知らないと損する建売住宅に潜む7つの注意点を解説!こんな土地や建売は買うな!

こんな建売住宅は買うな!?やめたほうがいい建物や土地、建築会社の特徴


この記事を書いた人
小島 優一
宅地建物取引士

宅地建物取引士、2級ファイナンシャルプランニング技能士。生命保険会社にてリテール業務に従事した後、2014年に不動産仲介会社であるグランドネクスト株式会社を設立。 2021年より幻冬舎ゴールドオンラインにて不動産を通じて財産を守る、増やす、残す記事を連載している。 >> 詳細はこちらから

この記事のまとめ
  • こんな建売は買うな!?避けるべき建物・土地・建築会社を紹介
  • 建売住宅で後悔・失敗しないためには?
  • 知らないと損する建売住宅にひそむ7の注意点を解説

建売住宅の購入を検討している方の中には、費用対効果や手軽さに魅力を感じつつも、後悔したくないという不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。実は、建売住宅には知らずに購入すると損をする「7つの重要な注意点」が潜んでいます。
例えば、物件の品質や設備、さらには価格に隠れた理由など、見逃しがちなポイントがいくつかあります。この記事では、建売住宅購入時に注意すべき7つのポイントを解説し、「こんな建売住宅は買うな!」という避けるべき特徴も詳しく紹介します。賢い選び方を知ることで、長期的に快適に暮らせる家を手に入れることができるでしょう。

これから建売住宅を選ぶ方にとって、この記事は失敗しないための大切なガイドとなります。

小島解説員小島解説員

山口編集者山口編集者

7つの注意点をしっかり押さえて、理想の住まいを手に入れましょう。

こんな建売住宅は買うな!知らないと損をする建売住宅にひそむ7つの注意点

避けるべき建売住宅の特徴を詳しくみていきましょう。

建売住宅を選ぶ際、建物の品質には特に注意が必要です。

安価な素材や劣悪な施工が施された住宅は、見た目だけでは分かりにくい問題が隠れていることがあります。

外壁の防水性、断熱材の種類や配置、基礎工事の適切さなど、専門的な知識がないと見落としがちなポイントを確認しましょう。また、耐震性能も重要で、長期的な安心を考慮して購入を検討すべきです。

小島解説員小島解説員

やめたほうがいい建物の特徴
  • 建物の傾斜が気になる
  • 建物内の温度が適切でない
  • 漏水や雨漏りの形跡がある
  • 点検口の有無
  • 間取りが不便
  • 建物や設備に関する書類に不備がある
  • 価格が相場より高い・安い

建物の傾斜を確認する

建物が傾いている場合、問題となるのは「耐震性」や「耐久性」への影響です。

傾きが大きいと、柱や梁といった建物の構造部材に変形が生じ、耐震性能が低下してしまう可能性があります

その結果、大地震に対する抵抗力が不足し、建物の安全性が大きく損なわれます。

さらに、傾きが建物の歪みを引き起こすと、外壁にひび割れが増え、防水機能が低下して雨漏りが発生しやすくなります。

また、傾いた家に住み続けることは、居住者の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

長期間にわたり平衡感覚に負担がかかることで、頭痛やめまいなどの体調不良を引き起こすことがあるのです。

建物が傾いているかどうかを調べるには、以下の方法を試してみてください。

1.ドアの動きに注目する
複数のドアを開閉してみて、手を離した際に勝手に動いてしまう場合、建物が傾いている可能性があります。
2.基礎と地面の間のひび割れを確認する
家の外周を確認し、基礎部分に多くのひび割れが見られる場合、地盤沈下による傾きが懸念されます。
3.水平器を使う
水平器を床や壁にあててみましょう。液体内の気泡が線の間に収まっていなければ、傾きが疑われます。手軽に使える道具としておすすめです。
4.レーザー水準器で測定する
より正確な計測には、レーザー水準器やオートレーザーが便利です。住宅診断(ホームインスペクション)では、これらの機材を使用して複数の壁や床の傾きを正確に測定します。

傾きが確認された場合、地盤沈下や基礎の問題が原因であることがあります。

早めに専門家に相談し、適切な修繕計画を立てることが重要です。

また、建売住宅を購入する際は、購入前にホームインスペクションを依頼し、建物の安全性をしっかり確認することをおすすめします。

冬暖かく夏涼しい家かを見極めるポイント

住宅を選ぶ際には、冬暖かく夏涼しい家かどうかを見極めることが重要です。

まず確認すべきは断熱等級で、これは住宅の断熱性能を示す基準です。

等級は1から7まであり、数字が大きいほど性能が高いことを示します。

2025年以降、新築住宅では等級4が最低基準として義務化されますが、快適さを求めるなら等級5以上を目指すのがおすすめです。

また、断熱性が高いと室内外の温度差が抑えられるため結露が発生しにくく、カビやダニを防ぐ健康的な環境を作れます。

ただし、住宅メーカーの「高気密高断熱」という表現は曖昧な場合があるため、具体的な仕様や断熱材の性能を確認し、HEAT20基準など信頼できる指標を参考にすると良いでしょう。

さらに、内覧時には冷暖房のない状態で室温や部屋ごとの温度差を体感し、実際に快適さを確認することも大切です。

雨漏りや漏水の痕跡を見逃さないコツ

建売住宅を検討する際、雨漏りや漏水の兆候を見逃さないことが重要です。

まず、外壁に設置されている給気口や排気口の周りを確認しましょう。

これらの部分は外壁を貫通しており、施工不良や隙間があると雨水が入り込む可能性があります。

フード周辺の防水処理がしっかり行われているか目で確認し、不明な点は必ず売主や施工会社に確認を依頼しましょう

また、軒先やバルコニーの天井部分に水染みや汚れがないかも注意深くチェックすることが大切です。

これらの痕跡が見つかれば、内部で漏水が進行している可能性があります。

さらに、バルコニーの手すりや端部に防水処理が施されているかも確認しましょう。

特に中古住宅では、ひび割れや劣化による硬化が見られる場合があるため、実際に手で触れて状態を確認することをおすすめします。

点検口の有無

建物の点検やメンテナンスを行うための点検口がない場合、床下や天井裏の確認が困難になり、問題が発生した際に修理に時間と費用がかかる可能性があります。

点検口がないことで、見えない部分の不具合を早期に発見できず、建物の劣化が進むリスクが高まります。

これらの点検口が設置されているかどうかは、購入前に確認しておくべき重要なポイントです。

間取りが不便

家族で暮らしやすい間取りかどうかを確認することは、建売住宅を選ぶ際に非常に重要です。

家族全員が快適に暮らせるよう、間取りに工夫が施されているかをチェックしましょう。

例えば、リビングやダイニングが家族全員が集まりやすい広さか、また、キッチンからリビングが見渡せる設計になっているかを確認します。

これにより、料理をしながら家族とのコミュニケーションが取りやすくなります。

さらに、部屋同士の動線も確認が必要です。

特に、子供部屋と親の寝室がどれだけ近いか、または距離があるとしたらその理由は何かを考えましょう。

子育て中であれば、寝室が近い方が安心感があります。加えて、収納スペースの充実度も見逃せません。

収納が足りないと、日々の生活が不便になりがちです。クローゼットや物置、押入れなどの場所が十分に確保されているかを確認しましょう。

また、廊下やドアの配置にも注目しましょう。

家族が多い場合、複数の人が同時に移動することが多くなりますが、動線がスムーズでないとストレスが溜まりやすいです。

特に、バスルームやトイレなどの水回りが、プライバシーを確保しつつ使いやすい場所に配置されているかも重要なポイントです。

山口編集者山口編集者

家族全員が快適に暮らせる間取りを選ぶことで、長期的に住みやすい家を手に入れることができます。

建物や設備に関する書類に不備がある

建売住宅を購入する際、建築確認済証、検査済証、地盤調査報告書の3つの書類が揃っていない場合は要注意です。

これらの書類がないと、建物が違法であったり、土地や建物に何らかの瑕疵がある可能性があります。

書類の提示を求め、しっかりと確認することが重要です。

価格が相場より高い・安い

建売住宅を購入する際、物件の価格が周辺の相場と比較して高くないかを調べることは非常に重要です。

市場価格に比べて異常に高い場合、その理由をきちんと理解する必要があります

例えば、同じエリア内の他の物件と比べて明らかに価格が高ければ、その理由として立地条件や周辺の開発計画、または物件自体の特別な設備や仕様が影響していることがあります。

しかし、価格が異常に安い場合にも注意が必要で、その背景に問題が潜んでいることも考えられます。

周辺地域の不動産価格と比較し、相場に見合った価格かどうかを慎重に判断することが、満足できる購入に繋がります。

また、不動産会社に過去の取引事例や現在の市場動向を確認することも有効です。

相場のチェックを怠ると、後々問題になる可能性があります。

こんな土地は買うな!特徴と注意点

土地選びは住宅購入の成功を左右する重要な要素です。

安価な土地には、湿地帯や埋め立て地など、地盤が弱い場合があります。

地盤調査の結果や周辺環境の変化、交通の便、学校や病院へのアクセスなども考慮する必要があります。

将来的な地価の下落リスクを避けるためにも、慎重に検討することが大切です。

小島解説員小島解説員

避けるべき土地の特長
  • 地盤の状態が不安定
  • 土地の境界が不明瞭
  • 周辺環境に問題がある
  • 災害リスクの高い地域に位置する
  • 土地の仕入れから販売までを一括で行っている会社か

地盤の状態が不安定

地盤が弱いまたは不安定な土地は、地震や大雨などの自然災害に対して非常に脆弱です。

地盤が悪い土地では、地震による液状化現象や、大雨による土砂災害が発生する可能性があります。

耐震性の高い建物が建っていても、地盤が弱いとその効果が薄れることがあります。

地盤調査報告書などで地盤の状態を確認し、地盤がしっかりしている土地を選ぶようにしましょう。

土地の境界が不明瞭

建売住宅を購入する際には、土地の境界が明確であることが重要です。

通常、土地の境界を示すために塀や垣根が設置されていますが、開発の過程でこれらの境界物が取り除かれることがあります。

その結果、境界が不明確になり、隣接する土地とのトラブルが発生する可能性があります。

相続や売却によって所有者が変わることもあるため、境界が曖昧な土地は注意が必要です。

フェンスや塀が隣地に越境している場合もあるため、外構工事が始まる前に境界線を確認し、トラブルを未然に防ぐことが大切です。

周辺環境に問題がある

建売住宅の購入においては、建物や土地だけでなく、その周辺環境もチェックすることが重要です。

周辺環境が悪いと、日常生活にさまざまな支障が生じる可能性があります。以下のポイントを確認しましょう。

周辺環境のチェックポイント
  • 駅までのアクセスが良好か
  • 繁華街が近く、治安に問題がないか
  • 病院や役所などの公共施設が近くにあるか
  • 幹線道路が近く、騒音が問題にならないか

災害リスクの高い地域に位置する

海抜が低い場所や川の近く、天井川の近くなど、災害リスクが高い土地もあります。

洪水や土砂災害、高潮、津波などのリスクがある地域は避けるべきです。ハザードマップを確認し、リスクの高い地域に位置する建売住宅は避けるようにしましょう。

渡邊編集者渡邊編集者

災害時の避難経路が記された防災マップも確認しておくと、万が一の時に備えられます。

土地の仕入れから販売までを一括で行っている会社か

土地の仕入れから建物の設計・施工、販売まで一貫して自社で行っている会社から購入するのが理想です。

こうすることで、トラブルが発生した際の窓口が一つに集約され、連絡がスムーズになります。

建売住宅購入で選んではいけない建築会社の特徴

建築会社の選び方も、住宅購入の成否に大きく関わります。

信頼できる会社を選ぶためには、過去の実績や評判をしっかりと調べることが重要です。

手抜き工事やアフターサービスの不備が問題となるケースも少なくありません。

過去のトラブル事例や口コミをチェックし、信頼性の高い会社を選びましょう。

注意すべき建築会社の特徴
  • 追加工事・オプション工事が多い
  • 品質管理ができていない
  • 施工期間が短い
  • アフターサービスが悪い

追加工事・オプション工事が多い

標準仕様に含まれるべき内容が、オプション工事として扱われる場合があります。

このような場合、購入後に思わぬ追加費用が発生することがあるため、事前にしっかりと確認することが大切です。

また、追加工事やオプション工事に対応しない業者も存在するため、その点も留意しておく必要があります。

建売住宅の価格が安価に見えても、追加工事やオプションの数が多いと、最終的には予算を超える可能性があります。

標準仕様として提供されるべき要素がオプション扱いになっていることもあるため、どの部分がオプションになるのか、そして追加工事の可否について事前に確認し、自分の希望する仕様に対応できるかどうかをしっかりと見極めることが重要です。

品質管理ができていない

施工中に品質管理が不十分だと、後に手抜き工事や欠陥が発生するリスクがあります。

建物が完成した後では内部の施工状態が確認できないため、建設中の品質を把握することが難しくなります。

そのため、建築会社の評判や過去の施工実績を調査し、信頼性の高い業者であるかを確認することが重要です。

品質管理が適切でないと、重大な欠陥が発生し、トラブルに発展する可能性があります。

建設中の現場を実際に訪れて確認することが理想ですが、完成後にしか確認できない場合や現場訪問が難しい場合には、建築会社から施工中の写真や報告書を取り寄せてチェックする方法もあります。

施工期間が短い

通常、建売住宅の施工期間は約4~6ヵ月程度です。しかし、施工を急ぐあまりに期間が大幅に短縮されることがあります。

このような短縮された施工期間では、必要な工程が省略されたり、手抜き工事が行われるリスクが高くなります。

スケジュールの都合や早期販売の目的から、短期間で施工されることがありますが、施工品質が損なわれる可能性があるため注意が必要です。

施工期間が異常に短い場合、その物件には慎重に対処し、品質に関するリスクを考慮することが大切です。

アフターサービスが悪い

建売住宅には法的に10年間の瑕疵担保責任が課されていますが、アフターサービスの質には建築会社によって差があります。

一部の会社では、建物に欠陥がある可能性が高いと感じて、アフターサービスに消極的な場合があります。

新築住宅は時間とともに劣化し、修繕が必要になるため、アフターサービスの充実度は非常に重要なポイントです。

法律で定められている保証に加えて、さらに手厚いサポートを提供する会社もあります。

購入前にアフターサービスの内容を詳しく確認し、自分のニーズに合ったサポートが受けられるかどうかをしっかりと確認してから決定することが重要です。

建売住宅で後悔・失敗しないために

建売住宅購入後に後悔・失敗する人も少なくありません。

例えば、施工の問題で雨漏りが発生したり、契約時に説明されなかった費用が後から発生したりといった事例があります。

こうした経験を防ぐためには、契約前に十分な調査と確認が必要です。

失敗しないためには、事前の情報収集と現地確認が欠かせません。

信頼できる専門家に相談したり、複数の物件を比較したりすることで、納得のいく選択ができます。

また、契約内容を細かく確認し、不明点があればしっかり質問することが重要です。

下記記事にて建売住宅の賢い選び方や恥ずかしいと言われる理由など詳しく解説しておりますので、ぜひご参照ください。

買ってはいけない建売を買ったときの対処法

もし買ってはいけない建売住宅を購入してしまった場合、まずは購入先の業者に相談し、改善を求めることが必要です。

契約書やアフターサービスの内容を再確認することもおすすめします。

無償で修理や対応を受けられるはずのところで高額な費用を請求される事態を避けるためにも、契約書に記載された責任の範囲や対応方法について詳しく確認しておくことが大切です。

また、消費者相談窓口や法律の専門家に相談することで、適切な対応策を見つけることができます。

場合によっては契約の見直しや修繕の要求も可能です。

「こんな建売は買うな」と言われる住宅が市場に出回る理由

市場には、「購入してはいけない」とされる建売住宅が存在することがあります。

その背景には、販売会社が利益を最大化しようとするあまり、建設コストを削減するための手抜き工事が行われることが少なくありません。

このような手抜き工事は、品質の低下や安全性の問題を引き起こす可能性があります。

また、消費者側の知識不足も重要な要因です。悪質な業者は、この知識不足を巧みに利用し、不適切な物件を販売することがあります。消費者が十分な情報や知識を持っていない場合、問題のある物件を見抜くことが難しくなり、その結果として不良住宅を購入してしまうリスクが高まります。
これにより、市場に「買ってはいけない」住宅が流通する原因となっています。

小島解説員小島解説員