- 仲介手数料を値切る客は嫌がられる?口コミまとめ
- 仲介手数料の交渉が断られたのには理由がある!
- 値引き交渉で効果的なメールの例文・言い方
賃貸物件を借りる際に発生する初期費用の一つに仲介手数料があります。引越し時には引越し代などの費用も必要となるため、初期費用をできるだけ抑えたいと考える方が多く、その一環として仲介手数料を安くしたいと考える方も少なくありません。
このため、不動産会社に仲介手数料の値引きをお願いする場合がありますが、必ずしも値引きが受け入れられるわけではなく、断られたというケースも多々あります。
この記事では、仲介手数料を値切るお客様に対して、不動産会社がどのように感じるのかについて解説します。
また、値引き交渉の際の言い方や、メールでの具体的な例文、審査後も交渉できる?といった値切るタイミングについての疑問も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
小島解説員
渡邊編集者
仲介手数料を値切る客は、なぜ嫌われる?
不動産会社にとって仲介手数料は主要な収入源であるため、手数料を値切ろうとする顧客は嫌がられる傾向があるのも事実です。ここでは、その理由を詳しく説明します。
- 不動産会社や営業マンの利益が上がらない
- 時間と労力が見合わない
- 横柄な態度で交渉すると対応されないことも
不動産会社や営業マンがタダ働きになる
不動産会社は仲介手数料を「収入の柱」として位置づけているため、手数料が減額されると利益が減少してしまいます。このため、仲介手数料の減額に応じない方針をとる会社も少なくありません。
営業担当者には毎月「ノルマ」が課せられるのが一般的であり、仲介手数料の金額が少ないと売上が伸びず、特にインセンティブ制の報酬形態では収入が減少することになります。
そのため、利益が期待できない案件では、不動産会社や営業担当者が親身に対応するのが難しくなる傾向があります。
時間と労力が見合わない
契約成立のためには、物件の広告をポータルサイトに掲載し、見込み客を現地に案内するなど、多くの営業活動が必要です。
賃貸物件の契約では、貸主と借主の間で条件を調整し、契約成立に至るまでには多くのやり取りが行われますが、すべてがスムーズに進むわけではありません。
小島解説員
横柄な態度で交渉すると出禁!?
さらに、「お客なのだから当然」といった態度で交渉すると、「横柄な客」とみなされ、適切な対応をされないことも考えられます。
不動産会社に限らず、企業にとって利益を上げることは重要なミッションです。実際、社内規定で仲介手数料の値引きには応じることができない会社も多くありますし、大手ほどその傾向が強いです。
そういった難しい交渉をお願いするわけですから、仲介手数料の値引きを求める際は、丁寧な態度でお願いすることが大切です。
渡邊編集者
小島解説員
仲介手数料を値切る客でNGなタイプ
不動産会社に仲介手数料の値引き交渉をする際には、適切な姿勢で臨むことが求められます。ここでは、仲介手数料の値引き交渉で避けるべきNGな顧客タイプをご紹介します。
- 過剰な値切り方をする人
- 横柄な人
- しつこい人
過剰な値切り方をする人
値引き交渉はお客様の権利ですが、過度な値引き要求を行うと、対応してもらえなくなる可能性があります。例えば、仲介手数料だけでなく、家賃や火災保険料、家賃保証料なども値引き要求するケースです。
そのため、これらの費用まで値引き要求をすると、不動産会社の利益がさらに減少してしまうのです。
交渉の際には、仲介手数料に限定するなど、適度な範囲で値引きを求めることが重要です。
横柄な人
態度が横柄な人は、不動産会社から敬遠されることがあります。
小島解説員
オーナーや管理会社は、トラブルを引き起こしそうな人を避ける傾向がありますし、もし紹介した入居者がクレーマーになった場合、自社の信頼を損なうリスクもあります。
仲介手数料の値引きどころか、審査段階で落とされる可能性もあるので、不動産会社とのやり取りでは、くれぐれも慎重で丁寧な態度を心がけることが重要です。
しつこい人
一度断られたにもかかわらず、再度しつこく交渉してくる人も、不動産会社から嫌われることがあります。
値引きを希望しても、経営上の制約で実現できない場合もあるため、どうしても値引きをしてもらいたい場合は、別の物件を検討するか、他の不動産会社に仲介を依頼するのが良いでしょう。
渡邊編集者
小島解説員
仲介手数料の交渉が断られた!その理由とは
仲介手数料の減額を申し出たにもかかわらず、なぜか断られるケースがあることもあります。ここでは、その理由について詳しく掘り下げてみましょう。
- 他の不動産会社では扱っていない物件だから
- 貸主からの広告料がない物件だから
- 繁忙期で値引きしなくても他の入居者が決まるから
- 強気の姿勢で交渉していた
他の不動産会社では扱っていない物件だから
その不動産会社でしか取り扱っていない物件については、値引き交渉が通らないこともあります。理由は、他の不動産会社と仲介手数料を比較できないためです。
このような場合、不動産会社同士を競わせて仲介手数料を下げるという戦略が取れません。
貸主からの広告料がない物件だから
不動産の仲介会社が得られる報酬には、仲介手数料の他に貸主から受け取る広告料(AD)もあります。
広告料の相場は「賃料1ヶ月分」とされていますが、仲介手数料とは異なり、宅建業法などの規制がないため、貸主と不動産会社の話し合いで金額を設定することが可能です。
そのため、空室期間が長い物件では、広告料として「家賃2ヶ月分」を貸主が負担するケースも少なくありません。
このように、入居者が決まることで貸主から広告料を受け取れる場合には、仲介手数料を値引きする可能性が高くなります。
しかし、貸主からの広告料がない物件の場合、仲介手数料が唯一の収入源となるため、値引き交渉が難しいこともあります。
繁忙期で値引きしなくても他の入居者が決まるから
不動産の繁忙期は1月から3月で、多くの見込み客が集まるため、人気のある物件では値引き交渉が通る可能性はほとんどありません。
この時期は他の入居者がすぐに決まるため、仲介手数料をすんなり支払ってくれるお客を優先する傾向があります。
横柄な態度で交渉していた
横柄な態度で値引き交渉をすることも、断られる理由の一つです。
不動産契約の成立には多くの時間や労力がかかり、不動産会社の担当者は決して楽な気持ちで仕事をしているわけではありません。
「カスタマーファースト」は企業活動において重要ですが、消費者側もそこで働く人たちの立場を理解し、配慮することが大切です。
小島解説員
仲介手数料とは
そもそも、仲介手数料とはどんなお金なのでしょうか。まずは概要や相場について解説します。
不動産会社に支払う仲介業務に対する報酬
仲介手数料とは、不動産取引において、不動産会社が提供する仲介サービスに対して支払う費用を指します。
この手数料は、不動産会社が売主(貸主)と買主(借主)の間に立ち、契約が成立するように条件調整を行い、重要事項の説明や契約手続きなどの業務を遂行することで発生します。
渡邊編集者
小島解説員
仲介手数料の相場は賃料は0.5~1ヶ月分
賃貸借契約において、仲介手数料の相場は家賃の0.5〜1ヶ月分とされています。
宅地建物取引業法(宅建業法)によって、賃貸の仲介手数料の上限は「家賃1ヶ月分+消費税」と規定されており、不動産会社がこれを超える手数料を請求することは法律違反となります。
仲介手数料の負担割合については、取引の当事者間で自由に決めることができます。賃貸のケースでは、借主が家賃1ヶ月分の仲介手数料を支払うことに双方が同意すれば、それは合法となります。
渡邊編集者
仲介手数料を値切る客に関する体験談・口コミ
ここではXの口コミで、不動産業者の本音を画像付きでご紹介したいと思います。
- 値切られたら相応の仕事しかしたくない
- 値引き交渉はしない方がいい
- 礼金ならわかるけど…
- 知識があってもクレーマー
- 仲介を値切る客は煙たがれる
値切られたら相応の仕事しかしたくない
こちらの投稿では値切られたら値切られた分の仕事しかしたくないという正直な気持ちが現れています。
仲介手数料はそのまま仕事のやる気に直結する不動産営業マンも多いのではないでしょうか。手を抜いていいわけではありませんが、やる気が削がれるのは自然なことかもしれません。
値引き交渉はしない方がいい
「安易に値切る客には相応の対応しかできなくなる」という口コミもあります。不動産会社は契約を成立させるために多くの時間と労力を投入していますので、安易に値切るお客には、それに見合った対応をせざるを得ないことがあります。
仲介手数料は不動産会社にとって重要な収入源であるため、この点をしっかりと理解しておくことが大切です。
小島解説員
礼金ならわかるけど…
大家に支払う謝礼としての意味合いが強い礼金は昔からの慣習で今も賃料の1~2ヵ月分を支払うケースが多いです。
不動産屋としても仲介手数料を値切られるより礼金の交渉の方がまだ理解できるという投稿でした。
渡邊編集者
知識があってもクレーマー
仲介手数料は貸主と借主合わせて賃料1ヵ月分を上限に受け取ることができると法律で定められています。
この知識がある方でまれに「それなら半月分でいいのでは」という値下げ要求があるようです。
不動産屋としては規程の仲介手数料に対して、大家との関係性を無視した交渉を提案されるのは困惑するということでしょうか。
値引きするなら相応の物件を選べば良いのに、という本音が垣間見れました。
仲介を値切る客は煙たがられる
「仲介手数料を値切る客は煙たがられる」という口コミも見られます。これは、仲介手数料が不動産会社の収入であるだけでなく、営業マンの収入源にもなるためです。
無理な値引き交渉を避けることが、良好な関係を築くためには重要です。慎重に交渉し、適切な態度で臨むことをお勧めします。
仲介手数料を値切るベストなタイミング
仲介手数料を値切るには、適切なタイミングを見極めることが成功の鍵です。ここでは、仲介手数料の値引き交渉におけるタイミングについて詳しく解説します。
- 賃貸仲介の申込書を書くとき
- 値引き交渉が通りやすいシーズンを選ぶ
- 契約書を作成する時点まではOK
物件の申込書を記入するタイミング
仲介手数料の値引き交渉をする最適なタイミングは、申込書を記入する際です。この段階ではまだ正式な契約が成立していないため、金銭に関する交渉が比較的行いやすい時期と言えます。
閑散期がねらい目
値引き交渉が通りやすいシーズンを狙えば、仲介手数料を安くすることが期待できます。不動産の繁忙期は1月から3月で、多くのお客が賃貸物件を探す時期のため、この期間中は値引き交渉が難しい可能性があります。
一方、不動産の閑散期とされる7月から8月の時期には、値引き交渉が成功する可能性が高くなります。
契約書の作成前なら基本OK
賃貸借契約を締結する前であれば、仲介手数料の値引き交渉が可能です。
重要事項説明書には「賃料及び賃料以外に授受される金額」の欄に仲介手数料の額が記載されていますので、宅建士から重要事項説明を受けている段階で値引き交渉をするのが一般的です。
契約するまでは値引き交渉が可能ですが、できるだけ早い段階で交渉を行いましょう。
小島解説員
審査後でも仲介手数料の値引き交渉は可能?
仲介手数料の値引き交渉は、審査後でも可能ですが、注意が必要です。初期費用には敷金や礼金なども含まれているため、審査後に値引き交渉をしても、承諾される可能性は低いことが多いです。
しかし、仲介手数料は不動産会社の収入源であり、契約成立前であれば値引きに応じてくれる可能性があります。契約が成立した後では値引き交渉が難しくなるため、契約前に交渉をすることが重要です。
【注意】重要事項説明書にサインした後はNG
契約前であれば、仲介手数料の値引き交渉が可能ですが、重要事項説明書にサインをした後は交渉が通らない場合があります。
例えば、重要事項説明書に「借主は仲介手数料として家賃1ヶ月分の支払いを承諾している」と記載されているケースでは、確認の署名欄にサインをすることで、仲介手数料の金額に同意したとみなされます。
そのため、サイン後に値引き交渉をしても、不動産会社が承諾する可能性は低くなります。契約前に値引き交渉を行うことが重要です。
小島解説員
仲介手数料の交渉で使える「言い方」「メール例文」
実際に仲介手数料の値引き交渉をしようとすると、どのように切り出せば良いのか悩むことがあります。ここでは、不動産会社に直接口頭で交渉する場合や、メールで値引き交渉を行う際の例文をご紹介します。
丁寧な言い方で値引きをお願いする
どんなお客であっても、「値引きして当然」といった態度では仲介手数料を安くすることは難しいです。丁寧な言い方で値引きをお願いすることが重要です。
値引き交渉のコツとしては、以下の5つが挙げられます。
- 予算が少ないことを相談する
- AD付き物件を紹介してもらう
- 具体的な値引き額を伝える
- 他社の仲介手数料と比較する
- 値引きしてくれたら契約するという意思を伝える
まずは、部屋を借りる予算が限られていることを相談してみましょう。収入に見合った家賃の物件を選ぶのが基本ですが、初期費用を抑えるためにも仲介手数料の値引きが必要であることを伝えます。
また、貸主が広告料を不動産会社に支払う「AD付き物件」を紹介してもらうのも一つの方法です。
値引き交渉の際には、具体的な金額を提示することが大切ですが、大幅な値引きは受け入れられない可能性があるため、現実的な範囲で提案するようにしましょう。
さらに、仲介手数料を値引きしたい物件を他の不動産会社が扱っている場合は、その比較を行うのも効果的です。
渡邊編集者
メールで値引き交渉するときの例文
不動産会社の担当者に直接交渉するのが苦手な場合は、メールで値引き交渉を行うのも良い方法です。以下に、メールで値引き交渉をする際の例文をご紹介します。
値引き交渉のメール例
株式会社〇〇不動産 〇〇様
お世話になっております。先日、物件をご紹介いただいた〇〇です。とても良い部屋だったため契約を検討していますが、予想以上に初期費用がかかるため、契約するかどうか迷っております。
そこで、もし可能であれば、仲介手数料を〇円に値下げしていただけないでしょうか?承諾していただける場合には、契約を進めたいと考えております。ご検討のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
〇〇(自分の名前)
まず、先日物件の紹介でお世話になったことを伝えましょう。次に、予算の都合で仲介手数料の値引きを検討していることを説明します。
その際には、具体的な値引き額を提示することもポイントです。最後に、承諾してもらえた場合には契約を進める意向があることを伝え、担当者にしっかり検討してもらえるよう促しましょう。
小島解説員
仲介手数料が安いor無料の不動産会社のからくり
不動産会社の中には、仲介手数料を半額にする、または無料にするところもあります。ここでは、そのような不動産会社がどのようにして仲介手数料を安くしているのか、または無料にしているのかについて解説します。
貸主から広告料や仲介手数料をもらっている
まず、仲介手数料が安くなる理由として、貸主から広告料や仲介手数料を受け取っているケースが挙げられます。
空室期間が長い物件では、貸主が広告料を不動産会社に支払うことがあり、これにより借主からの仲介手数料が少なくても利益が確保できます。
さらに、貸主が借主の仲介手数料を負担する場合もあります。これは特に入居者が見つかりにくい物件で見られるケースです。
仲介手数料の負担を軽くすることで、入居者の確保がしやすくなり、貸主は家賃収入を得る機会を増やすことができます。
自社物件は仲介手数料が無料
不動産会社が自社で所有している物件を直接入居者と契約する場合、仲介業務が介在しないため、仲介手数料が発生しません。つまり、他の不動産会社が間に入ることがないため、仲介手数料がかからないのです。
そのため、不動産会社が自社物件を直接貸し出す場合、仲介手数料が「無料」であるとアピールすることができます。これにより、入居者にとっては仲介手数料を支払う必要がなくなるのがメリットです。
不動産会社間で取引をしている
不動産会社で取引を行う際、仲介手数料が安く、あるいは無料になるケースもあります。このような場合、オーナーが物件の管理を任せている不動産会社に入居者募集を一任していることが多いです。
管理会社は、他の不動産会社に仲介業務を委託し、その後の管理業務を引き受けてもらうことがあります。
小島解説員
渡邊編集者
まとめ
仲介手数料を値引くことはお客の権利ですが、不動産会社にとっては重要な収入源です。仲介手数料を減額すると、自社や営業担当者の利益が減少するため、全ての不動産会社が快く承諾するわけではありません。
ただし、自社物件や広告料(AD)付きの物件を選ぶことで、仲介手数料を無料または減額することも可能です。
どうしても仲介手数料を抑えたい場合は、最初から仲介手数料が無料または半額の物件を選ぶのも良いでしょう。
渡邊編集者
小島解説員