- マンションの選び方で重視するポイントは3つ!
- いい物件の探し方はポータルサイトで探すか、不動産会社で直接探す方法がある。
- 失敗しないためには、内覧をしっかりすることと相場価格を知ることが大切。
小島解説員
渡邊編集者
そこでこの記事では、中古マンションを購入する際の選び方や重視すべきポイント、さらにマンション購入を成功させるために欠かせない不動産会社選びまでわかりやすく解説します。中古マンション購入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
中古マンションを選ぶメリット
中古マンションには、新築にはないメリットがあります。中古マンションを選ぶ主なメリットは次の通りです。
- 価格が安く、大きく値下がりしにくい
- 実際に建物や室内を確認できる
- 管理状況やどのような住民がいるかわかる
中古マンションのメリットとして一番にあげられるのは、新築よりも価格が安いことです。社会全体の不動産市場が値上がりした場合は、新築で販売された価格よりも値上がりすることもありますが、一般的には、新築よりも中古マンションのほうがかなり安くなります。
また、新築マンションの多くは建物の完成前に契約することがほとんどです。しかし、中古マンションはすでに完成しているので、室内や共用部分、管理状況、周囲の環境を実際に確認できる点もメリットだと言えます。
渡邊編集者
中古マンション選びで特に重視すべき3点
中古マンションを選ぶ際の注意ポイントはいろいろありますが、特に重視するべき点は次の3つです。
- 築年数
- 構造と間取り
- 周辺環境と立地
それぞれの重視すべきポイントについて、詳しく説明します。
築年数
築年数は、中古マンションを選ぶ際の重要なポイントです。築年数が新しいかどうかも大切ですが、新耐震基準が適用となった1981年以降に建てられているかどうかを確認しましょう。新耐震基準で建てられているほうがおすすめですが、1980年以前の旧耐震基準で建てられている建物であっても、耐震補強工事などが施されていると安心です。
築年数は、建物の耐震性だけの問題だけではありません。築年数の古いマンションだと、住宅ローンの融資額が少なくなったり返済期間が短くなったりします。
さらに、将来売却を予定している場合は、築年数が古いと次の購入希望者が現れにくくなる恐れもあります。売却を考えている場合は、それを踏まえて中古マンションの築年数を検討するようにしましょう。
構造と間取り
マンションの建物の構造と間取りも、中古マンションを選ぶ際の大切なポイントになります。特に、中古マンションを購入してからリフォームを検討している場合は、構造をしっかりと確認しておくことが大切です。
渡邊編集者
小島解説員
中古マンションを購入してからリフォームやリノベーションをしようと考えている場合は、間取りだけでなくマンションの構造も確認しておきましょう。
また構造によっては下がり天井になっていたり、梁が出ていることもあります。
下がり天井があることで部屋に圧迫感が出たり、本来の天井高なら置けるはずの家具が設置できないというデメリットが目立ち、物件選びでは見落としがちですが注意したい点です。
WEBやチラシには簡易の間取り図しか掲載していない場合も多く、簡易版には下がり天井などの詳細な表記は省略されることもあるため、必ず間取り図と実際の部屋を見比べて表記にない下がり天井や梁がないかチェックしましょう。
周辺環境・立地
中古マンションを選ぶ際には、建物そのものだけでなく周辺環境も大切です。周囲に焼却場や大きな音やにおいがする工場、交通量が多く振動が伝わってくるような道路といった、生活をするにあたってマイナス面がないかをチェックしましょう。
近隣で再開発の予定がある場合は、高い建物が建てられる可能性もあります。
戸建てやマンションに限らず「家を買う」ということは「隣近所も一緒に買う」ということです。
隣人の玄関前や共用廊下がものであふれていたり、ゴミ袋が置かれていないか、バルコニーの手すりや床の隙間伝いに植物が伸びていたり、ゴミや異臭がないか等、隣人トラブルにつながりかねない箇所は念入りに見ておきましょう。
もちろん交通の便が良いか、子供の希望する学校の学区に入っているか、通学路は安全か、病院やスーパーといった生活に必要な施設が近くにあるかなども大切なチェックポイントになります。特に子供や高齢の方がいる場合や長く住むことを考えている場合は、周辺環境は重点的に確認するようにしましょう。
もちろん地盤や浸水被害など環境要因も重点的にチェックしてください。
- 過去に大きな災害が発生していないか
- 海からの距離と海抜は大丈夫か
- 自治代のハザードマップで危険エリアに該当していないか
- 大地震にも耐えられる地盤の強さか
いずれの項目も自治体がWEB上に情報を公開しています。万が一が起きた際に家族と財産を守るためにも、しっかりと情報を集め土地の安全性を見極めることが大切です。
安全性はもちろん大事ですが、マンションを買って一生住む人だけではなく、転勤や資産運用のために売りに出したり、子や孫に引き継ぐ人も多いでしょう。そうした人にとっては資産価値が下がりにくいかどうかも重要です。
新型コロナウイルスの影響で働き方は大きく変わりました。テレワークが増え、在宅時間が増えたことで家に求める機能やクオリティのレベルも上がっています。防音のワークスペースや広いバルコニー、家事導線の効率化、子供が室内でのびのび過ごせるキッズスペース等、アフターコロナを見据えたマンションは今後も高い需要が望めるでしょう。
中古マンションの探し方
ここでは、実際に中古マンションを探す方法について説明します。中古マンションを探すおもな方法は、インターネットなどの不動産ポータルサイトを調べることと、直接、不動産会社に問い合わせることです。
不動産情報のポータルサイトで調べる
中古マンションを探す際にほとんどの方が使うのが、SUUMOやHOME’S、athomeなどといった不動産情報のポータルサイトでしょう。
これらのサイトでは、場所や広さ、築年数、設備などの条件物件を絞り込んで、現在売りに出されている中古マンションを調べることができるので便利です。
小島解説員
不動産会社に直接問い合わせる
不動産会社の中には、不動産情報のポータルサイトに登録していないところもあります。
そのような不動産会社は、自社のWEBサイトなどで集客し、ポータルサイトへの登録料や利用料を節約することで仲介手数料半額や無料といった形で購入希望者への利益還元を実現しているのです。
渡邊編集者
小島解説員
ポータルサイトに登録していない不動産会社で購入すれば、3,500万円程度の中古マンションであれば100万円以上かかる仲介手数料の額を抑えられる場合もあります。購入したい中古マンションの目星がついている場合は、「仲介手数料無料 〇〇マンション」などと入力して探してみるもの一つの手です。
中古マンション探しで失敗しないためには?
最後に、中古マンション探しで失敗しないための注意点を説明します。
予算をどうするか計画する
中古マンションの購入前には予算計画も立てておかなければなりません。一般的に中古マンション購入に必要な予算は次のように考えます。
中古マンションは物件価格のほかにリフォームやリノベーション費用が必要となる場合があります。リフォーム・リノベーションの予定がない人も実際に工事をすると費用は大きくなりますので、念のためリフォーム・リノベーションの費用を含めて予算計画を立てましょう。
また、諸費用とは、下表のような費用になります。
- 印紙代
- 登記費用
- 仲介手数料
- 火災保険
- 固定資産税・都市計画税清算金
- 修繕積立金・管理費清算金
- 住宅ローン事務手数料
- 住宅ローン保証料
- ホームインスペクション費用
- 不動産取得税
※ ⑦、⑧は住宅ローンで購入される方のみです。※⑨に関しては必須ではありません。※⑩は購入不動産によってはかかりません。
それぞれの支払いタイミングは下表の通りです。
契約時 | 引渡し・融資実行時 | 物件取得後 | |
諸費用 | 手付金(5%~10%) 仲介手数料(50%) 売買契約印紙代 適合証明手数料 |
残金決済(90%~95%) 仲介手数料(50%) 住宅ローン事務手数料 住宅ローン保証料 团体信用生命保険料 住宅ローン契約印紙代 火災,地震保険料 登録免許税 司法書士報酬(登記代) |
不動產取得税 固定資産税・都市計画税 管理費清算金 修繕積立金 |
小島解説員
中古マンションの内見時の注意点
気になる中古マンションが見つかれば、内見をして購入するかどうかを決めます。売り出し中の中古マンションは、まだ売主が住みながら売却をしている場合もありますが、内見の際には居住者の生活やインテリアに引きずられないようにすることが大切です。部屋にあるものをすべて撤去して、好みの家具やインテリアにしたところを想像しながら内見しましょう。
具体的なチェック箇所を表にまとめましたので参考にしてみてください。
チェック箇所 | チェックポイント |
全体
|
床に傷や汚れはないか |
床に傾きはないか | |
壁紙に傷や汚れはないか | |
窓はスムーズに開閉できるか | |
窓に破損部分はないか | |
玄関
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玄関ドアの開閉はスムーズか |
収納(靴箱)に異常はないか? | |
インターホンは正常に動作するか | |
リビング・洋室
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室内のドアの開閉はスムーズか |
カーテンレールに異常はないか(曲がっているなど) | |
和室
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ふすまの開閉はスムーズか |
畳にほつれや汚れはないか | |
キッチン
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排水に異常はないか(水を流してみる) |
収納(吊戸棚)の開閉はスムーズか | |
トイレ
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排水に異常はないか(水を流してみる) |
便座にがたつきがないか(座ってみる) | |
ペーパーホルダーに異常がないか | |
ドアの開閉はスムーズか | |
浴室
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排水に異常はないか(水を流してみる) |
ドアの開閉はスムーズか | |
洗面化粧台に異常はないか | |
その他
|
照明は点灯するか |
換気システムは稼働するか |
修繕計画や積立金の状況を担当者に確認する
マンションを維持管理するためには計画的なメンテナンスが必要です。一般的には10年~15年周期で大規模な修繕をするよう推奨されています。修繕計画は適当か、これまで修繕の記録はあるか、担当者に確認しましょう。
また計画的なメンテナンスにかかる費用の積み立てが修繕積立金です。毎月の修繕積立金の金額は妥当か、修繕積立金は十分にプールされているかについても担当者に確認しましょう。
管理組合が定期的な点検をしているか把握する
マンションの寿命を左右するのが管理状態です。内見時には管理組合が定期的な点検をしているか確認しましょう。外壁・廊下・バルコニーのヒビ割れや塗装剥げはないか、タイルの浮きが放置されていないかなどをチェックします。
また駐車場やエントランス、ごみ置き場などの共用設備の管理が行き届いているかも見ておきましょう。
マンションの管理規約なども確認しておこう
内見とあわせて管理規約や管理組合の議事録も確認しておきましょう。
管理規約をチェックすれば、マンションの管理ルールがわかりますし、議事録では過去の総会でどのような話し合いがされてきたのか確認できます。
相場価格を調べておく
中古マンションを購入する場合は、実際に物件を探し始める前に、自分で相場価格を調べておくとよいでしょう。なぜなら、おおよその相場価格がわかっていれば、物件を選ぶ際や資金計画を建てる際に役立つからです。
相場価格を調べる際には、現在の売り出し価格がわかる不動産情報ポータルサイトだけでなく、不動産流通機構が運営している「レインズ・マーケット・インフォメーション」や国土交通省の「不動産取引価格情報検索サイト」で、実際の取引成約価格を確認しておくことをおすすめします。
信頼できる不動産会社を探す
不動産の売買には、信頼できる不動産会社を選ぶことが何よりも大切です。
中古マンションの売買実績が豊富にあり、知識や経験が豊富な担当者がいることは、中古マンション購入を成功させるために欠かせないポイントです。
小島解説員
悪い不動産屋の特徴
不動産業界には自社の利益になりさえすればどんな物件でも売ろうとする不動産屋は残念ながら実際に存在します。そんな不動産屋を見分けるためにはどこに注目すればいいのでしょうか。ポイントを下記にまとめました。
- 電話対応や、担当者以外のスタッフの態度が悪い
- 「この物件は人気なのですぐ申し込みが入ってしまいますよ!」等やたらと急かしてくる
- 事故物件や欠陥住宅等、買い手にきちんと事実を告知してくれない(こちらが聞くまで言い出さない業者もいます)
- 物件のメリットだけ話してデメリットは伝えない
- 実際は空きのない物件を空室として掲載してる(おとり物件)
- 質問したことに対し推測や経験則で答え、管理組合や売り主に確認をとって調べない
上記のような不動産業者からマンションを購入すると、本来出会えたはずの希望条件にぴったりな物件に出会えないどころか、あとあと欠陥が見つかり補修費用で大損をしたり、契約手続きがスムーズに進まず不快な思いをすることもあるのです。
人生でそう何度も買うことのない大きな買い物です。まずは親身にこちらの希望をくみ取り、誠実に対応してくれる不動産会社を選ぶところからスタートとなります。
中古マンションの火災保険の相場と選び方
念願の中古マンション購入が成功した後に忘れてはいけないのが火災保険です。万一の時に備えて建物の補償や生活再建の足掛かりとなります。
ここでは、中古マンションの火災保険の相場や選び方について簡単に説明します。
火災保険の相場を調べることは困難
火災保険に加入する際、多くの人がその保険料の相場を知りたいと考えるでしょう。しかし、火災保険料は多くの要素によって決定されるため、相場を特定するのは容易ではありません。
保険料に影響を与える要素には、建物の種類や構造、補償内容、保険期間、築年数、特約の有無などが含まれます。そのため、火災保険料の相場を一概にいくらとは言えないのです。
中古マンションにおける火災保険の選び方
マンションの場合、一戸建てと比較すると災害リスクが低いため、火災保険料は一般的に安くなります。価格.comの火災保険の相場を見ると、10年間の火災保険料は3万円台で済むことが多いです。
賃貸物件においては、建物自体に対する火災保険はオーナーが加入します。
一方、借主は家財保険に加入し、それに加えて借家人賠償責任保険に加入することをおすすめします。
価格.comなどの価格比較サイトを活用すると人気の保険ランキングごとに保険料が比較できるので大変便利です。
どこの保険に入るか迷われている方は参考にしてみてください。
引用:価格.comのマンションの火災保険料比較
中古マンション購入時に重視すべきポイントを押さえておく
新築よりも安く買える、実際の物件を確認できるなどといったメリットがある中古マンションを選ぶ際には、さまざまな重視すべきポイントがあります。
おもなポイントは、築年数とマンションの構造、そして周辺環境です。生活スタイルやライフプランに合わせて、重視すべき点に優先順位をつけて中古マンション探しをしましょう。
中古マンション探しには不動産情報ポータルサイトが便利です。しかし、不動産会社に直接問い合わせることで、仲介手数料が割引になる場合もあるので試してみることをおすすめします。
物件探しの際には、前もって相場価格を調べておく、内見をしっかりと行うなどの注意点をふまえて、中古マンション購入成功を目指しましょう。