- 仲介手数料が高くなる理由と安くする方法
- 交渉結果を左右する言い方とそのコツ
- 仲介手数料の交渉が行いやすい物件の特徴
賃貸物件の仲介手数料が高い理由とは?
仲介手数料の相場や1ヶ月違法事例について解説し、交渉のコツで手数料を安くする方法を徹底紹介します。
値切る客としての賢い交渉術や、仲介手数料を安くするための具体的なポイントを押さえ、賃貸契約で損をしないための知識を身につけましょう。
山口編集者
仲介手数料が高い理由
仲介手数料が高いと感じたことはありませんか?
不動産取引には、さまざまなコストがかかるため、その手数料が高くなる理由がいくつか存在します。ここでは、その理由を解説していきます。
- 運営コストの負担が大きいため
- 広告費がかかるため
- 店舗維持費が高いため
- 人件費の負担があるため
- 成果報酬制による影響
運営コストの負担が大きいため
不動産業者は、物件の広告費や人件費、店舗維持費など、運営にかかるコストが高いため、仲介手数料が高くなります。
これらの費用は業者の経営を支えるための重要な要素です。
広告費がかかるため
不動産業者は、ポータルサイトやチラシ、看板などを通じて物件を広く宣伝するために多額の広告費をかけています。
これが手数料の一部として反映されているのです。
店舗維持費が高いため
人通りの多い場所に店舗を構えることが不動産業者にとって必要ですが、これには高額な賃料がかかります。
そのため、店舗維持費も手数料に含まれます。こでの賃料が「家賃より高い」という現実も関係しています。
人件費の負担があるため
不動産取引には多くの時間と労力が必要です。
複数の物件案内や、契約手続きのサポートなど、これらのサービスを提供するための人件費が高いことが、手数料の一因となります。
成果報酬制による影響
不動産仲介手数料は、契約が成立した場合のみ発生する成果報酬制です。
そのため、業者は成果に対する報酬として手数料を高く設定する傾向があります。
この成果報酬制が手数料の高さに影響を与えているのです。
賃貸の仲介手数料とは?
賃貸契約を結ぶ際、費用明細に「仲介手数料」という項目が見受けられます。
この費用は何のためのものでしょうか。
ここでは、仲介手数料の基本的な内容や相場について詳しく解説します。
- 仲介手数料の基本知識
- 仲介手数料の相場は?
- 仲介手数料1か月分は違法?
仲介手数料の基本知識
仲介手数料とは、物件の紹介や内覧、契約のサポートを行う不動産会社に支払う費用です。
これは、借主とオーナーまたは管理会社の間を仲介し、契約が成立するまでのサポートを提供する対価として請求されます。
一般的に、仲介手数料は契約が正式に成立した段階で支払われます。
小島解説員
山口編集者
仲介手数料の相場は?
仲介手数料の相場は「家賃の0.5〜1ヶ月分+消費税」です。
これは宅地建物取引業法によって、「家賃の1ヶ月分+消費税」が上限として定められているためです。
仲介手数料の額にばらつきがある理由としては、以下の2点が挙げられます。
- 不動産会社が上限内で自由に設定できるから
- オーナーと借主の間で費用配分が異なるから
小島解説員
山口編集者
仲介手数料1か月分は違法?
結論から言うと、1ヶ月分の仲介手数料は違法ではありません。
不動産会社が受け取る仲介手数料の上限が「家賃の1ヶ月分+消費税」と宅地建物取引業法で定められているためです。
オーナーと借主双方の同意があれば、借主が家賃1ヶ月分の仲介手数料を支払うことは問題ありません。
この同意は、重要事項説明や入居申込み時に仲介手数料に関する同意書を求められる形で行われることが多いです。
小島解説員
山口編集者
仲介手数料を安くする方法!具体的なコツを紹介!
仲介手数料の交渉は、アプローチ次第で結果が大きく変わることがあります。
無策で交渉を始めると失敗する可能性が高いため、ここで紹介するポイントを参考にして、仲介手数料を上手に交渉しましょう。
- 具体的な値引き額を提示する
- 予算の限界を伝える
- 契約前提の値引き交渉を先に伝える
- 他社と比較する発言
- 賃貸需要が少ない時期に交渉する
- 貸主側に向けたメリットを提示し交渉する
- 丁寧な対応をする
- 仲介手数料が無料の物件を探す
具体的な値引き額を提示する
仲介手数料の交渉を行う際、具体的な金額を提示しないと成功する可能性が低くなります。
曖昧な金額では借主の真剣さが伝わらず、不動産会社にとっては「いくらであれば契約を進められるのか」という不安が生じます。
小島解説員
山口編集者
注意点として、仲介手数料が少額の場合、交渉が難しいことが考えられます。
例えば、仲介手数料が30,000円以下の場合、不動産会社の利益が少ないため、これ以上の値引きは難しいケースが多いでしょう。
仲介手数料を交渉する際は、具体的な金額を提示し、契約に前向きな姿勢を示すことが重要です。
予算の限界を伝える
契約手続きを進めるための予算に限りがあり、現状の仲介手数料では契約が難しいことを伝えてみましょう。
具体的な予算を提示することで、交渉に現実味が生まれ、より真剣に対応してくれるでしょう。
「全体の予算が○○万円なので、仲介手数料を○○万円引いていただければ契約を進められます」と伝えると、不動産会社もどの程度値引きすれば契約が成立するのかを理解しやすくなります。
契約前提の値引き交渉を先に伝える
不動産会社は、仲介手数料を割り引いても契約が成立するか不確定な交渉には応じない傾向があります。
そのため、仲介手数料の交渉を行う際は、契約を前提とした値引き交渉であることを明確に伝えることが重要です。
仲介手数料を値引きする際、担当者は上司や代表の承認を得る必要があります。
上司を説得して手数料を割り引いたにもかかわらず、契約が進まなければ、その労力は無駄になってしまいます。
交渉の成功率を少しでも上げるためには、「契約前提」という言葉が鍵となるでしょう。
他社と比較する発言
複数の不動産会社で物件を内覧し、比較した上で仲介手数料の交渉に臨むのも効果的です。不動産会社は、「他社と契約されるくらいなら、利益が低くても契約を取りたい」と考えるためです。
この方法を用いる際は、他社の費用明細を持参し、交渉時に提示すると有利になります。この場合も、「仲介手数料を○○万円引いていただければ、こちらで契約します」と具体的に伝えると良いでしょう。
小島解説員
賃貸需要が少ない時期に交渉する
仲介手数料の交渉において、賃貸需要の低い時期を狙うことが効果的です。
賃貸需要が高い時期に交渉しても断られる可能性が高いため、閑散期を狙うのが賢明です。
具体的には、5〜8月や年末年始が狙い目です。この時期は、部屋探しをする人が少ないため、不動産会社も契約を結びたいと考えています。そのため、仲介手数料の交渉に応じてもらえる可能性が高まります。
貸主側に向けたメリットを提示し交渉する
仲介手数料の交渉時に、貸主側にもたらされるメリットを提示することも有効です。
たとえば、借主が長期契約を希望している場合、安定した収入が見込まれるため、貸主にとってもメリットがあります。これを交渉材料として提示し、仲介手数料の引き下げを依頼するのも一つの方法です。
小島解説員
丁寧な対応をする
値切り交渉を行う際、相手に不快な印象を与えないように注意が必要です。「値切る客」として見られると、担当者の対応が冷たくなることもあります。
交渉を行う際は、適切な言葉遣いや敬意を払いながら、具体的な理由や背景を説明することが大切です。交渉の際には、冷静で礼儀正しい態度を心がけ、相手が納得できるような理由を示すことが重要です。
仲介手数料が無料の物件を探す
最近では、仲介手数料が無料や半額の物件が増えてきています。このような物件を探すことで、初期費用を大幅に削減できる可能性があります。特に、ネット上の不動産検索サイトや一部の不動産会社でこうした物件を探すことができます。
仲介手数料が無料の物件を見つけた場合でも、契約前にしっかりと物件の条件や他の費用について確認することが重要です。
仲介手数料の値引き交渉が断られる5つの理由
仲介手数料の交渉を断られる場合があります。
ここでは、仲介手数料の値引き交渉を断られた理由を解説します。
- 貸主からの報酬がない物件だから
- 1社のみが取り扱っている物件だから
- 値引きしなくても入居者が決まる繁忙期だから
- 高圧的な姿勢で交渉したから
- 入居審査後に交渉したから
貸主からの報酬がない物件だから
貸主から報酬が支払われない物件の場合、不動産会社は仲介手数料の値引きに応じにくいことがあります。
このような場合は、他の交渉ポイントを探る必要があります。
1社のみが取り扱っている物件だから
1社だけが取り扱っている物件は、競争がないため値引き交渉が難しいことがあります。
このような物件では、価格交渉以外の条件を見直すことが有効です。
値引きしなくても入居者が決まる繁忙期だから
繁忙期には、需要が高いため値引き交渉に応じてもらえないことがあります。
このような時期に交渉を行う場合は、柔軟に他の条件で交渉することが必要です。
高圧的な姿勢で交渉したから
交渉時に高圧的な態度を取ると、担当者が不快に感じてしまうことがあります。
適切なマナーで、落ち着いて交渉を進めることが成功の鍵です。
入居審査後に交渉したから
入居審査後に交渉を行うと、契約がほぼ確定しているため、手数料の値引きが難しくなります。
審査前に交渉を済ませておくことが望ましいです。
仲介手数料が交渉しやすい物件の特徴は?
仲介手数料の交渉が成功するかどうかは、交渉のアプローチやタイミングだけでなく、物件の種類にも大きく依存します。
ここでは、特に仲介手数料の交渉がしやすい物件の特徴をご紹介します。
山口編集者
- 自社で管理している物件
- 長期で空室の物件
- 管理状態が良くない物件
自社で管理している物件
仲介手数料の交渉をする際は、自社で管理している物件を狙いましょう。自社で管理している物件とは、オーナーから直接賃貸管理を任されている物件のことです。
自社管理物件は、オーナーから直接管理依頼を受けているため、不動産会社は少しでも満室に近づけたいと考えています。そのため、「仲介手数料を削ってでも部屋を埋めたい」となるケースが多く、仲介手数料の交渉に応じてくれやすいのです。
長期で空室の物件
長期間空室の物件は、不動産会社にとって負担が大きいため、交渉の成功率が高まります。
空室を埋めることで、資金をリフォームに回し、さらに他の部屋も埋めるチャンスが生まれます。
インターネットで長期空室の物件をチェックし、積極的に交渉することで、双方にとってメリットのある結果が得られる可能性が高いです。
管理状態が良くない物件
管理状態が良くない物件も、交渉がしやすい対象となります。
これらの物件は需要が低いため、仲介手数料の交渉が成功する可能性が高いのです。例えば、古い設備や清掃が行き届いていない共用部分などが該当します。
自分が許容できる範囲内で「住める」と判断できる物件を見つけ、交渉を試みてみましょう。
- 古い設備が使われている
- 建物のメンテナンスが不十分で、清潔感が不足している
- 駐輪場やエントランスなどの共有スペースにゴミが散乱している
これらの特徴を持つ物件は、一般的に需要が低く、借り手が見つかりにくいため、不動産会社が仲介手数料の交渉に応じやすくなります。
自分が許容できる範囲内で「住むことができる」と判断できる物件を選び、交渉を試みると良いでしょう。
まとめ
この記事では、仲介手数料の交渉が断られる理由と、その成功に向けた具体的なコツをご紹介しました。仲介手数料の交渉は、単に交渉の方法やタイミングに加えて、交渉する物件の特徴にも大きく影響されます。特に、交渉の際には、自分だけでなく相手の立場や状況を理解し、配慮することが重要です。これにより、交渉がより円滑に進みやすくなります。
交渉が成功するかどうかは、部屋探しの時期や交渉に臨む際の姿勢にも大きく左右されます。例えば、適切なタイミングや柔軟な対応を心掛けることが、成功の鍵となります。さらに、自分が希望する条件に加えて、相手のニーズや状況を尊重することが、良好な交渉結果につながるでしょう。
不動産業界では、仲介手数料の交渉が上手くいくかどうかは、ただ単に交渉を進めるだけではなく、相手に対しての誠実さや信頼感も大切です。相手の立場に立って考え、協力的な姿勢を見せることで、より良い結果を引き出すことが可能です。
小島解説員