- 建売住宅は恥ずかしいと言われる理由を解説
- 建売住宅と注文住宅との違いとは
- 建売住宅で後悔しないためのポイントを紹介
マイホームを購入する際の選択肢の一つとして、土地と建物がセットで販売される建売住宅があります。
特に、「注文住宅を建てたいけれど予算的に厳しい」「希望するような土地がなかなか見つからない」といった状況に直面している方にとって、建売住宅は魅力的な選択肢となるでしょう。
しかし、建売住宅を検討し始めると、インターネット上で「建売住宅は恥ずかしい」「建売はみじめだ」「貧乏人が買うもの」「建売で後悔したから引越したい」といった否定的な意見や噂を目にして、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、建売住宅が「恥ずかしい」と言われる背景にある理由について詳しく解説します。また、注文住宅と比較した際の建売住宅のメリット・デメリットについても取り上げ、どのような人に建売住宅が向いているのか、さらに購入後に後悔しないための選び方のポイントもお伝えします。
小島解説員
建売住宅と注文住宅の違いとは
建売住宅とは、あらかじめ建設された住宅と土地が一緒に販売されている一戸建てのことを指します。このタイプの住宅は、すでに完成している物件が多いため、購入前に現物を確認できる点が特徴です。このタイプの住宅は、住宅会社が同じ仕様で複数棟を一度に建設するため、建物の価格を抑えることができるという利点があります。
一部の建売住宅では、着工前や建築中に購入することが可能なケースもあります。すでに完成している物件の場合、契約後短期間で入居できることも大きな魅力と言えるでしょう。
しかし、建売住宅は注文住宅とは異なり、購入者が自分の希望に基づいて間取りやデザインを決めることができない点が特徴です。設備の選択も、間取りや建物の構造に制約されるため、自由度が低いというデメリットがあります。
基本的な仕様や設計を変更することは難しい場合が多いですが、現代のニーズに対応した最新の間取りやデザインが採用されているため、実際に住み始めてから不便を感じることはあまりないでしょう。
そのため、自分のライフスタイルや希望にぴったりと合う建売住宅を見つけることができれば、注文住宅に比べて費用を抑えつつ、理想の住まいを手に入れることが十分に可能です。
渡邊編集者
建売住宅はやめたほうがいい・恥ずかしいと言われる理由やデメリット
建売住宅を選ぶ際に、Yahoo!知恵袋や検索結果、ブログ等で「建売住宅は恥ずかしい」「建売住宅はやめたほうがいい」といった意見をネットで見かけることがあります。建売住宅を検討している方にとって、こうした否定的な意見は気になるポイントでしょう。ここでは、建売住宅が「恥ずかしい」と言われる背景について詳しく解説します。
- 間取りの自由度が低いことからくる不満
- デザインや設備の選択肢が限られていることへの不満
- 個性や独自性の欠如からくる誤解
- 住宅性能への不安
間取りの自由度が低いことからくる不満
建売住宅では、あらかじめ決められた間取りや設計が提供されるため、自分のライフスタイルに合わせて間取りを自由に選べないという点が、建売住宅に対する不満の一つです。注文住宅であれば、リビングの広さ、部屋数、生活動線、収納スペースなどを自分の希望に合わせて設計することができ、将来的な家族構成や生活の変化にも対応できます。
しかし、建売住宅ではこうした柔軟性が欠けているため、「長期的に住む家としては不満が残るのでは?」と感じる人もいます。これが、建売住宅が「恥ずかしい」と言われる理由の一つです。
デザインや設備の選択肢が限られていることへの不満
建売住宅では、注文住宅に比べてデザインや設備の選択肢が限られているため、「自分のこだわりを反映できない」と感じる人もいます。人生で最大の買い物となる住宅購入において、自分の好みやこだわりを実現したいと考える人にとって、建売住宅は物足りないと感じることがあるでしょう。
こうした点から、「建売住宅はやめたほうがいい」といった意見が生まれることがあります。
個性や独自性の欠如からくる誤解
建売住宅が個性や独自性に欠けると見られがちな点も理由に挙げられます。
特に、同じデザインや仕様の住宅が複数並ぶ場合、外観が画一的で「安っぽい」と感じられることがあります。また、一部の人々は、「建売住宅は予算が少ない人が選ぶもの」といった偏見を持つこともあります。
小島解説員
住宅性能への不安
建売住宅は、コストを抑えるために、断熱性や耐震性などの住宅性能に十分な配慮がされていないと考える人もいます。事業者が利益を確保するため、外観や見た目に関わる部分に重点を置き、断熱材の品質や耐震性などの性能が最低限のレベルに留まっているのではないかという懸念があるのです。
特に、自然災害が多い日本においては、住宅の耐震性や耐久性が重要視される傾向にあります。そのため、これらの性能に対して十分にこだわれない建売住宅に対して、「選ばない方がいい」と感じる人もいます。
このように、建売住宅が「恥ずかしい」と言われる理由には、間取りやデザインの自由度、個性の欠如、住宅性能への不安などが挙げられます。
しかし、これらの意見は一部の人の主観に過ぎず、実際には建売住宅にも多くのメリットがあります。自分のライフスタイルや予算に合った住宅を選ぶことが重要であり、他人の意見に左右されすぎず、自分にとって最適な選択をすることが大切です。
建売住宅のメリット
「建売住宅は恥ずかしい」とか「建売住宅はやめたほうがいい」と言われるデメリットについては、すでにご理解いただけたかと思います。
渡邊編集者
小島解説員
確かに、ローコストで大量生産される建売住宅の中には、品質に不満を感じるものもあるかもしれません。ネット上には、「断熱材が薄くて後悔した」という声や、仕上げが粗雑だという感想を見かけることもあります。
しかし、好立地のエリアで注文住宅を購入しようとすると、まず良い土地を見つけるのが難しい場合がありますし、土地が見つかったとしても、価格が非常に高くなることが多く、予算的に厳しいという現実があるでしょう。
一方で、建売住宅ならば、同じ好立地でも比較的手の届く価格で購入できる可能性が高いのです。希望する立地条件や予算に応じては、建売住宅が理想的な選択となることがあり、「建売住宅でよかった!」という肯定的な意見も少なくありません。建売住宅だからといって恥ずかしいと感じるのではなく、予算や立地、家に対するこだわりを考慮して、最適な判断を下すことが大切です。
ここからは、建売住宅を検討する際に知っておきたいメリットを詳しく解説します。
- 購入前に完成した物件を確認できる安心感
- 入居までのスピードが速く、手続きも簡単
- 価格を抑えやすく、予算を管理しやすい
購入前に完成した物件を確認できる安心感
建売住宅の大きなメリットの一つは、購入前に実際に完成した建物を確認できる点です。リビングや居室、収納スペースの広さや天井の高さを実際に体感することができ、生活動線や家事動線も確認することができます。
このように、建物や周辺環境をしっかり確認できる点は、建売住宅の大きな利点です。
入居までのスピードが速く、手続きも簡単
建売住宅のもう一つの大きなメリットは、入居までのスピードが非常に速いことです。注文住宅の場合、設計から施工までに1年以上かかることがありますが、建売住宅では、すでに完成済みの物件であれば、売買契約から住宅ローンの手続き、引渡しまでがスムーズに進み、1か月以内に入居できることもあります。特に、転勤などで早急に新居が必要な場合、建売住宅は大変便利な選択肢となります。
このように、建売住宅には多くのメリットがあります。購入前にしっかりと確認をし、予算や生活スタイルに合った物件を選ぶことで、建売住宅でも理想的なマイホームを手に入れることが可能です。
価格を抑えやすく、予算を管理しやすい
一戸建てを購入する際、注文住宅に比べて価格を抑えやすいというのも建売住宅のメリットです。建売住宅は、大規模な分譲地を一括で購入し、同一の建材や設備を大量に仕入れることでコストを抑えています。また、工期を短縮し、現場の管理費用を削減するなど、さまざまな工夫が施されています。これにより、価格が比較的安価に設定されているのです。
さらに、注文住宅では、間取りや設備、仕様の打ち合わせの過程で追加費用が発生することが少なくありませんが、建売住宅はあらかじめ消費税を含めた販売価格が決まっているため、予算オーバーのリスクが少なく、資金計画を立てやすい点も魅力です。
建売住宅で後悔しないためのポイント
ここでは、建売住宅を選ぶ際に後悔しないためのポイントについて詳しくご紹介します。これからご紹介する選び方を参考に、後悔のない建売住宅購入を目指しましょう。
- 立地条件と周辺環境をしっかり確認することが大切
- 内見時にチェックポイントを事前に準備しておく
- 将来を見据えた間取りの検討
- 即決が求められる状況に備える準備も必要
- 資産性を考慮して慎重に選ぶことも重要
- 住宅性能の確認も不可欠
- 長期間売れ残っている物件に注意する
立地条件と周辺環境をしっかり確認することが大切
建売住宅は、土地と建物がセットで販売されるため、立地条件や周辺環境も合わせて十分に確認することが非常に重要です。立地条件や周辺環境は、通勤・通学の利便性や日々の生活の快適さ、さらには子育て環境にまで大きな影響を与えます。加えて、これらの要素は将来の資産価値にも直結します。
たとえば、建物自体は気に入っていたとしても、通勤や通学の時間が予想以上にかかる場合や、買い物や子どもの遊び場が少ないエリアだった場合、さらには治安に不安を感じるような場所であれば、購入後に後悔する可能性が高まります。
これらの点をしっかりと確認し、納得した上での購入を心がけましょう。
内見時にチェックポイントを事前に準備しておく
建売住宅を内見する際には、事前にチェックすべきポイントをリストアップしておくことが非常に大切です。内見時に確認すべきポイントは多岐にわたりますが、以下のように大きく分類できます。
- 周辺環境と交通の利便性
日常生活における利便性や、周辺環境の雰囲気を実際に歩いて感じてみましょう。 - 地盤
地震や災害時の安全性を考慮し、地盤が安定しているかを確認することが必要です。 - 建物の状態
床下や小屋裏など、見えにくい箇所もしっかりとチェックし、施工不良や不具合がないかを確認しましょう。 - 保証とアフターサービス
購入後のトラブルを避けるために、保証内容やアフターサービスの詳細も確認しておくべきです。 - ハザードマップと用途地域
災害リスクや将来的な土地利用制限についても把握しておくことが重要です。
これらの項目を事前にリスト化し、内見時にしっかりとチェックすることで、不具合が見つかった場合でもリストに基づいて売主に修正を依頼でき、安心して引渡しを受けることができます。
将来を見据えた間取りの検討
間取りを選ぶ際には、将来を見据えた長期的な視点で検討することが大切です。
一戸建てを購入する場合、子どもの成長や生活環境の変化に合わせて、必要となる部屋の広さや使い方、さらにはプライバシーの確保などを考慮することが求められます。たとえば、子どもが独立した後に無駄なスペースが生じないような間取りを選ぶことが理想的です。
また、都市部では狭い敷地に3階建ての建売住宅が多く見られます。3階建て住宅は、限られた敷地でも延床面積を確保できるメリットがある一方で、家事や生活動線の負担が増えることや、メンテナンス費用がかかりやすいというデメリットもあります。子どもの成長や将来のライフスタイルを見据え、長期的な視点で間取りを考えることが重要です。
即決が求められる状況に備える準備も必要
理想的な物件が見つかった場合、購入の判断にあまり時間をかけられないケースもあります。特に、希少なエリアや好立地の建売住宅では、他の買主と競合することも多く、決断が遅れると希望する物件を逃してしまう可能性があります。
そこで、即決が求められる状況に備えて、次のような準備をしておくことが重要です。
- 購入予算を明確に設定する
自分たちの予算をあらかじめ決めておくことで、迅速な判断が可能になります。 - 住宅ローンの事前審査を通しておく
購入の際にスムーズにローン手続きが進められるよう、事前に審査を受けておきましょう。 - 物件選びの優先順位を決めておく
何を最優先するかを明確にすることで、迷いなく決断できるようにしておくことが大切です。
これらの準備を整えておくことで、購入の際に時間が限られている状況でも、自信を持って決断することができるでしょう。
資産性を考慮して慎重に選ぶことも重要
将来的に住み替えや売却を検討している場合、購入する建売住宅の資産性を慎重に評価することが必要です。
不動産の資産価値に最も影響を与えるのは、やはり立地条件です。一戸建ての場合、建物の資産価値は年数が経過するにつれて減少しますが、土地はその立地条件次第で価値を維持しやすい資産です。
そのため、駅からの距離が遠かったり、交通の便が悪かったりする立地条件の場合、建売住宅の資産価値は下がりやすく、将来的な売却や住み替えに影響を及ぼす可能性があります。
また、土地の形状や前面道路の幅、接道状況などの要素も資産性を左右する重要なポイントです。将来の住み替えや売却を考えている場合には、資産性の低い建売住宅は慎重に検討することが求められます。
住宅性能の確認も不可欠
建売住宅は、注文住宅のように住宅性能を自由に選ぶことができません。
国は、環境性能の高い住宅に対して税制や補助金の優遇措置を講じていますが、2024年以降、環境性能の低い新築住宅には住宅ローン減税が適用されなくなりました。今後もこの流れが続くと予測されるため、住宅性能が資産性に影響を与える可能性が高まっています。
したがって、建売住宅を選ぶ際には、住宅性能が低い物件を避け、慎重に選ぶことが重要です。
長期間売れ残っている物件に注意する
完成から長期間売れ残っている建売住宅には注意が必要です。
長期間売れ残っている物件は、価格が値下げされていることが多いですが、単に価格が割安という理由だけで判断すると、後悔する可能性があります。長く売れ残っている理由として、建物や立地、周辺環境に問題があるケースや、価格設定が相場より高いことが考えられます。
- 建物の形状や間取りが特殊
- 駅からの距離が遠く、交通の便が悪い
- 隣接地に老朽化した空き家がある
売れ残っている理由を確認し、将来的に解決できる問題かどうか、価格の妥当性も含めて慎重に判断することが求められます。
まとめ:建売住宅はやめたほうがいい人とは?
建売住宅はやめたほうがいいとよく言われますが、必ずしも住宅購入の選択肢から外すべきではありません。建売住宅には注文住宅とは異なるデメリットや注意点があるため、自分の予算や状況に合わせて慎重に検討することが必要です。以下のような人は、建売住宅よりも注文住宅を検討するほうがよいかもしれません。
- デザインや間取りに強いこだわりがある人
- 住宅性能やアフターサービスを重視する人
- マイホームの資金計画に余裕がある人
- 時間や手間をかけてじっくりと進めたい人
- 個性や独自性の高い家を求める人
このような方々は、注文住宅を中心にマイホーム購入を進めることをおすすめします。是非、参考にしてみてください。