくいことは想像できます。

渡邊編集者渡邊編集者

土地の価値は下がらない、販売価格に影響はないといっても買い手がいないとなると、どうしても価格を下げなければならないといった状況になりますね。

将来的にマンションの売却を考えている場合、苦戦する可能性が高まります。

小島解説員小島解説員

⑩価格設定が割高

中古のマンションを購入する際、近隣エリアで価格相場を調べる人が大半だと思います。価格相場を調べることで、購入を検討しているマンションが割高なのかどうか、ある程度の判断材料になることでしょう。

コロナ禍によるマンションのニーズ増や、円安による海外不動産投資家の増加と建築コストの増加、金利の低い状況などによってマンションの価格はあがってきています。

また中古マンションとはいえ、リノベーションやリフォームされ、新築と同様に見える物件も多くあり、相場より割高でも購入を検討しようと思っている人もいらっしゃることでしょう。

マンションによってはリノベーションやリフォームをおこなった結果、かなり割高になっている物件もあります。

個人で手を加えるには面倒ですが、間取りの変更など細かい設計が可能となるメリットもあり、費用も抑えられる可能性もあります。

MEMO

すでにリフォームが完了している場合、給水管や壁紙の裏側などは目に見えない状態になってしまっているため、見た目にだまされ割高な金額で購入してしまうなんてケースも。見た目だけに騙されず、修繕積立金の状態や大規模修繕工事が定期的におこなわれているか、マンションの管理組合は機能しているかなど、多角的な視点で検討するようにしてください。

⑪長期の修繕計画が立てられていない

長期修繕計画が立てられていないマンションを購入すると、突然修繕費用の支払いが発生したりマンション自体の住環境が悪化したりします。

マンションは長い期間快適に生活する住まいであり、そのためには経年劣化に備える準備も当然必要になってきます。

国土交通省の定めた「長期修繕計画作成ガイドライン」によると、5年ごとに修繕費用を含めた長期修繕計画の見直しをすることが望ましい、とされています。

5年ごとに見直しをおこなう理由としては、技術的な進歩や材料の変化、金利や物価の変動など様々な不確定な要素があるためですね。

小島解説員小島解説員

しかし、約10%のマンションで長期修繕計画が立てられていないことが、国土交通省の調査でわかりました。さらに53.6%のマンションでしか、適正な修繕のための積立を行えていないという現状もわかりました。

渡邊編集者渡邊編集者

5年ごとに、長期修繕計画を見直さないと様々な弊害が出てくるんですね。
長期修繕計画がない、もしくは見直しがないマンションの弊害

マンションの住環境が悪くなり、住人離れが進んでしまう

住人が少なくなることで、犯罪件数が増加する

修繕費の負担が大きくなる(突然の出費)

その場しのぎの修繕工事が増える(修繕費用の予測が立てにくい)

このような状況に陥らないためにも、長期修繕計画が立てられていて、かつ定期的に見直しがおこなわれているマンションを購入するようにしましょう。

⑫リフォーム・リノベーションで制限が多すぎる

中古マンションを購入し、リフォーム・リノベーションをおこなう場合、自由にはできない場所があります。

購入者が自由にリフォーム・リノベーションを行えるのは、マンションの専有部分です。マンションの専有部分と共用部分の一例を表にまとめました。

マンションの専有部分リフォーム・リノベーション 可能 マンションの共用部分リフォーム・リノベーション 不可
玄関の内側 玄関の外側
壁紙 ベランダ
天井
柱や間仕切り サッシ
床(ただしフローリングへのリフォームはマンションの規約を確認する必要あり) 外壁

もちろん中古マンションに限らず、新築マンションでも同じです。

リフォームやリノベーションをおこなう前提で中古マンションを購入後に、リフォームできないとわかったのでは後悔してしまいます。

たとえば、柱や間仕切りはリフォーム・リノベーションは可能ですが、マンションの構造によってはできない場合があります。

ラーメン構造と壁式構造

ラーメン構造は、中高層マンションで採用され「柱と梁で建物を支えている」のが特徴です。

ラーメン構造では、コンクリートの耐力壁がないため間仕切りを取り払い、間取りの変更は可能。家族が生活しやすい間取りに変更できます。

しかし、低層マンションで採用されている壁式構造では、コンクリートの耐力壁が建物を支える大きな役割をしているため、間取りの変更は難しくなります。

もしリフォームやリノベーションを前提で中古マンションの購入を考えているなら、どこまでできるのか不動産会社に確認をしておきましょう。

⑬住環境が悪い

マンションの住環境が悪いと、ストレスにより健康を害したり、マンションの資産価値が下がったり、マンションを手放さなくてはならなくなったりします。

マンションの住環境は、不動産会社に確認するだけでは足りません。実際にマンションに足を運び自分の目で確かめていきましょう。

少なくとも次の3つについては確認してください。

住環境について確認すべき事項
  • 立地の利便性
  • 周辺の安全性
  • コミュニティ

立地の利便性

マンションの立地の利便性は、最寄りの駅までのアクセスや学校や病院などへのアクセスを確認したり、近くのスーパーやコンビニなど生活にかかわる施設についてのルート、交通量などを確認したりしておきましょう。

今はお子さんがいなくても、将来的に保育園や幼稚園に通うことにもなりますし、公園なども必要な施設になってきます。

渡邊編集者渡邊編集者

日常生活で必要な施設まで行くのに、車やバスを使わないと行けないというのは大変ですよね。

将来を見据えて確認しておくことが大切です。

小島解説員小島解説員

周辺の安全性

日中は人通りがありリスクは少ない場所でも夜になると、人通りや街灯が少ないなんて場合があります。

またインターネットで近隣の犯罪状況を確認することもできますので、購入を予定しているマンション近辺の安全性を確認しておきましょう。

たとえば、東京都の場合、警視庁が作成している「区市町村の町丁別、罪種別及び手口別認知件数」で凶悪犯・粗暴犯・侵入強盗・非侵入強盗などの件数を確認できます。

コミュニティ

マンションに住んでいる住人のコミュニティが円滑かどうかも確認しておく必要があります。

住人との会話は難しいかもしれませんが、マンションのエントランスや駐輪場が綺麗に使われているか、ゴミ置き場は整理されているかなどを確認することで、マンションに住んでいる人達の人となりがわかるものです。

少なくともこれらの項目にひっかかる事柄があるマンションは、購入の再検討が必要です。

⑭築年数により資産価値低下のリスクがある

マンションは時間が経つにつれ、資産価値が低下していきます。

中古のマンションを購入するにあたって、どの程度の資産が低下していくのかを2018年に東日本不動産流通機構(REINS)が作成した資料を元に確認します。

  価格 面積 ㎡単価 築0~5年の㎡単価を0とした場合の下落率
築0~5年 5,411万円 66.83㎡ 80.96万円 0
築6~10年 4,602万円 67.62㎡ 68.06万円 下落率 15.9%
築11~15年 4,242万円 70.04㎡ 60.56万円 下落率 25.1%
築16~20年 3,716万円 70.42㎡ 52.77万円 下落率 34.8%
築21~25年 2,528万円 65.32㎡ 38.70万円 下落率 52.1%
築26~30年 1,697万円 57.19㎡ 29.68万円 下落率 63.3%
築31年以上 1,815万円 57.25㎡ 31.70万円 下落率 60.8%

参考:東日本不動産流通機構(REINS) 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018)

築年数が経つほど、マンションの価格は安くなっていきます。

またこの表からも、築浅物件ほど資産価値は急激に下落し、築20年以上の物件になると下落はゆるやかになっているのがわかります。

築浅で綺麗な物件を購入するか、リフォームやリノベーションをおこなう前提で築年数の経っている物件を購入するか検討してください。

またリフォームやリノベーションをおこなうことで、資産価値があがる可能性もゼロではありません。

購入したい物件の築年数と、将来的にどの程度資産価値が低下するのかを頭にいれておく必要があります。

⑮人気のない面積や間取り

マンションはファミリー層の購入者が多く、3LDKは人気のある間取りです。次に2LDK、1LDKと4LDKと続きます。

3LDKや2LDKなら60㎡〜70㎡、1LDKなら50㎡が人気のある広さになります。

東日本不動産流通機構(REINS) 「中古マンションの間取り別成約件数[首都圏]」を元に間取り別の成約件数の分布をまとめました。

4LDK以上の間取りの多い物件は人気がなく、3LDKは最も人気があるのがわかります。

  ワンルーム 1DK・LDK 2DK・LDK 3DK・LDK 4DK・LDK 5DK・LDK以上
2012年 4.8% 11.5% 25.8% 50.4% 7.3% 0.2%
2016年 5.3% 15.5% 26.1% 46.5% 6.5% 0.2%
2020年 4.1% 14.4% 27.1% 47.8% 6.5% 0.1%

4LDK以上の間取りに人気がないのは、4LDK以上だと戸建てを購入する人が多くなるためです。

こうしたデータより、間取りが多いから人気があるだろうと思って購入してしまうと、将来的に売却は難しくなります。

買ってはいけないマンション3社とは?

まず、『買ってはいけない中古マンション』をGoogle検索すると、関連キーワードとして『買ってはいけないマンション 3社』といったフレーズが表示されることがあります。この結果を見て気になった方も多いのではないでしょうか。

実際のところ、「買ってはいけないマンション3社」という具体的な不動産分譲会社は存在していません。

しかし、投資系不動産会社が提供するマンションを居住用として購入することはあまりおすすめできません。

ここでは、投資用不動産会社が作ったマンションを避けるのが賢明な理由について説明します。

以下の3つの理由があります。

住み心地が考慮されていない

投資家は、住み心地を重視していないことが多いと言う点が大きな理由です

通常マンションの間取りや設備は、家事動線、収納、水回りなど住む人のことを考えて決めるのが一般的ですが、投資家の目的はリターンの最大化であり、極端に部屋が狭かったり収納が無かったりと、住み心地が犠牲になっている可能性があります。

見た目は立派でも住んでみたらイマイチだった…というケースがよくあります。

小島解説員小島解説員

管理が手薄になる

投資目的の物件は利回りを重視するため、管理費や修繕積立金が極端に安く設定されていることがあります。

管理費は管理員の人件費やメンテナンスに必要な費用に充てられますが、必要な費用が足りなければ管理が行き届かず、管理組合の運営にも影響し、最悪の場合、資産価値が下落する原因にもなります。

注意

管理費が極端に低いマンションには注意が必要であり、投資系不動産会社が建てたマンションにはこの傾向があります。

メンテナンスが不十分

投資系不動産会社が建てたマンションでは、買い手をいち早く見つけるために修繕積立金が安く設定されることがあると説明しました。中古マンションは定期的に経年劣化に伴うメンテナンスが必要になりますが、修繕積立金が不足するとメンテナンスが疎かになり、住み心地や資産価値に悪影響を及ぼすことになります

購入を急かしてきたり、デメリットを伝えてくれなかったりする不動産会社には注意が必要です。

小島解説員小島解説員

中古マンションを扱う不動産会社についてもしっかりと調査し、少しでも不審な点があれば避けることが賢明です。

買ってはいけない?中古マンションのメリット

この章では中古マンションのメリットについて解説します。

買ってはいけない中古マンションの特徴や買ってから後悔した人の体験談を紹介しましたが、中古マンションのメリットもしっかりお伝えしていきます。

中古マンションのメリット
  1. 選択肢が多い
  2. 古い物件は安く手に入る
  3. 築年数が経っていることで資産価値が下がりにくい
  4. 売主が個人なら消費税はかからない
  5. リフォームに資金を回せる
  6. マンションの雰囲気・コミュニティーを確認できる
  7. 中古マンションでも住宅ローン控除が受けられる場合も
  8. 中古マンションでも不動産取得税の軽減措置を受けられる場合も

選択肢が多い

不動産総合研究所が作成した資料によると、2020年の新築マンションの供給戸数27,228戸に対して中古マンションは181,750戸でした。

新築マンションの供給量は年々減少しているため、駅から近い物件や人気エリアの物件で探したいという人にとって、中古マンションまでを購入の視野にいれたほうが、より理想に近いマンションを購入できる可能性が高まります。

特に築20年ほどの中古マンションは、次の理由により狙い目になります。

築20年ほどの中古マンションが狙い目な理由
  • 物件のほとんどが新耐震基準で建てられている
  • 資産価値の低下がゆるやかになる
  • 面積の広いマンションが多い

マンションは年々面積が狭くなってきています。同じ間取りでも、広い面積の物件が手に入るのが築年数の古い物件になります。

古い物件は安く手に入る

築20年以上のマンションは底値に近づきつつあり、安く手に入れたいかたにおすすめです。

中古マンションの成約状況 

  価格 面積
築0~5年 5,883万円 66.73㎡
築6~10年 5,071万円 67.37㎡
築11~15年 4,484万円 71.34㎡
築16~20年 4,174万円 72.65㎡
築21~25年 3,202万円 68.22㎡
築26~30年 1,884万円 60.58㎡
築31~ 1,904万円 57.14㎡

参考 東日本不動産流通機構(REINS) 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020) 中古マンション成約状況

築26年を過ぎると、価格はほぼ横這いになっていることがわかります。築20年以上のマンションを購入し、購入の予算をリフォームに回すというのも賢い選択の一つです。

築年数が経っていることで資産価値が下がりにくい

前の章で使用した表の通り、築年数が経つにつれ中古マンションの成約価格の大きな下落はありません。

ただ注意しなくてはならないのは「資産価値が下がりにくい=古くても売れる」わけではありません。

ここ数年の中古マンションの登録数と成約数を確認してみます。

  築0~15年 築16~20年 築21~25年 築26~30年 築31年~
2019年 新規登録 28.2% 10.4% 10.7% 10.8% 39.8%
成約数 39.5% 14.3% 10.6% 7.7% 26.6%
2020年 新規登録 26.3% 9.8% 10.7% 10.0% 43.2%
成約数 40.0% 14.1% 11.2% 7.2% 27.5%
2021年 新規登録 26.3% 9.4% 9.6% 10.1% 44.7%
成約数 38.0% 13.3% 11.0% 8.1% 29.7%

参考:東日本不動産流通機構(REINS) 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2021年)

築26年以降は、中古マンションの新規登録件数より、成約数が下回る結果となっています。

築26年以降の中古マンションは売りにくいという結論になります。

売主が個人なら消費税はかからない

中古マンションを購入する際、売主が法人などの会社の場合を除き、個人が売主なら消費税はかかりません。

  新築マンション 中古マンション
土地 消費税はかからない 消費税はかからない
建物 消費税はかかる 消費税はかからない

渡邊編集者渡邊編集者

中古マンションを購入する際、法人なのか個人による売買なのかどのように判断したら良いのでしょうか?

中古マンションの取引態様の欄を確認すると、「売主」となっている場合は消費税がかかり、「代理」「媒介」「仲介」となっている場合、消費税はかかりません。

小島解説員小島解説員

マンションは数千万円の価格となるため、消費税の有無は大きな負担になります。中古マンションなら、消費税はかからないケースが多いため、費用面でメリットになります。

リフォームに資金を回せる

中古マンションの場合、物件を安く手に入れられるためリフォームに資金を回せるメリットがあります。

リフォーム費用/築年数 50万円未満 50万円~100万円未満 100万円~300万円未満 100万円~500万円未満 500万円~1,000万円未満 1,000万円以上
築10年~15年 11.4% 8.3% 36.5% 14.8% 16.1% 12.9%
築15年~20年 15.0% 11.5% 34.8% 11.9% 20.5% 6.3%
築20年~25年 14.8% 7.5% 44.4% 15.9% 14.4% 2.9%
築25年~30年 17.8% 11.6% 40.5% 12.6% 10.6% 7.0%

参考 住宅リフォーム推進協議会 「2022年度 住宅リフォームに関する 消費者(検討者・実施者)実態調査 結果報告書」実施者のリフォーム費用

仮に築20年の中古マンションを購入した場合、リフォームにかかった費用で最も多い価格帯は100万円〜300万円ほど。1,000万円以上のリフォーム費用がかかった割合は2.9%でした。

1,000万円程度リフォーム費用にかけられる場合、満足の行くリフォームが可能です。

マンションの雰囲気・コミュニティーを確認できる

中古マンションは、実際に部屋の内見が可能です。新築マンションの場合、モデルルームでのイメージになってしまいますが、中古マンションなら部屋の実際の様子から、マンション全体の雰囲気まで確認できます。

特にゴミ捨て場やエントランス、駐輪場などの共用部は必ず確認しておきましょう。

https://twitter.com/0915_isao/status/1647445071195959297

共用部分が綺麗=マンションの管理がしっかりしているということになりますね。

渡邊編集者渡邊編集者

中古マンションでも住宅ローン控除が受けられる場合も

中古マンションでも、もちろん住宅ローン控除は受けられます。ただし条件がありますので、条件の一部を記載します。

住宅ローン控除の条件(一部)
  • 購入予定のマンションが投資目的ではない(購入者自身がマンションに住むこと)
  • マンションを購入した日から6カ月以内に住み、12月末まで住み続けること
  • 年間合計所得が3,000万円以下であること(合計所得は、給与・土地・建物などの譲渡、公的年金や退職金を含む)
  • 住宅の床面積が50㎡以上であること※住宅の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合、年間合計所得が1,000万円以下であること
  • 新耐震基準で建築されていること(新耐震基準を満たさない場合は「既存住宅売買瑕疵保険の付保証明書」もしくは「耐震基準適合証明書」が必要。ただし1982年以降に建築された住宅の場合、証明書は不要)
  • ローンの返済期間が10年以上であること

現在実施されている住宅ローン控除は、2025年までの適用のため2026年以降は内容の変更があるかもしれません。

さらに詳しい控除の条件は、国税庁の「No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」を確認するようにしてください。

中古マンションでも不動産取得税の軽減措置を受けられる場合も

不動産取得税は、中古のマンションを購入した際にも支払う必要があります。ただ条件をクリアしていれば、軽減措置を受けられます。

軽減措置を受けられる条件

・中古マンションを購入した本人が住むこと

・購入したマンションの課税床面積が50㎡~240㎡であること

・新耐震基準をクリアしていて、1982年1月1日以降に建築されたマンションであること

中古マンションの不動産取得税額は次の式で算出できます。

(建物の固定資産税評価額-控除額) × 3%

東京都の場合の控除額を記載します

マンションの建てられた日 控除額
1954.7.1~1963.12.31 100万円
1964.1.1~1972.12.31 150万円
1973.1.1~1975.12.31 230万円
1976.1.1~1981.6.30 350万円
1981.7.1~1985.6.30 420万円
1985.7.1~1989.3.31 450万円
1989.4.1~1997.3.31 1,000万円
1997.4.1~ 1,200万円

(例)1980年に建てられた中古マンションで、建物の固定資産税評価額が1,200万円の場合における建物の不動産取得税

(1,200万円-350万円) × 3% = 25.5万円

(例)1995年に建てられた中古マンションで、建物の固定資産税評価額が1,200万円の場合建物の不動産取得税

(1,200万円-1,000万円) × 3% = 6万円

土地の不動産取得税の計算方法

また土地についても同様に軽減措置を受けられます。

土地についての不動産取得税額は次の式で算出できます。

土地の不動産取得税の計算方法

1.控除額の計算
   AかBにおいて額の大きい方が控除額になります。

A 45,000円

B (土地1㎡あたりの固定資産評価額×1/2)×(課税床面積×2)×3%

不動産取得税の計算例

土地の固定資産評価額が1,000万円

  課税床面積 60㎡(壁芯面積)

  持分土地面積 50㎡

(自宅専有床面積/総専有床面積にて割合を算出)  

(1,000万円÷50㎡×1/2)×(60㎡×2)×3% = 36万円

→AよりBの方が大きい額なので控除額は36万円

 2.算出した値を次の式に当てはめます

   (土地1㎡あたりの固定資産評価額×1/2)×3%-控除額

    先ほどの例をベースにした場合

    (1,000万円×1/2×3%)-72万円= -57万円 マイナスなので 0円

買ってはいけない ?中古マンションのデメリット

続いて中古マンションのデメリットについても解説します。

中古マンションの場合、老朽化に伴う修繕費の増加やリフォームをおこなう費用など、マンションの維持費に関する内容が多くあります。

中古マンションのデメリット
  1. 修繕積立金が高い
  2. リフォームに多大な費用がかかる
  3. 古い耐震基準
  4. 手数料が割高

修繕積立金が高い

国土交通省が作成した「平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」によると、一戸当たりの毎月の修繕積立金は、年々増加してきています。

平成30年度には月々11,243円を積立てしていることがわかりました。

  平成11年度 平成15年度 平成20年度 平成25年度 平成30年度
毎月の修繕積立金の額/一戸 7,378円 9,066円 10,898円 10,783円 11,243円

また築年化が古いほど毎月の修繕積立金の額は大きくなっていきます。

  築8年 築9年~築18年 築19年~築28年 築29年~築38年 築39年以上
毎月の修繕積立金の額/一戸 8,351円 11,538円 11,730円 11,254円 12,184円

毎月マンションの住人が積立てしている修繕積立金も「平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」によると34.8%のマンションで、計画に対して修繕積立金が不足しているというデータもあります。

渡邊編集者渡邊編集者

何か大きな修繕が必要となった場合、追加で徴収される可能性もあるということですね。

築年数が経過したマンションほど、経年劣化により修繕費用がかかるということです。さきほどの国土交通省の作成したデータによると、古いマンションほど修繕積立金を滞納している人が多いということもわかりました。

小島解説員小島解説員

渡邊編集者渡邊編集者

滞納している人が、引っ越してしまうとどうなるのでしょうか?

滞納している人が引っ越してしまった場合、次に住む人に滞納分の請求をおこなえます。中古マンションの購入を考えている場合、滞納金の有無も確認しておくようにしましょう。

小島解説員小島解説員

中古マンションを購入する場合、修繕積立金の金額や前の住人の支払い状況を確認しておかないと、予想外の金額を支払う場合も出てきますので注意してください。

リフォームに多大な費用がかかる

築年数が古いほど、リフォームをおこなう箇所は多くなります。

築20年〜30年
  • 水回りの交換
  • クロスの張替え

築20年〜30年のマンションは、トイレやバスユニットの交換、給湯機の交換などのリフォームが必要になったり、汚れたクロスの張替えも必要になったりする時期です。

築30年~40年
  • 水回りの交換+移動
  • クロスの張替え
  • 間取りの変更
  • フローリングへの交換

築30年〜40年のマンションになってくると、間取りの変更を検討する必要があります。

また老朽化したフローリングや、カーペットなどをフローリングに変更する必要もでてきます。

補足情報としてリフォームを実施した場所も記載します。

引用:リクルート住まいカンパニー

リフォームを実施した場所

トイレ 78.9%

キッチン 77.2%

浴室 73.1%

洗面所 70.8%

リビング(居間) 66.1%

リビング(食堂) 57.9%

廊下 52%

収納 47.4%

寝室 46.2%

和室 43.3%

間取り変更 42.1%

玄関 35.7%

子ども部屋 24.6%

構造体 4.7%

株式会社 リクルート住まいカンパニーが実施した「2016年 リフォーム実施者調査」によると、マンションのリフォームにかかる費用の平均は519.4万円。

ただし築10年未満の場合は469.2万円、築40年以上になると839.2万円の費用がかかったという結果になりました。

古い耐震基準

1995年に発生した「阪神・淡路大震災」では倒壊した建物の多くが旧耐震基準で建てられたものでした。

1981年に新耐震基準が設けられ、新築物件は新耐震基準で建てられていますが、それでも築年数の古いマンションは未だに古い耐震基準で建てられたものも多くあります。

渡邊編集者渡邊編集者

新耐震基準が設けられたのは1981年ということなので、2024年の現在から40年以上も前の話なんですね。

旧耐震基準で建てられたマンションの大きなデメリットは地震などの自然災害による建物倒壊のリスクですが、その他にも下記のようなデメリットがあります。

小島解説員小島解説員

条件

修繕積立金が高額になる

住宅ローンの減税(控除)を受けられない

住宅ローンを利用する際、借入額に制限がかかることもある

このように、古い耐震基準で建てられたマンションを購入する場合、様々なデメリットがあります。

手数料が割高

中古マンションの場合不動産会社が仲介に入ります。そのため仲介手数料が発生してしまいデメリットになります。

新築マンションの場合、仲介はないため仲介手数料は発生しません。

仲介手数料の計算方法(400万円超え)

マンションの価格×3%+6万円+消費税

(例)3,000万円の中古マンションの場合

3,000万円×3%+6万円= 96万円 

消費税込みで105.6万円

(例)4,000万円の中古マンションの場合

4,000万円×3%+6万円= 126万円 

消費税込みで138.6万円

中古マンションだと、かなりの額の仲介手数料が必要になるのですね。

渡邊編集者渡邊編集者

まとめ

買ってはいけない中古マンションの特徴や注意点を解説しました。

リフォームやリノベーションをおこない、ご家族が住みやすい部屋にしていく楽しみもあるのが、中古マンションのメリットのひとつです。

新築のマンションの場合、物件数が少ないことから住みたいエリアに希望物件がない、高額などのハードルがあるのに対し、中古物件の場合多くの選択肢があるため、きっと希望の物件を見つけることができるでしょう。

しかしせっかくの希望物件も、購入して後悔している人も多くいます。今回の記事では、買ってはいけない中古マンションの特徴を詳しく解説しましたので、常に目を通して希望物件の購入を成功させてください!

小島解説員小島解説員