静かなマンションに住みたい!防音力の高いマンションの選び方

静かなマンションに住みたい!防音力の高いマンションの選び方


この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

この記事のまとめ
  • 静かなマンションに住みたい!防音力の高いマンションの選ぶために
  • 騒音トラブルの事例を紹介
  • 内見時に確認すべき設備と周辺環境のポイントとは

生活の質を向上させるためには、静かな環境が欠かせません。

特にマンションやアパートなど、近隣との距離が近い住まいでは、防音対策を講じることが大切です。上階や隣室からの音が響くと、日常生活のリズムが崩れ、ストレスの原因になります。しかし、外観だけではその防音性能を把握するのは難しいこともあります。

静かなマンションに住むために、防音力の高い物件選びについて紹介します。

小島解説員小島解説員

渡邊編集者渡邊編集者

賃貸や分譲に関わらず、防音性能が最強なマンションの方が良いです。

静かなマンションに住みたい!防音力の高いマンションを選ぶためには?

静かなマンションで暮らしたいと考えるなら、まず防音性能の高い物件を選ぶことが重要です。騒音によるストレスを避けるため、物件選びではいくつかのポイントを押さえておく必要があります。以下では、防音性能の高いマンションを選ぶ際に注目すべき点についてご紹介します。

渡邊編集者渡邊編集者

家族で暮らしている人も、一人暮らしをしている人も、やはり静かに暮らしたいですよね…。
防音性能の高い物件のポイント
  • 建物の構造
  • 窓の防音性能
  • 床材や壁材
  • 天井と床の厚さ
  • 防音ドアの有無

建物の構造

マンションの防音性能を最も左右するのは、その建物の構造です。

鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のマンションは、壁や床が厚く、音が伝わりにくいという特性があります。これに対し、木造や軽量鉄骨造のマンションは、比較的音が伝わりやすく、防音性において劣ることが多いです。物件選びの際には、構造の違いをしっかりと確認しましょう。

窓の防音性能

窓は、外部からの音が入りやすい部分であり、その防音性能は居住環境に大きな影響を与えます。二重サッシや防音ガラスを使用した窓は、外部の騒音を効果的に遮断してくれるため、静かな生活を求める人にとって理想的です。特に、交通量が多い道路沿いや商業エリアに位置するマンションでは、窓の防音性能が重要な役割を果たします。

窓枠サッシの遮音性能は、「T~」という遮音等級で確認できます。T1、T2、T3の数字が大きいほど、遮音等級が高くなります。

例えば、街道沿いなどの騒音が多いエリアに位置する物件では、T3等級のサッシが採用されることが一般的です。一方で、外部からの騒音が心配されるにもかかわらずT1等級が採用されている場合は、コストを優先して建設されたマンションである可能性が高く、防音性能に問題があるかもしれません。そのため、物件を検討する際には、遮音等級について十分に確認し、注意することが重要です。

MEMO

マンションの遮音等級の調べ方に関しては、物件の仕様書やカタログ、不動産会社等にてチェックすることをおすすめします。

床材や壁材

マンション内部の防音性には、床材や壁材も大きく関係します。遮音性の高いフローリングやカーペットを採用しているマンションでは、足音や振動が軽減され、下階への音漏れを防ぐ効果があります。また、壁に防音材が使用されている物件は、隣室からの音をしっかりと抑制してくれるため、隣人とのトラブルを避けやすいです。

天井と床の厚さ

天井や床の厚さも防音性に影響を与える要素の一つです。厚い天井や床材は、上下階の音の伝わりを抑える効果があります。マンション選びの際には、天井や床の厚さや構造を確認し、防音性の高い物件を選ぶようにしましょう。

防音ドアの有無

玄関ドアは外部の音を遮断する重要なポイントです。防音ドアを採用しているマンションでは、廊下からの騒音が減少し、より静かな住環境を確保できます。

また、住民同士のマナーも静かな生活には欠かせない要素です。防音設備がしっかりしていても、住民の音に対する配慮がなければトラブルに発展することがあります。マンション全体の住民マナーや管理体制を確認し、静かな環境を提供してくれる物件を選ぶことが大切です。

これらのポイントを意識して物件を選ぶことで、防音性能の高いマンションに住み、快適な暮らしを実現することができるでしょう。

どこに住んでもうるさい?騒音トラブルの事例

物件における騒音トラブルは、住まいの快適さに大きな影響を及ぼす問題の一つです。特にマンションやアパートなどの集合住宅では、騒音トラブルが発生しやすく、場合によっては近隣住民との関係が悪化する原因にもなります。

ここでは、よく見られる騒音トラブルの事例をいくつか紹介します。

隣室からの生活音

壁を共有する隣室からの生活音も、騒音トラブルの一因となります。

テレビや音楽の音、会話の声など、日常的な音が壁を通じて伝わりやすい物件では、隣人との関係に影響を与えることがあります。特に夜間や早朝の時間帯に音が気になる場合、睡眠を妨げられることもあり、深刻なトラブルに発展することも少なくありません。

上階からの足音や物音

集合住宅で最も頻繁に報告される騒音トラブルの一つが、上階からの足音や物音です。

特に子供がいる家庭では、走り回る音や物を落とす音が響きやすく、下の階に住む住人にとって大きなストレスになります。建物の構造によっては、わずかな生活音でも響きやすい場合があり、防音対策が不十分な物件では問題が深刻化しやすいです。

外部からの騒音

物件が交通量の多い道路沿いや繁華街に位置する場合、外部からの騒音も問題となります。車やバイクのエンジン音、歩行者の話し声、さらには近隣の店舗や工事の音が響く場合もあります。特に、防音対策が不十分な窓やドアを使用している物件では、これらの音が室内に入り込みやすく、住環境の質が大きく損なわれることがあります。

ペットの鳴き声

ペット可の物件では、ペットの鳴き声が騒音トラブルの原因となることがあります。

特に犬の吠え声は、周囲に響きやすく、長時間にわたって続くと周辺住民の迷惑になることが多いです。ペットを飼っている住人と、ペットのいない住人との間でのトラブルは、解決が難しい場合もあります。

エレベーターや共有スペースの音

エレベーターや廊下、階段などの共有スペースから発生する音も、騒音トラブルの一因となります。特に、夜間に人の移動が多い物件や、エレベーターの音が響きやすい物件では、これらの音が住人の生活に悪影響を及ぼすことがあります。

これらの騒音トラブルを避けるためには、物件選びの段階で防音性能をしっかりと確認することが重要です。また、問題が発生した場合には、適切なコミュニケーションや管理会社への相談が早期解決の鍵となります。

内見時に確認すべき設備と周辺環境のポイント

マンションやアパートでの生活において、上階や隣室からの生活音が気になるという問題はよくあります。足音や家具の移動音、テレビの音などが日常的に響いてしまうと、ストレスの原因になります。そこで、

物件選びでは、写真やオンラインの情報だけでは分からない点が多く、現地の内見が非常に重要です。実際に足を運ぶことで、物件の設備や周辺環境を確認し、住みやすさを判断できます。ここでは、内見時に確認すべき設備と周辺環境のチェックポイントを紹介します。

渡邊編集者渡邊編集者

騒音に悩まされにくい静かすぎるマンションを選ぶためにはどうすればいいのでしょうか。
物件の設備チェックポイント
  1. 窓やドアの防音・断熱性能
  2. キッチン・バス・トイレの機能と状態
  3. エアコンや暖房設備の有無と状態
  4. セキュリティ設備の充実度

1. 物件の設備チェックポイント

1-1. 窓やドアの防音・断熱性能

窓やドアの性能は、室内の快適性に大きく影響します。内見時には、二重窓やペアガラスが使用されているか、ドアの気密性が高いかを確認しましょう。

これらは、外部からの騒音や寒暖の影響を減らし、快適な生活環境を保つために重要です。また、窓の開閉がスムーズか、サッシ部分に隙間がないかも確認しましょう。

1-2. キッチン・バス・トイレの機能と状態

キッチンやバス、トイレなどの水回り設備は、日常生活で頻繁に使用する場所です。

蛇口やシャワーの水圧は十分か、給湯器の動作に問題がないか、排水がスムーズかをチェックしましょう。また、バスルームのカビや汚れ、トイレの清潔さや機能(温水洗浄便座など)も確認ポイントです。キッチンの収納スペースやコンロの数、換気設備も実用性を考慮して見ておきましょう。

1-3. エアコンや暖房設備の有無と状態

冷暖房設備も重要な要素です。内見時にエアコンが設置されているか、設置場所に問題がないかを確認しましょう。また、暖房器具や床暖房の有無もチェックしてください。

エアコンの年式や状態を確認し、動作に問題がないか確認することも必要です。特に夏や冬の快適性に大きく関わる部分なので、見逃さないようにしましょう。

1-4. セキュリティ設備の充実度

住まいのセキュリティ設備も大切なポイントです。オートロックや防犯カメラが設置されているか、インターホンが録画機能付きかなどを確認しましょう。

また、共用廊下やエレベーターがきちんと管理されているか、夜間の照明が適切に配置されているかも確認して、安全性を判断する材料にします。

周辺環境のチェックポイント
  • 騒音や交通量の確認
  • 周辺の生活利便性
  • 周囲の治安状況
  • 学校や病院、公共施設の近さ

2. 周辺環境のチェックポイント

2-1. 騒音や交通量の確認

現地での騒音チェックは、昼間だけでなく夜間や早朝にも確認することをおすすめします。

内見時に、周囲の交通量や近くに主要道路や線路があるかを確認し、騒音の程度を確認しましょう。また、近隣住民の生活音やペットの鳴き声、工事現場の有無なども、長期的な住み心地に影響します。

2-2. 周辺の生活利便性

生活の便利さは、物件の近くにあるスーパー、コンビニ、薬局などの施設によって左右されます。物件から徒歩圏内に日常的に利用する店舗があるかどうか確認しましょう。また、最寄りの駅やバス停までの距離も重要です。特に、雨の日や仕事帰りの夜間に、どのくらいの時間で公共交通機関にアクセスできるかは、実際に歩いて確認するのが理想的です。

2-3. 周囲の治安状況

治安の良し悪しは、住みやすさに直結します。周辺の街灯の数や明るさ、夜間の人通りをチェックしましょう。昼間は問題なく見えても、夜になると暗くなりすぎたり、静かすぎたりする場所もあります。また、近くに繁華街や風俗街があるか、ゴミの不法投棄がないかも確認することが必要です。

2-4. 学校や病院、公共施設の近さ

ファミリー層の場合は、学校や保育園の距離も重要なチェックポイントです。また、万が一のために病院やクリニックの近さや、図書館や公園といった公共施設の場所も確認しておくと、より安心して生活できます。

物件の内見は、設備や周辺環境をしっかりと確認するための貴重な機会です。内見時にこれらのポイントを押さえることで、快適で安全な住まいを選びやすくなります。

小島解説員小島解説員

快適な生活空間を作るための防音対策

快適な生活空間を実現するためには、防音対策が不可欠です。音の問題は、集中力を削いだり、睡眠を妨げたりすることがあり、適切な対策を講じることでより良い住環境を作ることができます。そこで、快適な生活空間を作るための防音対策について紹介します。

自分で出来る防音対策
  • 窓やドア
  • 壁や床
  • 家具の配置で音をコントロール
  • 防音アイテムの活用

窓やドア

防音効果を高めるための基本的な対策として、窓やドアの改善があります。外部からの騒音が気になる場合、窓には二重窓や防音カーテンを取り付けるのが効果的です。二重窓は、外部の音を遮断し、室内の音も外に漏れにくくする役割があります。また、防音カーテンは厚手の生地で音を吸収するため、窓から入る騒音を抑えることができます。

ドアに関しては、気密性の高いものに交換したり、ドアの下部に隙間があればドアスウィープなどで隙間を埋めることが効果的です。

MEMO

特に玄関ドアの隙間からは音が漏れやすいので、隙間対策は必須です。

壁や床

上下階や隣室との壁や床から伝わる音を抑えるには、壁や床の防音対策が有効です。例えば、壁には吸音パネルや防音シートを取り付けることで、音の反響や伝播を防ぐことができます。これにより、隣室からの生活音が直接響くのを防ぎ、室内も静かになります。

床には、防音カーペットやラグを敷くと、足音や物が落ちた時の音が下の階に伝わりにくくなります。特に、小さな子どもがいる家庭やペットを飼っている場合、こうした対策は欠かせません。また、フローリングの上にラグやマットを敷くことで、室内の音が反響しにくくなる効果もあります。

家具の配置で音をコントロール

意外かもしれませんが、家具の配置も防音対策の一環です。壁際に本棚やクローゼットなどの大型家具を置くと、壁を通じて隣室に伝わる音を遮断できます。特に、テレビやオーディオ機器が隣の部屋と接している場合は、家具を間に挟むことで騒音を抑えることができます。

防音アイテムの活用

近年では、様々な防音アイテムが市販されており、手軽に取り入れられます。例えば、防音パネルや防音マット、防音シートなどは、自宅の壁や床に簡単に取り付けられるため、手軽に防音対策を強化できます。また、防音効果のあるインテリアも活用すると、部屋のデザイン性を保ちながら静かな空間を作れます。

快適な生活空間を作るためには、生活音をコントロールすることが重要です。自宅でリラックスできるよう、これらの防音対策を実施して、静かな住環境を整えましょう。防音対策をしっかり行うことで、日々のストレスが軽減され、より質の高い暮らしが実現できます。

まとめ:静かなマンションでストレスフリーな暮らしを手に入れる方法

静かな環境での暮らしは、心と体の健康を保つために非常に重要です。特にマンションやアパートなど、集合住宅での生活では、騒音トラブルがストレスの原因になりやすいです。しかし、適切な物件選びや生活習慣の工夫で、騒音を最小限に抑え、快適な生活を実現することができます。

静かなマンションでストレスフリーに過ごすためには、以下のポイントに注意しましょう。

防音性能の高いマンションを選ぶ

まず、静かな生活を手に入れるためには、防音性能の高いマンションを選ぶことが重要です。

物件を選ぶ際、コンクリート造(RC造やSRC造)のマンションを選ぶと、木造や鉄骨造に比べて遮音性が高く、隣室や上下階からの生活音が伝わりにくくなります。また、二重床・二重天井の物件は、上下階からの音を効果的に遮断できるため、音によるストレスを軽減することができます。

周囲の環境にも注目する

物件の防音性能だけでなく、周囲の環境も静かな暮らしを実現するためには重要です。

物件を内見する際には、周辺の騒音状況をしっかりと確認しましょう。例えば、交通量の多い道路や線路、商業施設が近くにあると、車や電車の音、人々の喧騒が気になるかもしれません。静かな環境を求める場合は、住宅街や公園が近いエリアなど、騒音の少ない立地を選ぶのがポイントです。

また、内見は昼間だけでなく、朝や夜にも訪れて、周辺の音の変化を確認することが重要です。夜間に騒がしくなるエリアもあるため、時間帯による音の違いを把握しておくと安心です。

防音アイテムで室内の静けさを強化する

住んでからでも取り入れられる防音アイテムを活用することで、さらに静かな環境を作ることができます。例えば、防音カーテンや二重窓は、外からの騒音を効果的に遮断する手軽なアイテムです。また、防音シートや防音マットを床に敷くことで、上下階の音の伝わりを防ぎ、自分が出す音も周囲に響きにくくなります。

さらに、部屋の壁に吸音パネルを取り付けたり、大きな家具を壁際に配置することで、隣室からの音を抑えることができます。こうした対策を施すことで、室内での音のこもりや反響も減少し、より静かな環境を実現できます。

生活音を意識した暮らしを心がける

自分が他人に与える騒音を減らすことも、静かな暮らしの一環です。マンションでは、足音や家具の移動音が下の階に響くことがあります。スリッパを履く、家具の脚にクッション材を貼るといった工夫で、生活音を抑えることが可能です。また、深夜や早朝の音には特に気を配り、静かに過ごすことで、周囲の住民と良好な関係を築くことができます。

上手にストレスを解消する

静かなマンションでの暮らしは、心身のリラックスにつながりますが、それでも生活上のストレスが完全に無くなるわけではありません。趣味やリラクゼーションを通じて上手にストレスを解消することも重要です。自宅でヨガや瞑想を取り入れたり、読書や映画鑑賞を楽しむことで、心地よい時間を過ごせます。

静かなマンションでの暮らしは、心地よさとリラクゼーションを提供してくれます。適切な物件選びや防音対策をしっかり行い、生活音にも配慮することで、ストレスフリーな快適生活を手に入れましょう。