- 東京23区の中古マンションの資産価値が落ちない街ランキングを発表
- マンション価格の高騰の理由と今後値上がりするか動向を解説
- 東京23区の固定資産税が高いエリアも紹介!
- グランドネクスト不動産の仲介手数料は業界最安値水準
- 購入時の仲介手数料は最大無料
- 住宅ローンサポートで金利も大幅に節約!
- 10周年キャンペーンで最大20万円がもらえる
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中古マンションの成約価格が上昇している現状について、一時はコロナ禍による不動産価格の下落が予想されていましたが、実際には円安と海外からの投資資金の流入が影響し、価格がむしろ上昇している状況です。
このような中で、「中古マンション価格は今後も上昇を続けるのか?」「特にどのエリアで価格の上昇が顕著になるのか?」といった疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。
実は、水害リスクもその一因となる可能性があります。
小島解説員
渡邊編集者
また、東京のマンション価格の高騰は関西や福岡と比べても顕著であり、マンションの資産価値を正確に見極めるためには、不動産市場の動向だけでなく、世界情勢も考慮する必要があります。
多角的な視点から価格の推移を予測することが重要です。
資産価値が落ちない街ランキング【東京23区の中古マンション】
2024年8月現在の東京23区における専有面積70㎡の中古マンションの平均価格を、資産価値が高い順にランキングしました。また、各エリアの平均㎡単価も合わせて掲載しています。
順位 | 東京23区 | 平均価格 (専有面積:70㎡) |
平均㎡単価
(平均価格÷70㎡) |
1位 | 中央区 | 11,515万円 | 164万円/㎡ |
2位 | 千代田区 | 11,094万円 | 158.4万円/㎡ |
3位 | 港区 | 9,976万円 | 142.5万円/㎡ |
4位 | 渋谷区 | 9,962万円 | 142.3万円/㎡ |
5位 | 目黒区 | 7,412万円 | 105.8万円/㎡ |
6位 | 新宿区 | 7,354万円 | 105万円/㎡ |
7位 | 文京区 | 7,325万円 | 104.6万円/㎡ |
8位 | 品川区 | 6,729万円 | 96.1万円/㎡ |
9位 | 台東区 | 6,727万円 | 96.1万円/㎡ |
10位 | 豊島区 | 6,082万円 | 86.8万円/㎡ |
11位 | 中野区 | 5,899万円 | 84.2万円/㎡ |
12位 | 墨田区 | 5,759万円 | 82.2万円/㎡ |
13位 | 世田谷区 | 5,315万円 | 75.9万円/㎡ |
14位 | 北区 | 5,162万円 | 73.7万円/㎡ |
15位 | 江東区 | 5,146万円 | 73.5万円/㎡ |
16位 | 大田区 | 5,049万円 | 72.1万円/㎡ |
17位 | 荒川区 | 4,989万円 | 71.2万円/㎡ |
18位 | 杉並区 | 4,822万円 | 68.8万円/㎡ |
19位 | 練馬区 | 4,450万円 | 63.5万円/㎡ |
20位 | 板橋区 | 4,342万円 | 62万円/㎡ |
21位 | 江戸川区 | 3,945万円 | 56.3万円/㎡ |
22位 | 葛飾区 | 3,770万円 | 53.8万円/㎡ |
23位 | 足立区 | 3,551万円 | 50.7万円/㎡ |
東京23区の中古マンションの平均価格と㎡単価
引用:「東京都東京23区の中古マンション価格相場情報」:LIFULL HOME’S
*データは、「LIFULL HOME’S」に過去3ヶ月の間に掲載された物件の中から、抽出したものの平均価格です。
現在の東京23区における専有面積70㎡の中古マンションの平均価格を見てみると、最も高い中央区と最も安い足立区との価格差は約2.8倍となっています。
同じ東京東部低地帯(概ねJR京浜東北線以東)に位置していても、都心3区と江東5区では大きな価格差が見られます。
都心3区(隅田川以西) | 千代田区・中央区・港区 |
江東5区(隅田川・荒川沿線) | 江東区・墨田区・足立区・荒川区・葛飾区 |
上記の区別に基づく平均価格をもとに、都心3区と江東5区の平均価格を計算すると、都心3区の平均価格が約8,270万円、江東5区の平均価格が約3,897万円となります。
このため、価格差は約2.1倍になります。
都心3区(隅田川以西) | 8,270万円 |
江東5区(隅田川・荒川沿線) | 3,897万円 |
【東京23区】固定資産税が高い街ランキング
東京23区内で固定資産税が高い地域は、主に土地の価格や地価が高いエリアに集中しています。
総務省が発表した2023年の固定資産税納税額に関するデータを基に、一般的に固定資産税が高いとされる東京23区の地域をご紹介します。
地域性 | ||
1位 | 港区 |
特に六本木や麻布、青山など高級エリアが多く、地価が非常に高いため固定資産税も高い。
|
2位 | 中央区 |
日本橋や銀座など商業地やオフィス街が多く、地価が高いため固定資産税も高め。
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3位 | 渋谷区 |
渋谷や代官山、恵比寿など人気エリアが多く、地価が高いため固定資産税も高い傾向。
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4位 | 千代田区 |
東京の中心地であり、皇居周辺や丸の内など高地価のエリアがあり、固定資産税が高い。
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5位 | 目黒区 |
中目黒や自由が丘など、人気の高いエリアが多く、地価が高い。
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参考:総務省 平成24年度 人口一人当たりの特別区民税額及び納税義務者一人当たりの特別区民税額
【東京23区】間取り別中古マンション価格相場について
東京23区の中古マンションにおいて、間取り別の平均価格は、下表の通りです。また、平均㎡単価も併記します。
東京23区
|
1LDK~2DK | 2LDK~3DK | 3LDK~4DK | |||
平均価格 | ㎡単価 | 平均価格 | ㎡単価 | 平均価格 | ㎡単価 | |
千代田区 | 9,361万円 | 208万円/㎡ | 20,878万円 | 348万円/㎡ | 44,783万円 | 640万円/㎡ |
中央区 | 7,127万円 | 158万円/㎡ | 11,703万円 | 195万円/㎡ | 16,920万円 | 242万円/㎡ |
港区 | 9,658万円 | 214万円/㎡ | 17,417万円 | 290万円/㎡ | 27,353万円 | 391万円/㎡ |
新宿区 | 5,960万円 | 132万円/㎡ | 8,439万円 | 141万円/㎡ | 11,715万円 | 167万円/㎡ |
文京区 | 5,030万円 | 112万円/㎡ | 8,795万円 | 147万円/㎡ | 10,153万円 | 145万円/㎡ |
台東区 | 4,865万円 | 85万円/㎡ | 5,597万円 | 93万円/㎡ | 7,762万円 | 111万円/㎡ |
墨田区 | 3,243万円 | 72万円/㎡ | 4,640万円 | 77万円/㎡ | 5,454万円 | 78万円/㎡ |
江東区 | 4,155万円 | 92万円/㎡ | 5,544万円 | 92万円/㎡ | 5,780万円 | 83万円/㎡ |
品川区 | 4,973万円 | 110万円/㎡ | 8,024万円 | 134万円/㎡ | 9,102万円 | 130万円/㎡ |
目黒区 | 5,344万円 | 118万円/㎡ | 8,394万円 | 140万円/㎡ | 13,278万円 | 190万円/㎡ |
大田区 | 3,173万円 | 70万円/㎡ | 4,750万円 | 79万円/㎡ | 5,417万円 | 77万円/㎡ |
世田谷区 | 4,030万円 | 90万円/㎡ | 6,388万円 | 106万円/㎡ | 8,917万円 | 127万円/㎡ |
東京23区
|
1LDK~2DK | 2LDK~3DK | 3LDK~4DK | |||
平均価格 | ㎡単価 | 平均価格 | ㎡単価 | 平均価格 | ㎡単価 | |
渋谷区 | 8,882万円 | 197万円/㎡ | 13,197万円 | 220万円/㎡ | 12,007万円 | 172万円/㎡ |
中野区 | 4,265万円 | 94万円/㎡ | 6,136万円 | 102万円/㎡ | 8,233万円 | 118万円/㎡ |
杉並区 | 4,091万円 | 91万円/㎡ | 5,133万円 | 86万円/㎡ | 7,026万円 | 100万円/㎡ |
豊島区 | 5,478万円 | 122万円/㎡ | 7,474万円 | 125万円/㎡ | 9,370万円 | 134万円/㎡ |
北区 | 3,700万円 | 82万円/㎡ | 4,672万円 | 78万円/㎡ | 4,986万円 | 71万円/㎡ |
荒川区 | 2,992万円 | 65万円/㎡ | 4,657万円 | 78万円/㎡ | 5,213万円 | 74万円/㎡ |
板橋区 | 2,757万円 | 61万円/㎡ | 3,672万円 | 61万円/㎡ | 4,890万円 | 70万円/㎡ |
練馬区 | 3,254万円 | 72万円/㎡ | 3,985万円 | 66万円/㎡ | 5,210万円 | 74万円/㎡ |
足立区 | 2,688万円 | 60万円/㎡ | 3,104万円 | 52万円/㎡ | 3,480万円 | 50万円/㎡ |
葛飾区 | 2,477万円 | 55万円/㎡ | 3,313万円 | 55万円/㎡ | 3,792万円 | 54万円/㎡ |
江戸川区 | 3,259万円 | 72万円/㎡ | 4,183万円 | 70万円/㎡ | 4,275万円 | 61万円/㎡ |
東京23区の中古マンションにおける間取り別の平均価格と㎡単価
出所:「東京都の中古マンションの価格相場比較 [エリア×間取り]」:HOME4U
1LDK~2DK
1LDK~2DKの間取りの場合、23区内で一番平均価格が高い区と低い区とを比較すると平均価格は3.2倍、㎡単価は3.9倍の差が生じます。
千代田区 | 平均価格:7,318万円 ㎡単価:174万円/㎡ |
江戸川区 | 平均価格:2,256万円 ㎡単価:45万円/㎡ |
2LDK~3DK
2LDK~3DKの間取りの場合、23区内で一番平均価格が高い区と低い区とを比較すると平均価格は4.4倍、㎡単価は3.6倍の差が生じます。
港区 | 平均価格:12,069万円 ㎡単価:158万円/㎡ |
足立区 | 平均価格: 2,751万円 ㎡単価: 44万円/㎡ |
3LDK~4DK
3LDK~4DKの間取りの場合、23区内で一番平均価格が高い区と低い区とを比較すると平均価格は5.1倍、㎡単価は3.9倍の差が生じます。
港区 | 平均価格:16,837万円 ㎡単価:193万円/㎡ |
足立区 | 平均価格: 3,273万円 ㎡単価: 50万円/㎡ |
千代田区や港区は、中央区と併せて都心3区となります。政治・経済・文化の中心地となりますので、居住地域としては、超人気エリアとなります。
地価や建築費が高騰する中で、居住需要が非常に高いため、新築分譲マンションは迅速に完売し、賃貸マンションもすぐに満室になる人気エリアでは、中古マンションの価格も高い水準を維持しています。中には、新築時よりも価格が上昇している物件も見られます。
一方で、江戸川区や足立区は荒川沿いに位置し、近年の大型台風による降雨量増加によって洪水のリスクが高まっています。これらの地域は「ゼロメートル地帯」と呼ばれ、荒川が氾濫すると広範囲が水深数メートルまで水没する可能性があります。
渡邊編集者
小島解説員
東京23区の中古マンション価格相場は上がり続けている
アフターコロナの現在、円安やウクライナ危機の影響も受けて、東京23区の中古マンション価格相場が引き続き上昇しています。不動産仲介会社の間でも「売却物件が不足している」という声が聞かれ、価格上昇の異常事態が続いている状況です。
小島解説員
また、世界的な金融緩和政策により、余剰資金が大量に生まれ、その資金が住宅市場に流れ込むことで、不動産市場が高騰しています。日銀が金利を引き上げたものの、国際的な水準で見れば依然として低金利状態が続いています。
さらに、ウクライナ危機や中東の政治不安による石油・石炭の物流の滞りが、建築資材の価格高騰を招き、不動産価格の上昇に拍車をかけています。
渡邊編集者
中古マンション在庫数
2022年から2023年にかけて、首都圏の中古マンションの在庫数は以下のように推移しています。
- 2022年:首都圏の中古マンション在庫数は、年間を通じて増加傾向が見られました。具体的には、2022年1月時点での在庫数は約36,000戸で、年末には約40,000戸に達しました。
- 2023年:2023年に入ると、在庫数の増加がさらに顕著になり、3月には約47,000戸に達しました。その後も在庫は増加し続け、9月には50,000戸を超えたと報告されています。
このように、2022年以降のマンション市場では在庫が増加傾向にあり、価格上昇に伴う買い手の減少や成約率の低下が原因として挙げられます。
この傾向はしばらく続くと見られており、今後は強気の価格設定での販売戦略を見直す必要があるかもしれません。
中古マンション価格
中古マンションの価格は、前年同月を上回る価格が35か月連続で続いています。中古マンションの成約価格単価は95.83万円/㎡で、前年同月比で7.6%の上昇を見せています。
マンション価格が値上がりする要因とは
マンション購入を検討する際には、購入価格の高低も重要な要素ですが、その他にも多くの重要な要素が存在します。実際には、マンション価格を決定する際に、以下のような複数の要素が相互に影響を及ぼし、不動産の相場を形成しています。
そのため、エリアや不動産の価値はこれらの要素の複合的な影響によって決まります。
小島解説員
- 居住に適した環境を持続的に提供できること
- 地政学リスクや経済情勢に強いこと
- 地域内で定期的な再開発が計画されていること
- 外国からの資本流入が見込まれること
居住に適した環境を持続的に提供することが可能
マンションの購入を検討する際には、購入価格の高低だけでなく、他にも重要な要素が多く存在します。マンション価格を決定する要因として、以下のような複数の要素が複合的に影響し、不動産の価値を決定します。
マンション価格の値上がりを期待するには、「利便性」も重要な要素です。利便性と一口に言っても多くの要素に分かれますので、ここではいくつかのポイントに分けて説明します。
渡邊編集者
都心までのアクセスおよび交通の利便性
近年、ライフスタイルの変化やIT技術の進化に伴い、「職住近隣」や「コンパクトシティ化」といった考え方が不動産開発において重視されています。特に都心までの通勤・通学の距離や、主要なターミナル駅へのアクセスが良いほど、利便性が高いとされる傾向があります。
今回挙げた3つのエリアは東京の中心部に位置し、主要なターミナル駅へのアクセスが良好なため、交通の利便性は非常に高いと言えます。
生活の利便性の確保
生活の利便性には、スーパーやコンビニ、商店街などの日常生活の買い物に困らない環境や、質の高い医療機関、教育機関、飲食店や娯楽施設の有無が含まれます。
3つのエリアには六本木や赤坂、新橋、東京、銀座などの名所があり、オフィスエリアとしても知られていますが、全体としては居住に適したエリアや、高度な医療・教育が受けられるエリアも点在しています。これにより、日常生活がスムーズに送れる環境が整っています。
居住する上での快適性
マンションの購入を考える際には、建物自体の快適性や信頼性も重要です。長期間住むことになるため、普段の生活が快適かどうか、適切な設備が整っているか、そのエリアの安全性が確保されているかを確認する必要があります。
特に、近隣の学校の質や周辺に高い建物が建設される予定がないかといった、自分の力では変更できない要素も慎重に確認するべきです。
自然災害リスクに対する安全性の確保
近年、全国で自然災害が多発しています。マンションを購入する際には、地盤が弱いエリアや海抜が低く地震や津波のリスクが高いエリアを避けることが賢明です。
今回挙げたエリアの多くは地盤が強固で震災に強いですが、一部の港区や中央区のエリアでは液状化や津波のリスクがあるため、注意が必要です。
そのエリアに住む上での独自性(ステータスやメリットなど)
港区、千代田区、中央区は、住むことでステータスや資産価値が得られるエリアです。これらのエリアは利便性に優れており、住むことで得られるメリットやステータスも大きいです。そのため、これらの要素を多く兼ね備えたエリアほど、今後のマンション価格の値上がりが期待できます。
現在、マンションは都心や地方を問わず販売されていますが、その中で差別化を図るためには、上記の項目を網羅し、資産価値が高いエリアを選ぶ必要があります。
また、投資の観点からマンションの値上がりを期待する場合、「自分が欲しいマンション」ではなく、「次に住む人や買う人が欲しがるマンション」を選ぶ視点も重要です。マンションは住居であると同時に資産でもあるためです。
小島解説員
渡邊編集者
そのため、上記の要素を多く含むマンションは今後も価格の値上がりが期待できると考えられます。
地政学リスクや経済情勢に強い
近年のマンション価格の急騰は、金融緩和や超低金利政策の実施、金融機関の融資緩和、不動産投資の活発化、そして海外投資家による資金流入など、複数の要因が重なり合って進行しています。
しかし、これらの要因は各国の経済情勢や地政学リスクによって瞬時に変化する可能性があり、それに伴って新たなリスクを引き起こすこともあります。
小島解説員
そのため、価格変動要因となる金利の上昇や需給バランスの崩れに対して比較的安定しているエリアを、購入の段階から見極めることが重要です。
定期的に地域内で再開発が予定されている
近年では、地方自治体が人口の流入を促進するために、行政、ディベロッパー、教育機関が協力して「公・民・学連携」による街作りが積極的に進められています。
駅から徒歩圏内にはシンボル的なタワーマンションが建設され、その周辺には商業施設や教育機関が集まり、コンパクトで機能的な街並みが形成されています。このような取り組みは、居住者の利便性を大いに向上させています。
小島解説員
また、東洋経済が2019年6月29日号で発表した「再開発駅の上昇率ランキング」では、この10年間で港区(六本木一丁目/1位、虎ノ門/2位、赤羽橋/5位、赤坂/6位など)、千代田区(東京/4位、淡路町/8位)、中央区(浜町/10位、勝ちどき/24位)など、再開発が活発に行われているエリアの資産価値が上昇しており、その他のエリアと比較してもランキング上位に位置しています。
小島解説員
外国の資本流入が見込める
正確な統計ではないものの、現在の不動産取引の約5~10%程度は外国籍の個人や法人によって行われていると実感しています。
円安の影響で、日本の不動産は特に高級物件において海外投資家やディベロッパーから注目されています。日本人が手を出しにくい高額な物件を購入する外国の買主が増えており、その結果、マーケットの価格帯が引き上げられています。例えば、港区や中央区の大型新築物件では、外国人投資家の購入割合が約20%に達していると、大手不動産ディベロッパーやマンション管理会社の担当者が話しています。
2024年8月の大幅な日経平均株価の下落が今後も続く可能性があり、それによって不動産市場が値下がりする懸念もあります。しかし、特に中国からの需要は今後も続くと予想されるため、これがエリアの価格を押し上げる要因になると考えられます。
渡邊編集者
小島解説員
マンション価格が値下がり・下落する要因|資産価値が下がりにくい駅とは
今後、新築・中古を問わずマンションの購入を検討する際には、マンション価格の値上がりが期待できる一方で、値下がりする可能性のある要因も十分に考慮する必要があります。
以下に、マンション価格が値下がりする主な要因について解説します。
- 生産緑地問題(2022年問題)
- 少子高齢化による人口減少
- マンションの供給量の問題
生産緑地問題(2022年問題)
不動産価格の値下がりを考慮する際には、「2022年問題」という重要な要素があります。これは、「生産緑地」と呼ばれる都市部の農地が2022年に指定解除され、大量に市場に放出される問題を指します。
この制度が導入されてから30年目の2022年に、生産緑地が解除され、市区町村に対して売却申し出が可能になります。自治体が買い取らない場合、これらの土地は市場に放出され、宅地開発が可能になるのです。
マンション価格への影響
生産緑地が解除されることで、マンションを建設するための土地が増えるため、理論的には良い立地に新しいマンションが建設でき、価格が抑えられるメリットがあります。しかし、実際には以下のような影響も考えられます。
- 供給過多の懸念
大量の土地が市場に放出されると、宅地化が進み、物件の供給が増加します。これにより、現在すでに供給過多と言われている賃貸市場では、購入価格や資産価値の下落を引き起こす可能性が高くなります。 - 生産緑地の規模
東京23区だけで「東京ドーム95個分」、東京都全域では「東京ドーム712個分」といった大規模な生産緑地が存在します。国土交通省の調査によれば、全国で約13,000ヘクタール(東京ドーム約3000個分)の生産緑地が指定されており、その8割が首都圏、近畿圏、中部圏に集中しています。特に東京都では、練馬区(187ha)や世田谷区(91ha)が多くの生産緑地を抱えています。 - 短期的な供給の影響
生産緑地の解除には時間がかかり、計画や手続きに時間が必要なため、短期的には物件供給の増加が限定的であることもあります。
このように、2022年問題はマンション価格に対して多くの影響を及ぼす可能性がありますが、土地利用の計画や手続きには時間がかかるため、短期的には物件供給がすぐに増えるわけではありません。
小島解説員
少子高齢化による人口減少
不動産価格の値下がり要因を検討する際には、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口(平成29年推計)」が示すデータも重要です。
このデータによれば、平成27年(2015年)の日本の総人口は「1億2709万人」とされていますが、この数値を基にすると、今後は人口が減少する見込みです。具体的には、平成52年(2040年)には「1億1092万人」、平成65年(2053年)には1億人を下回ると予測されています。
渡邊編集者
特に、新規住宅需要の主要な層である20〜49歳の人口が大幅に減少することが予想されています。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、2025年の首都圏総人口は2015年比で0.3%の増加が見込まれていますが、20〜49歳の人口に限ると12%の減少が予測されています。
さらに、この推計を具体的な区別に見ると、2025年時点で港区(4%増)、中央区(3%増)、千代田区(5%増)といったエリアは人口が増加するとされています。一方で、大田区(4%減)、練馬区(7%減)、豊島区、杉並区などでは10%以上の減少が予測されており、23区外ではさらに大きな減少が見込まれています。
このような人口減少は、今後の不動産市場に大きな影響を及ぼす可能性があるため、特に地域ごとの人口動向を注視することが重要です。
マンションの供給量の問題
マンションの価格が下がる要因として、供給量の問題が非常に重要です。
例えば、不動産経済研究所の調査によれば、2018年以降に全国で完成予定の超高層マンション(20階建て以上)は294棟、10万8757戸に達しています。このうち東京23区には123棟、5万5570戸が集中しており、全国の約5割強が東京23区に集まっています。
さらに、総務省統計局の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、空き家数はすでに1090万戸に達しており、これは2013年と比較して820万戸増加していることになります。
また、国土交通省の「令和5年度 住宅経済関連データ」によると、このデータを空き家率(総住宅数に占める割合)に換算すると、16.08%となり、前回の調査で過去最高と言われた水準を3ポイント上昇しています。一方で、総住宅数は6800万戸と2013年と比較して約560万戸増加しており、人口の減少と住宅の増加数が反比例している状況です。
このように、今後も人口の増加が見込めない国内市場では、立地による不動産価値の格差がますます顕著になると予想されます。そのため、エリア選定を誤ると、将来的に価格の下落要因となり得ることを理解しておく必要があります。
小島解説員
渡邊編集者
値下がりしにくい駅とは
値下がりが懸念される中で、逆に値下がりしにくい駅は存在します。まず、良く話題に上がる「住みたい街ランキング」などに名前が載る人気のエリアは、値下がりしにくい駅の一つと考えられます。
これらの街が人気であることは非常に重要で、特に都心部(港区、中央区、渋谷区、新宿区など)に近く、アクセスが良好な立地も、値下がりしにくい駅とされる要素です。
また、値下がりしにくいマンションの特徴として、駅からの距離も重要な要素となります。駅から徒歩10分を超えると、駅近のマンションよりも値下がりしやすくなる傾向があると考えられています。このように、値下がりしにくい駅を選ぶ際は、駅そのものの位置だけでなく、そのエリアの人気や駅からの距離などを総合的に考慮することをおすすめします。
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まとめ
以上で、マンション価格の上昇および下落要因、円安の影響、東京23区内の中古マンション価格相場ランキング、そして間取り別の中古マンション価格相場について解説しました。
円安の影響で、海外投資家が東京都内を中心に不動産を購入し、その結果、物件価格全体が押し上げられています。また、ウッドショックやウクライナ危機による資材費の高騰も、価格上昇の大きな要因です。
コロナ禍を経てリモートワークが普及した現在、快適な住環境を求める需要が高まっており、通勤時間を気にしない場合には郊外への移住を選ぶ人が増える可能性があります。しかし、利便性を重視し都心での居住にこだわる人も多く、これにより市場は二極化することが予想されます。
また、供給過剰で中古マンションの在庫が増加している現状から、これまでの不動産バブルは一旦落ち着く可能性も考えられます。
さらに、水害対策も重要です。大型台風による津波のリスクを考慮すると、23区内ではJR京浜東北線以西の台地上に位置するエリアが求められます。荒川や多摩川、隅田川沿いや中小河川沿いは洪水のリスクが高いため、居住エリアとしては適していません。
これらを踏まえ、海岸や河川から離れた台地上に位置し、ターミナル駅に近いエリアのマンションが人気を集め、価格も上昇することが予想されます。