- 仲介手数料無料のからくり
- 中古マンションを仲介手数料無料で買うメリット・デメリット
- 中古マンション購入でおすすめできる仲介手数料無料サイト
中古マンションを探していると、「仲介手数料無料」や「仲介手数料半額」といった言葉をよく目にします。通常は数十万円〜100万円以上になることもある費用だけに、無料で購入できるとなれば大きな魅力ですよね。しかし同時に、「なぜ無料にできるの?」「裏に何かある?」「本当にお得なの?」と不安に感じる人も少なくありません。
本記事では、仲介手数料が無料になるからくりから、無料で中古マンションを購入できるおすすめサイト、メリット・デメリット、仲介手数料の計算の基本、無料や半額を実現している業者の特徴まで、初心者でも分かりやすく解説します。仲介手数料無料サービスは上手に使えば初期費用を大幅に抑えられますが、仕組みを理解せずに利用するとトラブルにつながることもあります。
山口編集者
仲介手数料が無料になるからくり

結論として、仲介業者は仲介手数料を完全に放棄しているわけではありません。
仲介手数料無料としながらも、収入を得るためのカラクリや罠が存在します。
仲介手数料が無料になるカラクリは主に、仲介手数料に代わる費用が発生しているケースや、企業努力による人件費や広告費の削減などが考えられます。
一概に危険・怪しいというわけではなく、企業戦略の一つとして無料にしている会社が多いと言えます。
小島解説員
買取業者が所有する物件である
売買の場合、売主が買取業者であれば仲介手数料が無料になります。
買取業者は買い取った物件をリフォームして販売し、収益を上げています。
買取時に買取業者が売主に仲介手数料を支払っているため、買取業者から物件を購入する際には仲介手数料がかかりません。
また、新築戸建の場合も業者が直接買主と契約するため、仲介手数料が発生しません。
買取業者から仲介手数料を受け取っている
不動産売却時に仲介手数料が無料になる理由の一つは、買取業者から仲介手数料を受け取るケースです。
売主または買主のどちらかが仲介手数料を支払うことで、もう一方は無料になります。
買取業者は物件を仕入れ、再販することで利益を上げます。
そのため、不動産会社が入居者を仲介してくれることが重要で、物件仕入れのお礼として買取業者が不動産会社に仲介手数料を支払うパターンが多いのです。
渡邊編集者
小島解説員
売出し価格が低く設定される
売主が早く買主を見つけたい場合、仲介手数料を無料にする代わりに売出し価格が低く設定されることがあります。
これにより、不動産会社の利益は変わらず、売主側のみが実質的に収入を減らすことになります。
広告費等の経費削減と、収益構造
仲介手数料を無料や半額にできる不動産会社には、共通して「コスト削減」と「仲介以外の収益源」という2つの特徴があります。
まず、紙媒体の広告や大型店舗を持つ営業スタイルはコストがかかりますが、近年はネット広告を中心に集客することで、広告費や店舗維持費を大幅に削減できるようになりました。
小島解説員
さらに、賃貸管理や自社販売、リフォーム事業など、仲介手数料以外の収益を持つ企業は、収入が安定しているため手数料に依存しない運営が可能です。
こうした低コスト体制と多角的な売上構造を組み合わせることで、仲介手数料無料・半額といったサービスの実現が可能になっているケースもあります。
仲介手数料無料で中古マンションが購入できるおすすめサイト

中古マンションを購入する際、仲介手数料が無料や半額になるサイトを上手に活用すれば、初期費用を大幅に抑えることができます。ここでは、実績やサポート体制がしっかりしていて、安心して利用できる仲介手数料無料のおすすめサイトを紹介します。
山口編集者
イエフリ

| 会社名 | 株式会社ユナイテッドリバーズ |
| 本社 | 東京都千代田区岩本町2-13-6 ミツボシ第三ビル |
| 設立 | 2009年8月 |
| 代表取締役社長 | 沢辺敦志 |
| 公式サイト | イエフリ公式 |
イエフリは、広告費や人件費を徹底的に見直すことで仲介手数料を無料にしているサービスです。紙のチラシや大手ポータルサイトへの高額広告を使わず、自社サイトの運営を中心にコストを最小化し、経験豊富なスタッフだけで対応しているため、人件費も抑えられていることで、仲介手数料無料を実現しました。
イエフリは価格交渉にも強く、数百件以上の仲介実績を持つ宅建士が、相場や売主の状況を踏まえて交渉を行ってくれます。LINEで相談できるなど、気軽に問い合わせできる点も支持されています。
グランドネクスト

| 会社名 | グランドネクスト株式会社 |
| 本社 | 東京都新宿区新宿1丁目3-12 壱丁目参番館 3階 |
| 設立 | 2010年11月5日 |
| 資本金 | 1000万円 |
| 公式サイト | グランドネクスト公式 |
グランドネクストは、仲介手数料を最大無料で利用できるうえ、住宅ローンの金利優遇など総合的なサポートも充実しているのが特徴です。
WEB集客を中心に広告費や事務コストをIT化で削減することで、業界でも最安クラスの仲介手数料無料、または半額を実現しました。
自社サイトには4,000件以上の物件が掲載されており、選べる物件数の豊富さも魅力の一つです。費用を抑えながらも、丁寧なサポート体制を維持している点が、利用者から高く評価されています。
すむたす売却(すむたす直販)

| 会社名 | 株式会社すむたす |
| 本社 | 東京都中央区日本橋3丁目9−1 日本橋三丁目スクエア2階 |
| 設立 | 2018年1月 |
| 代表取締役社長 | 角 高広 |
| 公式サイト | すむたす公式 |
すむたすは、売主から直接マンションを仕入れて販売する「直販型サービス」を展開しており、仲介を挟まないため仲介手数料が一切かからないのが最大の特徴です。
従来のように売主・買主の間に仲介会社が入らないため、余計な費用が発生せず、そのまま購入者の節約につながります。
また、すむたすはAI査定を活用した革新的な売却サービスも展開しています。売却側はオンラインで最短1時間の査定、最短2日で現金化できる仕組みを持ち、その効率性が買主側にもメリットとして還元されています。無駄のない取引フローで早く・安く・スムーズに購入したい人に向いています。
REDS(レッズ)

| 会社名 | 株式会社 不動産流通システム |
| 本社 | 東京都新宿区西新宿1-8-1 新宿ビルディング9階 |
| 設立 | 2008年10月28日 |
| 代表取締役社長 | 深谷 十三 |
| 資本金 | 8,519万円 |
| 公式サイト | REDS公式 |
REDSは、不動産仲介に特化したプロ集団が運営しており、人件費と広告費を大幅に削減することで手数料の最大無料化を実現しています。路面店を持たず、紙の広告もほとんど使わないため、一般的な仲介会社よりコスト構造がシンプル。その結果、購入時の手数料が無料もしくは業界最安水準に抑えられています。
たとえば5,000万円のマンションなら、本来170万円以上かかる仲介手数料がゼロになるケースもあり、大幅な節約が可能です。また、スタッフは経験豊富な宅建士のみで、ムダな営業活動をなくし、顧客対応に集中できる仕組みを整えています。「質の高いサポートを受けながら費用も抑えたい」人にとって強力な選択肢です。
京急不動産

| 会社名 | 京急不動産株式会社 |
| 本社 | 神奈川県横浜市西区高島1−2−8 京急グループ本社 |
| 設立 | 1958年9月30日 |
| 代表取締役社長 | 濱田 真行 |
| 資本金 | 10億円 |
| 公式サイト | 京急不動産公式 |
京急不動産は、京急沿線を中心に長年事業を展開してきた地域密着型の不動産会社で、自社で土地を仕入れて建てた新築戸建てや、買い取った中古住宅をリフォームして再販売する売主物件を多く扱っているため、これらの物件は仲介業者を介さずに購入でき、仲介手数料が無料になる点が大きな魅力です。
広告費を抑えた販売体制や会員向けの優先案内により、不要なコストを価格に反映させないのも特徴で、品質の高い新築・リノベ物件を比較的手頃に手に入れられます。一方で、仲介手数料無料の対象は京急不動産が売主となる物件に限られるため、一般的な中古マンションや他社物件は無料の対象外となり、選べる物件が限定される点はデメリットと言えます。とはいえ、無料・有料に関わらず手続きやローン支援は統一された基準で提供され、売主物件には同社独自のアフターサービス保証も付くため、安心して購入できる会社です。
仲介手数料とは?

仲介手数料とは、不動産の売買や賃貸の際に、不動産会社へ支払う仲介業務への報酬のことです。
物件紹介から条件交渉、契約書類の作成、ローン手続きのサポートなど、取引を安全かつスムーズに進めるための専門的なサービスに対して支払われます。購入者の希望条件に合う物件を探し、複雑な取引手続きを正確に進めるには高度な知識と経験が必要であり、その対価として仲介手数料が発生します。
小島解説員
仲介手数料の仕組みと計算方法
仲介手数料には法律(宅地建物取引業法)で 上限額 が定められており、過度な負担を買主・売主に強いることがないようにルール化されています。
例えば 3,000万円の物件の場合、仲介手数料は 105.6万円 となります。
取引金額ごとの上限は次の通りです。
| 売買取引金額 | 仲介手数料の上限 |
| 800万円以下の不動産 | 30万円+消費税 |
| 800万円越えの不動産 | 取引額(売買価格)×取引額の3%+6万円+消費税 |
このように、金額が大きいほど手数料率が下がる仕組みになっており、公正性が確保されています。また、仲介手数料には下限が定められていないため、不動産会社は上限を守れば自由に設定でき、最近では手数料半額・無料でサービスを提供する会社も増えてきています。
渡邊編集者
小島解説員
仲介手数料無料で中古マンションを購入するメリット

中古マンションを購入する際、物件価格だけでなく登記費用、火災保険、引越し代など、さまざまな初期費用が発生します。その中でも特に負担が大きいのが仲介手数料です。
物件価格に比例して増えるため、数十万円〜100万円以上になるケースも珍しくありません。だからこそ、この仲介手数料が無料になることは、購入者にとって非常に大きなメリットとなり、総額の初期コストを大幅に抑えることにつながります。
仲介手数料は初期費用の項目の中でも高額
中古マンション購入時にかかる初期費用の中でも、仲介手数料は特に負担が大きい項目です。
一般的な計算式では「売買価格の3%+6万円」に消費税を加えた金額が上限となり、物件価格が高くなるほど手数料も跳ね上がります。
引越し費用や家具家電の購入、登記費用など他にも支出が続く中で、仲介手数料を無料にできるメリットは非常に大きく、総費用を大幅に抑えることができます。
中古マンション価格別の仲介手数料の相場
仲介手数料は「3%+6万円+消費税」で計算されるため、物件価格が高くなるほど負担も大きくなります。
仲介手数料を無料または半額にしている一部の仲介会社を除き、大手を含め多くの不動産会社では正規料金の上限額で案内されるのが一般的です。
山口編集者
| 不動産 売買価格 | 仲介手数料の上限額 |
| 2,000万円 | 72.6万円 |
| 3,000万円 | 105.6万円 |
| 4,000万円 | 138.6万円 |
| 5,000万円 | 171.6万円 |
2,000万円の物件では約72万円、5,000万円では約171万円もの初期費用が必要になることが分かります。中古マンションでは購入後にリフォームやリノベーションを行うケースも多く、これだけの金額が浮けば工事費に十分充てられるため、仲介手数料が無料になるメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
仲介手数料無料の注意点やデメリット

先ほど、仲介手数料無料の理由について解説しましたが、不動産の売却においても仲介手数料が無料になる場合があります。
他の費用項目で請求される可能性がある
売却時には仲介手数料ではなく他の費用項目で請求するケースがあります。
売却に関しては、コンサルティング手数料や物件調査費、出張費、広告宣伝費などが設定されることがあり、仲介手数料よりも費用がかさむ場合があります。
しかし、法律では仲介業務に必要な費用以外は売主に請求できません。
仲介手数料無料ということは、不動産会社がその費用を負担することを意味します。本来は売主が支払う必要のない費用ということです。
小島解説員
大事なことは、かかる費用項目を明確に説明してくれるかどうかです。
もしも、担当者に不安を覚えた場合は一度出してもらった費用項目を弁護士などに確認してもらうのも一つの手でしょう。
担当営業マンのやる気がない可能性
絶対、接客したくない。
経費のがかかる。
仲介手数料無料の不動産へどうぞ。
って言う。
営業からしたら頑張る気を最初から
削がれる https://t.co/CRDiEZJAWE— コぉ【猫溺愛🀄】 (@ko8888t) August 30, 2022
最初から仲介手数料無料の物件を紹介してもらうと効率的ですが、営業マンによっては自身へのサービスの対価を支払いたくないと言われているようなものですから、熱心に良い物件を紹介しようという意欲が薄れることもあります。
会社の集客の一環として仲介手数料無料を打ち出している不動産会社なら構いませんが、特別そういった集客方法をとっていない不動産会社ではおすすめできません。
小島解説員
トラブルが起きたら逃げられる?
仲介手数料無料を謳う不動産屋ってなんなんだろう…。仮にも不動産のプロなら、きっちり報酬もらってお客様に満足してもらえる接客・対応をすればいいと思う。もしや、トラブって都合が悪くなったら何も解決せずに逃げるつもりなんじゃないか…と思ってしまうのは私だけ?😰
— 株式会社みつばち不動産@静岡県藤枝市 (@328estatecoLtd) December 6, 2022
仲介手数料には、手続きや接客にかかる人件費も含まれています。
そのため、仲介手数料を取らない場合、満足できるサービスが受けられない可能性もあります。
もちろん、宅建業法上契約がスムーズに進むよう必要な手続きはしてくれるはずですが、対応スピードや接遇などは期待外れになる可能性もあります。
小島解説員
信頼できる不動産会社の選び方

仲介手数料無料の物件には背後に仕組みがありますが、多くの場合、不動産会社を介して契約を行うことになります。
そのため、信頼できる不動産会社を選ばないと、思わぬトラブルに発展する可能性があります。
ここでは、不動産契約における優良な不動産会社を選ぶための3つのポイントについて説明します。
- 実績豊富
- 企業努力で客付けしている
- トラブルが起きないよう仲介責任をきちんと果たす
1. 実績豊富な会社を選ぶ
不動産取引の実績が豊富な会社は、メガバンクを含む多くの銀行と取引があり、物件購入時の事前審査やローンの申し込みがスムーズに進みます。
一方で、新設の不動産会社は大手金融機関との取引が少なく、仮審査の段階から入居希望者が直接銀行に出向く必要がある場合があります。
トラブルを避けるためには、実績と経験の豊富な不動産会社を選ぶことが重要です。
2. 企業努力で客付けしている会社を選ぶ
仲介手数料を無料にするには、人件費や広告費の削減などの企業努力が欠かせません。
特に売却を考える際は、ネットを中心に広告展開をしている不動産会社を選ぶと良いでしょう。
3. 仲介責任を果たす会社を選ぶ
仲介業務には、契約相手の募集、物件の調査、重要事項説明書の交付や説明など多岐にわたる内容が含まれます。
不動産会社にはこれらの業務を適切に遂行する責任があり、注意義務や説明義務を果たさない場合、後々トラブルに発展することがあります。
小島解説員
値引き交渉可能な物件の見分け方
ここからは仲介手数料無料、または仲介手数料を値切ることができるか見分けるためのポイントをいくつか紹介します。
複数の不動産会社が広告に出している
同じ物件が複数の不動産会社によって広告されている場合、一般媒介契約の可能性が高いです。
消費税のある物件
建売やリノベーション物件など、売主が業者である場合、仲介手数料がかかりません。販売価格に「税込」と表記されている場合、売主が業者である可能性が高いです。
なぜなら販売物件は課税対象のため、税込み価格での表示が基本ルールになっているからです。
リノベーション済みの中古マンション・戸建て
リフォームやリノベーションには多額の費用がかかるため、個人で行うケースは稀です。つまり、市場にあるリノベされている物件は業者が売主であることがほとんどと言えます。
この場合、消費税が課税されるため、仲介手数料がかかりません。
新築一戸建て
新築一戸建ても同様に、商品物件として消費税が課税され、仲介手数料がかかりません。
売主が個人かつ不動産会社を利用していない
売主から直接不動産を購入する場合、仲介手数料は不要です。
小島解説員
物件の現況
物件情報の現況が「居住中」の場合は不動産会社の仲介が入っていると考えられます。
一般の人が売主の場合は、なるべく空室期間を減らすために居住中に物件の買い手を見つようと動き出すことが多いです。もちろんそのバックには不動産会社の仲介が入っていることが推測できます。
現状売り・リフォーム後に入居歴がある
リノベーションやリフォームには多額の費用がかかります。
物件を売り出す際にそうした施工がされず、現状売りの物件は個人が売主である可能性が高く、その背後にはもちろん不動産会社の仲介が入っています。
したがって、こうした現状売り物件は仲介手数料が無料になることは少ないです。
さらに、リフォーム後すぐの物件は業者が売主のケースが非常に多いですが、リフォーム後に入居歴がある物件は個人が売主である可能性が高いです。
これも同様に仲介手数料無料にはなりにくいでしょう。
専属専任物件である
専任媒介契約は仲介を挟まずに契約できますが、専属専任物件は共同仲介となるため、手数料が無料になることはありません。
小島解説員
仲介手数料無料または値引き交渉できるかはオーナー次第
仲介手数料を無料、または値引きできるかは、最終的にはオーナーの判断に左右されます。
特に不動産売買の場合、通常は不動産会社が仲介業務を行うため、仲介手数料が発生します。したがって、仲介手数料を無料にできるかどうかは、売主が業者でない限りはっきりしない場合があります。まずは仲介手数料を無料にできるか、どこまで値切れるかを仲介会社に交渉し、様子を見てみましょう。
小島解説員
渡邊編集者
まとめ|仲介手数料無料のからくりを理解してトラブルを回避しよう
ここまで、仲介手数料が無料になるからくりについてお話しました。不動産会社にとって仲介手数料は収入源の大きな柱です。企業努力で無料にしているところもあれば、別の請求に上乗せしたり、名目だけを変えて徴収している会社もあり様々です。
見極めるにはそれなりの知識が必要になります。信頼できる不動産会社なのか、請求書におかしな点はないかなどよく確認して契約を進めるようにしてください。
おいしい話には必ず裏があります。仲介手数料無料ということは、見えないからくりがあり、トラブルが生じる危険性も潜んでいるということを覚えておく必要があります。
小島解説員

